RCJ通信

RCJ通信 第66号(2025年2月6日)

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 第66号

より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
                 2025.2.6発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、日本電子部品信頼性センター(RCJ)が
開催するイベント情報をはじめ、規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を
発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。

▼今月のもくじ
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【1】「出張教育訓練 静電気対策教育プログラム」のご案内
【2】基板・モジュールレベルの静電気対策セミナー(関西地区開催)お申込み受付中です
【3】「ESD管理システムの監査方法解説セミナー」お申込み受付中です
【4】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ
【5】ESDコーディネータ登録情報更新のお願い
【6】静電気対策Q&A(66)
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【1】「出張教育訓練 静電気対策教育プログラム」のご案内

静電気対策の社内教育・訓練計画はできていますか?
RCJS -5-1のESD管理プログラムではESDコーディネータが静電気対策に関係するすべての人
に教育訓練を行うことを要求しています。
・わかっていても自分の仕事が忙しくて、
・教育プログラムを作るのが大変で、
などESDコーディネータの皆さんにとって社内教育プロブラムの遂行はハードルが高いのが
実情のようです。RCJでは、多忙な皆さんに代わって静電気対策の教育訓練を行う「出張教育
訓練 静電気対策教育プログラム」を行っています。講習はご依頼いただいた企業まで出向き、
会議室、食堂、講堂などをお借りして行います。
講習内容は静電気の実験を交えての理解しやすいものとなっており、受講対象者のレベルに
合わせて以下の三段階のプログラムをご用意しております。また受講終了後には受講終了証を
受講者全員にご提供いたしますので顧客などからの監査時に教育・訓練記録の提示が容易です。
また習熟度確認をご希望の場合は簡単なテストもご用意しております。講習内容は下記レベル
に限らず、必要に応じて調整いたしますのでご希望がございましたらお問合せください。
1.入門編:静電気対策に必要な基礎知識や静電気対策の基本的なルールや対策用品の種類
      などを学習します。
2.初級編:静電気対策を行うにあたり必要とされる正しい静電気現象の知識習得と静電気
      対策の用品や用語、EPA内のルールに関する知識を習得します。
3.中級編:静電気対策に必要な静電気現象の基礎(電位、電荷、ESD、静電誘導等)と
      ESD管理用アイテムの評価実技講習、ESD管理システムの要求事項等を習得します。

詳しくはこちらをご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-education-program

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【2】基板・モジュールレベルの静電気対策セミナー(関西地区開催)お申込み受付中です

半導体デバイスは、組立工程の取扱いによる静電気障害、電子システム構成後での静電気
ノイズ障害に対し、オンチップ保護回路、基板上保護回路及びシステム筐体設計対策が取ら
れ、コンポーネントESD試験標準、工程静電気管理標準、システムレベルESD Immunity
試験標準が制定されてきました。しかしながら、中間製造品となる基板・モジュールレベル
対象のCBE(Charge Board Event)、HMM(Human Metal Model)等の分析、耐性設計、
工程管理標準等は近年の半導体デバイスの進歩、電子システム性能向上に対し遅れている感
があります。そこで、RCJにおいて、基板・モジュールレベルでの静電気対策委員会が6年
前に発足、現在まで日進月歩の技術進展に対応した分析、報告活動を行っています。今回の
セミナーは、これら委員会活動内容とIEC 61000-4-2 ESD Immunity試験標準検討委員の
検討内容を説明し、紹介します。セミナーレベルは、初級・中級レベルで、基板・モジュー
ルレベルのESD現象の基礎、その対策の基本、実施例等について解説します。

期日:2025年3月7日(金)(13:00~17:00)
会場:ブリーズプラザ8階 803号室(JR大阪駅桜橋口徒歩5分)
   https://www.breeze-plaza.com/access/
主催:一般財団法人日本電子部品信頼性センター
 
詳しくはこちらから:https://rcj.or.jp/oshirase/5098

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【3】「ESD管理システムの監査方法解説セミナー」お申込み受付中です

RCJでは今年3月にESD管理プロセス認証に関するセミナーを開催いたします。
このセミナーではESD管理プロセス認証を受けるにあたりどのような体制を作っておいたら
よいのか、どのような準備が必要かなど、認証は取りたいが何をすれば良いのかわからない
といった方向けに受審のための説明と、内部監査や二社間監査の手法など実務に関するセミ
ナーを企画しました。ESD監査に関するお悩みをお持ちの方に役立つセミナーとなっており
ます。皆さまのご参加をお待ちしております。

■ESD管理システムの監査方法解説セミナー ──────────────────

開催予定日:2025年3月10日(月) 13:00~16:35
会場:大田区産業プラザ6階 C会議室
   https://www.pio-ota.net/access/
費用:9,900円(税込)
定員:30名
      
詳細はこちらから:https://rcj.or.jp/esd-controlsystem-seminar
お申込みフォームはこちら:https://rcj.or.jp/auditing-seminar-application
ESD管理システム認証、ESDプロセス認証については以下のページをご参照ください。

ESD管理システム認証(ESDライン認証) (RCJ-EFC)


お問い合わせ先:info@rcj.or.jp

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【4】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ

資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
「第46回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー」は、以下の日程で開催する
予定です。お申込み受付開始は3月上旬を予定しております。
  
■第48回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ──────────────

開催日時:2025年5月15日(木)、16日(金)
会場:大田区産業プラザ 4階コンベンションホール(東京都大田区南蒲田1-20-20)
定員:150名

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【5】ESDコーディネータ登録情報更新のお願い

RCJ ESD COORDINATOR資格を取得後、ご所属、メールアドレス等に変更が生じた場合は、
下記のフォームで事務局に届けてくださいますようお願いいたします。
届出がないと、資格更新セミナー受講時期のご案内、BtoBプラットフォーム請求書から発行
するご請求書、メールマガジン等を確実にお届けすることができない可能性があります。
お手数をおかけいたしますが、ご協力をお願いいたします。
また、資格を維持されない場合は、必ず辞退届のご提出をお願いいたします。辞退届の
ご提出をもちまして正式な資格失効といたします。

ご変更はこちらからお願いします:https://rcj.or.jp/esdc-profilechange

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【6】静電気対策Q&A(66)

■EPA内外への製品の搬送についての質問─────────────────────

ESDS が搭載された基板をESD対策のラックに入れて搬出入していますが、EPAに持ち込む、
持ち出す際の注意点を教えてください。

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◆回答例◆

まず規格はEPAに製品を搬入する際、製品の包装形態と絶縁物の持ち込みを規制しています。
このため段ボールなどの二次包装はEPA外ですべて排除し近接包装状態で持ち込むことに
なります。またEPA外に製品を持ち出す際の近接包装はシールドバックとなっています。
ご質問の基板ラックを一次包装とするとEPA外で包装を開梱する場合、基板ラック自体を包
んでいるESD管理用近接包装を残したままにしてEPAに搬入します。EPA外に持ち出され
たESDSの近接包装はシールド性を持った包装材でないといけないのですが、パレット等に
積載された基板ラックの場合、全体を包むほど大きなシールドバックはないのでシールド性に
匹敵するような包装形態と取り扱いが必要になります。基板ラックを搬送するパレットは
導電性であることが望まれますが、基板ラックが絶縁性パレットに搭載されている場合はEPA
内に持ち込むことができない二次包装にあたりますのでパレットはEPA外に残してシールド性
のある包装材で覆われた基板ラックのみをEPAに入れます。
絶縁性パレットと基板ラックがシールド性のない低帯電性ラップ材等の近接包装で一緒に
パックされている場合、本来規格に従っていないことになりますが、この場合は少し厄介で
EPA外に絶縁性パレットを残すためEPA外で近接包装を開梱することになります。側壁が
大きく開いた基板ラックをEPA外に露出してしかも絶縁性表面の上に基板ラック自体を置く
ことはとても危険です。この場合EPA外の開梱場所にもESD管理床等の静電気対策を付して
取扱者や基板ラックが帯電しないように、また周囲に帯電物が存在しないようにすることが
必要になります。また基板ラックに何らかの付帯物をつける場合は帯電しない静電気拡散性
材料等で構成しかつ帯電しないように基板ラックと導通させておく必要があります。導電性
の基板ラックが接地経路から離れて帯電することの無いよう注意してください。
EPAから外へ搬出する場合はEPA内で基板を搭載したラックごとシールド性のある包装材で
包装し外部へ持ち出します。
製品の搬送はその形状などから規格の遵守が難しいこともありますが、製品を静電気から守る
ことを第一に極力規格の要求に近づくよう対策を講じて製品を静電気から保護してください。