RCJS規格
RCJS標準
- RCJS-5-1(第4版):2025(静電気現象からの電子デバイスの保護-一般要求事項)
- RCJS-TR-5-2(第2版):2017(静電気現象からの電子デバイスの保護-指針)
- RCJS-TS-5-4(第1版):2025(静電気現象からの電子デバイスの保護-指針)
RCJS-5-1(第4版):2025(静電気現象からの電子デバイスの保護-一般要求事項)発行のお知らせ
RCJS-5-1第3版は、IEC 61340-5-1 ed.2(2016)の発行に追従し、2016年に発行されました。その後、IEC 61340-5-1の改訂版であるed.3が2024年5月に発行されました。この改訂を受け、RCJS-5-1第4版(2025)を発行しました。
第4版の発行にあたっては、IEC 61340-5-1ed.3(2024)との互換性を持たせるようにしました。但し、日本特有の接地環境を考慮した接地システムの採用と、RCJS-5-1によりESD管理の全体像を把握できるようにするという方針を踏襲しています。すなわち、接地システムでは、人体安全を考慮し、ESD管理用アイテムに下限抵抗を加えています(IEC 61340-5-1では下限抵抗はありません)。また、附属書として、IEC 61340-5-1 ed.3には含まれていないESD管理用アイテムの試験方法を追加しました。この附属書では、ESD管理用アイテムの試験方法として、それぞれの試験規格の最新版を採用しています。
主な改定内容は、次の通りです。
(1) 適用範囲
対象のESDSをHBM耐性 100Vに加え、CDM 耐性200Vを追加、さらに孤立導体の帯電を35V以下に制限することを追加しました。
(2) ESD管理プログラムの確立・作成
ESD管理のマネジメント側面として、組織が策定し、文書化する計画を次のように明確化しました。すなわち、「組織は,本規格の要求事項に従って,ESD管理プログラムを確立,文書化,履行,維持,適合性の確認を行う。ESD管理プログラムには、教育・訓練計画、製品認定計画、適合性確認計画を含める。」
(3) EPA構築後の維持/管理のための試験方法を規定
IEC 61340-5-1 ed.1:2007から,個別ESD管理用アイテムと人体グラウンドシステム要求で,EPA構築時に行う製品認定方法の他に,EPA構築後に行う適合性確認方法が規定されていました。但し,適合性確認方法は,製品認定方法(IEC 61340-4のシリーズの試験方法)と同じで,測定項目が一部省略されているのみでした。そこで,RCJS-5-1では、表1に,適合性確認方法は規定せず,IEC 61340-4のシリーズの試験方法で規定されていた詳細な点検方法をそのまま採用し,ESD管理用アイテムの点検(毎日の点検,月ごと点検,半年ごとの点検、定期監査)のための適合性確認方法としてきました。
ところで,IEC 61340-5-1 ed.3:2024では,適合性確認の試験方法は,製品認定方法のIEC 61340-4のシリーズの試験方法と異なり,新たにIEC TS 61340-5-4を引用しています。IEC TS 61340-5-4は,RCJS-5-1(第3版)制定時点で,制定されていませんでしたが、最近制定されました。そこで、RCJS-5-1(第4版)では、表1に適合性確認方法を追加し,IEC TS 61340-5-4を基にして発行したRCJS-TS-5-4を採用することにしました。但し,試験方法は,IEC TS 61340-5-4でも,IEC 61340-4のシリーズの試験方法でもよいと注記した。また,注意深い適合性確認方法とするため,これまで採用してきた詳細な点検方法もそのまま採用しています。
(4) 個々のESD管理用アイテムの抵抗限界値の変更
・ESD管理用アイテムに対する要求の表1に、初回の製品認定に加え、EPA構築後の適合性確認の試験方法と限界値を規定しました。
・抵抗の制限値の見直しで、第3版と変更している部分があります。
(5) 人体接地方法
従来のリストストラップシステム、人体/履物/床システムに加え、衣類システムによる人体グランウンド可能としました。但し,実際に使用する場合は,人体安全を十分確認し,使用することが望ましい。
(6) 孤立した導体の電位管理
孤立した導体の電位管理(帯電電圧を±35V以内)は,IEC 61340-5-1 ed.2:2016から追加されていました。但し,イオナイザのみの管理であり,対策不十分と考え,RCJS-5-1(第3版)では,採用を見送っていました。
今回、孤立した導体の対策で規格に反映可能な共通的な対策は,帯電電圧の低減やイオナイザによる対策しか無いと考え,孤立した導体の電位管理として,IEC 61340-5-1 ed.3:2024の内容を採り入れました。
(7) 保護包装
包装に対する静電気管理が,IEC 61340-5-1 ed.2:2016から,大幅に変更されました。顧客要求に従うとし,詳細な規定が削除されました。また,顧客要求が無い場合は,IEC 6134-5-3を参照して組織が決めると規定された。但し,IEC 6134-5-3で規定されている包装に対する要求は,規定でなく,参考と位置づけられ,明確な規定が無い状況でした。
RCJS-5-1(第4版)では,保護包装の規定が必要と考え、第3版の包装規定を引き継ぎました。但し、表2(包装特性)の注記に記載されていた,表面抵抗が109Ωより大きい包装資材への減衰特性測定の要求を削除しました。IEC 61340-5-1:2007以降,この注記が削除され,減衰特性測定の要求が無くなったためです。また,参考として,IEC 6134-5-3の内容は,附属書C(参考)に記載しました。
(8) 標識及びマーキング
IEC 61340-5-1 ed.1:2007から,標識及びマーキングの規定が,顧客要求に従うとし,削除されていました。また,必要に応じて組織が決めると規定されました。IEC 61340-5-1 ed.3:2024も同様でした。
RCJS-5-1(第4版)では,標識及びマーキングの規定が必要と考え,引き継ぎました。
(9) 品質責任
IEC 61340-5-1 ed.3:2024では、適合性確認計画書を作成するとの規定のみで,詳細な定期的な点検手順や定期監査の規定がありませんでした。
RCJS-5-1(第4版)では,詳細な定期的な点検手順や定期監査の規定が必要と考え,第3版の定期的な点検手順や定期監査の規定を引き継ぎました。
(10) 附属書
IEC 61340-5-1 ed.3:2024の附属書は、調整の例のみが記載されています。RCJS-5-1(第4版)では,調整の例はそのまま採り入れました。
また,RCJS-5-1では、ユーザの利便性を図るとの基本方針に基づく,各種ESD管理用アイテムの試験方法を附属書に記載しました。これは,最新のIEC 61340シリーズ規格の情報を反映させています。但し,規格の全部の記述でなく,基本的な内容を記載しています。
今後、ESDC資格認証セミナーでは、このテキストを用います。
RCJS-TR-5-2(第2版):2017「静電気現象からの電子デバイスの保護-指針」発行のお知らせ
- はじめに
この度,2017年に発行予定のIEC TR 61340-5-2(Ed.2, Technical Report)(Protection of Electronic Devices from Electrostatic Phenomena – User Guide)を翻訳・改訂し,一般財団法人日本電子部品信頼性センター技術情報(RCJS-TR-5-2(第2版):2017)として発行しました。これは,既刊のRCJS-TR-5-2:2013の改定版です。 - 経緯
静電気管理のIEC国際規格の現時点での最新版はIEC IS 61340-5-1(第2版):2016 (Protection of Electronic Devices from Electrostatic Phenomena – Generela Requirements)であり,そのユーザガイドがIEC TR 61340-5-2(第2版):2017(発行予定)です。ところが,IEC IS 61340-5-1:2007と第2版:2016では,静電気管理の基本である接地/等電位結合システムにおいて,このシステムに結合するリストストラップ等のESD管理用アイテムに人体安全用の電流制限抵抗を要求していません。わが国では,特有の電源システムを採用していることから,電源から接地を取ることが難しいこともあり,人体安全性の点から,電流制限抵抗のないESD管理用アイテムの使用には,問題があります。このような理由で,IEC IS 61340-5-1:2007を翻訳したJISは発行しないことになり,その替わり,電流制限抵抗を要求している以前の版のIEC TS 61340-5-1:1998を基にし,IEC IS 61340-5-1:2007で採用可能な最新情報と技術内容を追加したRCJS-5-1(最新版は,第3版:2016)を発行し,日本で適用しています。このように,IEC IS 61340-5-1が日本で採用されていない状況から,ユーザガイドのIEC TR 61340-5-2もJIS化は見送られています。しかし,IEC TR 61340-5-2には,静電気管理を実行する上で,有用な情報が多く含まれています。このような状況から,IEC TR 61340-5-2(第2版):2017(発行予定)を翻訳し,静電気管理の解説書と位置づけ,RCJS-TR-5-2(第2版)として発行することにしました。 - 特徴
RCJS-5-1に基づいたESD管理プログラムの作成方法,及びESD管理用アイテム(作業表面,リストストラップ,床材,履物,椅子,イオナイザ,衣類,保管ラック及び棚)について詳細な解説があります。附属書Aには,ESD管理プログラム計画書の例が示されており,ESD管理プログラム計画書(ESD管理マニュアル)作成の上でよい参考になります。
RCJS-TS-5-4 (静電気現象からの電子デバイスの保護ー適合性確認)発行のお知らせ
EPA構築後の維持/管理のための試験方法を規定しているRCJS-TS-5-4(第1版)を発行しました。 RCJS-TS-5-4の源規格は、IEC 61340-TS-5-4(Protection of electronic devices from electrostatic phenomena – Compliance verification)であり、題名がCompliance verificationとなっています。この意味合いは、RCJS-5-1の要求事項に従って構築したESD管理プログラムの有効性が維持されているかを確認・検証するため試験方法と考え、日本語では、適合性確認と邦訳しました。
RCJS-5-1第4版(2025)で規定している初回の製品認定のための試験方法(表1に左側の欄)は、IEC 61340-2と-4のシリーズを採用しています。一方、本RCJS-TS-5-4に規定されている適合性確認のための試験方法は、IEC 61340-2と-4のシリーズを引用していますが、相違点もあり、記述されている図面類も相違していています。これは、IEC 61340-TS-5-4は、米国ESDAのESD TR-53(Compliance Verification of ESD Control Items)を参照しているためです。疑問が生じた場合は、源規格のIEC 61340-2と-4のシリーズを推奨します。
RCJS-5-1(第3版):2016(静電気現象からの電子デバイスの保護)(英語版)
IECQのESD認証をJQAと協同で進めています(ESD管理システム認証のページ参照)。このRCJS-5-1の英語版は、そのESD認証で使用する規格です。IECQでは、RCJS-5-1はIEC 61340-5-1と同等と認められています。但し、ESD認証で使用する仕様書は、日本用仕様書(IECQ AS 0320000-JP001)(表示されているAS 0380000は、間違いで、AS 032000が正しい番号です)として登録されています。その概要を以下に示します。なお、英語版は、RCJS-5-1(第3版):2016対応であり、RCJS-5-1(第4版):2025対応の英語版はまだ発行していません。
RCJS-5-1(英語版)の概要はこちらからRCJS-5-1 ed.4 kaisetu RCJS-5-1 ed.4 contents




