RCJ通信

RCJ通信 第45号(2023年5月11日)

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 第45号

より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
                 2023.5.11発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、日本電子部品信頼性センター(RCJ)が
開催するイベント情報をはじめ、規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を
発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。

▼今月のもくじ
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【1】「ESD管理システム認証」受審のご紹介
【2】RCJ 主任 ESD COORDINATOR資格認証実施要領のご案内
【3】2023年度ESDコーディネータ登録維持年会費のご請求書お受け取りのお願い
【4】RCJ ESD COORDINATOR認証カード発行申請書提出のお願い
【5】ESD対策に関連する規格の動向(41)
【6】静電気対策Q&A(45)
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【1】「ESD管理システム認証」受審のご紹介

日本電子部品信頼性センター(RCJ)では、静電気対策のシステム構築や管理が正し
くなされていることを第三者が証明する「ESD管理システム認証」を行っています。
この認証制度は国際規格を発行するIECが運営する国際認証機関IECQの認証を得る
ことができる制度です。近年、静電気対策は静電気に敏感な電子デバイスを手掛け
る企業にとって必須事項となっており、国際的に規格適合の要求が高まっています。
特に海外のクライアントとのコンセンサスとして、同一規格による静電気対策の履行
を求められることが多くなり、英文のIEC61340 5-1やANSI S20.20への適用が求めら
れます。しかもいくつかのクライアントに対し、それぞれのクライアントの要求に
合わせた静電気対策を行うことになると多額の費用と人的リソースの浪費につなが
ります。
RCJが行う「ESD管理システム認証」は、国際認証機関のIECQの認証が得られること
から国内、国外を問わずその妥当性が高く評価され、各クライアントに対しても強力
なアピール効果が期待できます。RCJが発行するRCJS 5-1は、IEC 61340 5-1と同等と
IECQが認めたことにより、審査は日本語のRCJS 5-1を使って受審することができます。
承認を得た後も静電気対策管理は運用しやすく、ESDコーディネータの労力も軽減さ
れます。ESD管理プロセス認証の受審をお待ちしております。

詳しくはこちらをご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-controlsystem-2 

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【2】RCJ 主任 ESD COORDINATOR資格認証実施要領のご案内

エレクトロニクス産業のあらゆる分野で、静電気管理の重要性が増しており、より
専門性と知識を有する静電気技術者の育成、社内の地位確立・向上が要請されていま
す。主任ESD COORDINATORは、ESD COORDINATORの一ランク上の資格であり、静電気
管理の国際規格であるIEC61340シリーズ規格に基づく研修と試験により、認証され
ます。
主任 ESD COORDINATOR資格認証基準は以下の通りです。
(1) ESD COORDINATOR登録者で、その後2年以上の実務経験があること。
(2) 年1回行われるRCJ主催の主任ESD COORDINATORのためのセミナーを受講すること。
セミナー内容は、RCJS-5-1が引用しているIEC 61340シリーズ規格(静電荷拡散性能
試験方法、帯電性試験方法、抵抗測定方法、履物の静電気特性試験方法、デバイスの
ESD試験方法(HBM、MM、CDM)、静電気監査方法など)の解説と実演です。
(3) 上記セミナーと同時に行う試験、または再試験(適宜開催)に合格すること。
主任ESD COORDINATORを取得するには、セミナーと試験を受講する必要があります。
2日間の研修・セミナーを行い、2日目の最後に認証試験を行います。セミナーと
試験は年1回(11月)を予定します。
今年は、11月16日(木)、17日(金)(場所:RCJ会議室)です。上記の資格認証基準
を満たすESDコーディネータのみなさまには、資格取得をお勧めします。

詳細はこちら:https://rcj.or.jp/esdc-director

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【3】2023年度ESDコーディネータ登録維持年会費のご請求書お受け取りのお願い

2023年度分のESDコーディネータ登録維持年会費のご請求書を4月19日に発行いたし
ました。BtoBプラットフォーム請求書のIDをご登録いただいた方は、ログインいた
だき、ダウンロードをお願いいたします。
BtoBプラットフォーム請求書からのメールが、迷惑メールに振り分けられていたと
いうご連絡をいただいております。セキュリティ環境に依るものと考えられますが、
BtoBプラットフォーム請求書からのメールが届いていないという方は、受信フォルダ
以外のフォルダをご確認願います。
この登録維持年会費は、資格保有者が多人数となりましたESD COORDINATOR資格認証
制度を運営していくための重要な資金です。みなさまからいただきました登録維持
年会費は、認証カードの発行、セミナー事務局の運営維持、ESDコーディネータの
意見交換の場の充実等に充てております。認証カードの1年ごとの発行は、「人事
異動が激しく業務変更も頻繁に起こるので毎年発行してほしい」というESDコーディ
ネータのみなさまのご要望にお応えしたものです。ご理解とご協力をお願い申し上げ
ます。

BtoBプラットフォームにつきましてご不明な点がございましたら
info@rcj.or.jp までお問い合わせください。

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【4】RCJ ESD COORDINATOR認証カード発行申請書提出のお願い

ESD COORDINATOR資格維持として、年度(4月から翌年3月まで)ごとに
資格登録維持年会費をご請求させていただいております。ただし、初回登録年度は
資格登録維持年会費は必要ありません。また、1年ごとに認証カードを発行します。
今年度の資格登録維持年会費をご納入いただいた方は、下記のフォームより認証
カード発行申請書のご提出をお願いいたします。
認証カード発行申請書の提出期限は以下の通りです。
ご自身の資格有効期限が6月末か、12月末かは、お手元の認証カードをご確認ください。

1.6月30日期限の方の提出期限

・6月2日(金) 
 
★資格登録維持年会費納入意志のある方で、納入が遅れる場合は、納入前でも認証
カード発行申請書を期限内に出してくださるようお願いいたします。

2.12月31日期限の方の提出期限

・10月27日(金)

(注:会費年度(4月から翌年3月まで)と認証カードの有効期間(資格取得月~
翌年の前月)は異なります。ただし、認証カード有効期限は、8月、11月受講者は
翌年の12月31日、5月、6月受講者は翌年6月30日に統一します。)

認証カード発行申請書のご提出はこちらからお願いいたします。:

認証カード発行申請

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【5】ESD対策に関連する規格の動向(41)

今回はANSI/ESD STM11.13 For Evaluating the Performance of Electrostatic Discharge Shielding Materials- Bags
について解説します。
この規格は、バッグの 試験所、メーカー、ユーザのそれぞれが、規定するシールド
バッグの試験方法によって再現性のある結果が得られることを目的にしています。
試験はシールドバッグの減衰能力の評価です。2項目は引用規格、3項目が用語の
解説、4項目が人体安全です。
5項では詳細な試験装置の構成が説明されていて、5.1項でシミュレーションについ
て、5.2項に放電波形を検証するための装置や設定などの詳細が記述されています。
5.3項と5.4項には測定用プローブの仕様が記載されています。5.5項が試験用袋の
サイズで、注意事項として袋の大きさが変わると測定結果が変わってしまうので同じ
サイズで評価するようにとあります。5.7項では試験環境が規定されています。6項
はシミュレータの放電波形検証方法が波形の図と共に詳しく解説されています。7項
がシステムの検証手順で、装置の概要と正しい値が計測ができる構成ができているか
を構成図と共に説明しています。8項が試験手順とコンディショニングで袋の前処理
時間、袋の大きさ、セットアップ、袋と測定プローブの接触度合、オシロスコープの
条件設定など詳しく解説されています。注意事項として袋を複数回試験する際、残留
電荷があると測定結果に影響するので、袋を接地して電荷を抜くようにとあります。
最後の9項が報告書の書き方で記録すべき項目としてピーク電流、袋のサイズ、袋の
厚み、コンディショニング期間、試験条件、試験装置類のメーカー名やモデル番号、
仕様などを記載するように指定しています。付属書Aには放電波形から放電エネルギー
を計算するソフトや計算式などについて解説されています。付属書Bは改訂履歴となっ
ていてこれで最後です。
次回はANSI/ESD S11.4 Static Control Bagsについて解説します。

規格についてはこちらもご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-standard

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【6】静電気対策Q&A(45)

■リフロー時の帯電についての質問 ─────────────────────

SMD実装部品の静電気測定で、リフロー炉前後で大きく値が変化してしまいます。
リフローはんだ付後で大きく値が変化するのはなぜでしょうか。

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◆回答例◆

リフロー装置での帯電の可能性としては、装置内部の搬送系の接地不十分、熱による温度
変化に伴う材料の帯電が考えられます。ここでは、後者の熱による帯電について示します。
ESDSの構成材料は、温度の変化を受けて帯電します。その帯電は材料の分極現象に起因
するもので、集電効果と呼ばれています。リフロー時の温度変化における焦電効果には次の
二つがあると言われています。
1.結晶格子振動:結晶表面は、片側に正負の一方の電荷が発生し、反対側には逆の
電荷が発生し分極しています。通常は、この分極状態となっても外来の荷電粒子を吸着する
ことで電気的には中和されています。加熱・冷却すると結晶格子振動が変化することで表面
に吸着されていた荷電粒子による中和状態が乱れ、表面が帯電します。
2.膨張・収縮:加熱・冷却すると物質は膨張・収縮し、物質の内部圧力に変化が生じます。
この圧力変化により、物質を構成する結晶格子中に存在するイオンの位置ずれが発生し、
結晶表面の片側が正に帯電し、反対側が負に帯電します。このように温度変化に伴う機械的
な圧力変化により新たな分極が発生し電位差が発生します。
ESDSを含む実装部品・基板類は、リフロー実装時の熱による温度変化期間のみならず
取り出し後の冷却期間においても帯電の可能性はあります。このため、リフロー処理後の
製品のイオナイザなどによる除電は、製品の冷却時間を十分に把握したうえで適切な照射
時間の設定を行うべきでしょう。

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