RCJ通信

RCJ通信 第65号(2025年1月9日)

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 第65号

より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
                 2025.1.9発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、日本電子部品信頼性センター(RCJ)が
開催するイベント情報をはじめ、規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を
発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。

▼今月のもくじ
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【1】2025年 年頭のご挨拶
【2】基板・モジュールレベルの静電気対策セミナー(関西地区開催)開催のお知らせ
【3】「ESD管理システムの監査方法解説セミナー」開催のご案内
【4】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験のご案内
【5】次回静電気対策従事者向けエキスパートセミナーのご案内
【6】ESD COORDINATOR資格認証カード発送完了のお知らせ
【7】静電気対策Q&A(65)
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【1】2025年 年頭のご挨拶

新年あけましておめでとうございます
昨年中はRCJ関係各位の皆様には大変お世話になりまして誠にありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2024年は2020年から停滞していたいろいろな活動が一気に動き出し、RCJのある浅草でも
道行く観光客が爆発的に増え、まるでところてんを押出すかのように人が流れてきます。
さて静電気対策の世界はどうかというと、ESD管理規格が世界的に統一方向に向かい、
統一化されてきた国際規格に従った静電気対策が要求されるようになってきました。
これに伴いESD管理システム認証監査の依頼が格段に増え、規格に準拠した生産体制の
要求が高まっていることをうかがわせます。ESD管理にはESDコーディネータの存在が
欠かせませんが、日本では1,600名程のESDコーディネータ有資格者が在籍し、この監査で
も重要な役割を果たしています。この約1,600名というESDコーディネータ有資格者数は
他国では例を見ない数であり日本の静電気対策意識の高さを示す一つのバロメータといえ
ます。国際取引において製品に対する静電気対策要求はますます厳しくなり、今後世界
から要求される静電気対策の対応力はこのESDコーディネータの肩にかかっています。
RCJは委員会活動やセミナー、各種イベントを通じ日本の静電気対策技術力の向上と
ESDコーディネータ有資格者の地位と能力の向上を目指し誠意努力していく所存です。

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【2】基板・モジュールレベルの静電気対策セミナー(関西地区開催)開催のお知らせ

半導体デバイスは、組立工程の取扱いによる静電気障害、電子システム構成後での静電気
ノイズ障害に対し、オンチップ保護回路、基板上保護回路及びシステム筐体設計対策が取ら
れ、コンポーネントESD試験標準、工程静電気管理標準、システムレベルESD Immunity
試験標準が制定されてきました。しかしながら、中間製造品となる基板・モジュールレベル
対象のCBE(Charge Board Event)、HMM(Human Metal Model)等の分析、耐性設計、
工程管理標準等は近年の半導体デバイスの進歩、電子システム性能向上に対し遅れている感
があります。そこで、RCJにおいて、基板・モジュールレベルでの静電気対策委員会が6年
前に発足、現在まで日進月歩の技術進展に対応した分析、報告活動を行っています。今回の
セミナーは、これら委員会活動内容とIEC 61000-4-2 ESD Immunity試験標準検討委員の
検討内容を説明し、紹介します。セミナーレベルは、初級・中級レベルで、基板・モジュー
ルレベルのESD現象の基礎、その対策の基本、実施例等について解説します。

期日:2025年3月7日(金)(13:00~17:00)
会場:ブリーズプラザ8階 803号室(JR大阪駅桜橋口徒歩5分)
   https://www.breeze-plaza.com/access/
主催:一般財団法人日本電子部品信頼性センター
 
詳しくはこちらから:https://rcj.or.jp/oshirase/5098

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【3】「ESD管理システムの監査方法解説セミナー」開催のご案内

RCJでは今年3月にESD管理プロセス認証に関するセミナーを開催いたします。
このセミナーではESD管理プロセス認証を受けるにあたりどのような体制を作っておいたら
よいのか、どのような準備が必要かなど、認証は取りたいが何をすれば良いのかわからない
といった方向けに受審のための説明と、内部監査や二社間監査の手法など実務に関するセミ
ナーを企画しました。ESD監査に関するお悩みをお持ちの方に役立つセミナーとなっており
ます。皆様のご参加をお待ちしております。

■ESD管理システムの監査方法解説セミナー ──────────────────

開催予定日:2025年3月10日(月) 13:00~16:35
会場:大田区産業プラザ6階 C会議室
   https://www.pio-ota.net/access/
費用:9,900円(税込)
定員:30名
      
詳細はこちらから:https://rcj.or.jp/esd-controlsystem-seminar
お申込みフォームはこちら:https://rcj.or.jp/auditing-seminar-application
ESD管理システム認証、ESDプロセス認証については以下のページをご参照ください。

ESD管理システム認証(ESDライン認証) (RCJ-EFC)


お問い合わせ先:info@rcj.or.jp

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【4】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験のご案内

RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験は、年に4回(2月、4月、8月、10月)
実施しております。次回は1月30日(木)、1月31日(金)に実施します。

■RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験 ──────────────────

実施日:2025年1月30日(木)、1月31日(金): 14:00~16:00
   (いずれかを選択して下さい)
受験資格:RCJ ESD COORDINATOR 資格認証セミナーの既受講者
   (受講後2年間有効)
場所:日本電子部品信頼性センター 会議室
   https://rcj.or.jp/access
定員:各日6名
申込締切:2025年1月24日(金)

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/esdc-reexamination

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【5】次回静電気対策従事者向けエキスパートセミナーのご案内

2024年6月、9月の開催に続き、2025年1月にエキスパートセミナーを開催いたします。
このセミナーでは、なかなか実感できない静電気の特性や挙動を実験を交えて解説します。
また静電気帯電測定や表面抵抗測定など実機を使って実際に測定していただき、測定の
問題点などを実感していただきます。工程の静電気対策に従事される方に必要とされる
静電気特性、測定技術、対策方法、管理技術などを養っていただくためのセミナーです。

■静電気対策従事者向けエキスパートセミナー ──────────────

開催日:2025年1月22日(水)、23日(木)
会場:日本電子部品信頼性センター 会議室
   https://rcj.or.jp/access
定員:8名(定員に満たなくても開催いたします)

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/expert-seminar

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【6】ESD COORDINATOR資格認証カード発送完了のお知らせ

12月期限のESD COORDINATORの方に、資格期間「2025年1月1日~2025年12月31日」
の資格認証カードを12月10日に発送完了いたしました。
お手元に認証カードが届いていない方は、資格登録維持年会費の納入がお済みでない方、
認証カードのご送付を不要と申告いただいた方です。カードが届いていない方で資格維持
を希望される方は、至急、年会費の納入をお願いいたします。資格登録維持年会費の
ご請求書は、2024年4月19日にBtoBプラットフォーム請求書より発行済みです。
近年、各種産業分野で、静電気対策管理の重要性が認識され、静電気対策管理に習熟して
いる技術者に対する価値もますます高まっております。せっかく取得された資格ですので、
放棄してしまうことのないよう、ESD COORDINATOR資格の維持をご検討くださいますよ
うお願い申し上げます。6月期限のESD COORDINATORの方には、昨年6月に資格期間
「2024年7月1日~2025年6月30日」のESD COORDINATOR資格認証カードを発送して
おります。
年会費を未納入で資格維持を希望されない方は、大変お手数ですがESDコーディネータ
登録情報の変更ページの最下段から、資格辞退届(Wordファイル)をダウンロードの上、
必要事項をご記入いただき、必ずご提出くださいますようお願いいたします。
資格辞退届のご提出をもちまして、正式な資格辞退とさせていただきます。

請求書再発行についてのお問い合わせ:info@rcj.or.jp
資格辞退届(Wordファイル)のダウンロードはこちらからお願いします:

所属・住所変更

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【7】静電気対策Q&A(65)

■帯電プレートモニタについての質問─────────────────────

イオナイザの性能検証用に帯電プレートモニタの導入を検討していますがプレートに電位
センサーのついたものと何もついていないものがありますが、何が違うのでしょうか。
小さなプレートの帯電プレートモニタとの違いも含めて教えてください。

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◆回答例◆

規格が定義する帯電プレートモニタは15cm×15cmの大きさとその金属プレートの静電容量
が20pF±2pFであることとなっています。この点では電位センサー付のプレートも電位セン
サーを持たないプレートも規格を満たしていますので、規格に定義されているイオナイザの
試験方法では同じ計測結果が得られます。この測定器が登場した頃は静電気測定器の電位
測定センサーを利用した帯電プレートモニタしかなく、プレートの下に電位センサーを配置
する構造から帯電プレートが大きくなっていました。検証したいイオナイザが配置された
場所によってはこの規定のプレートが入らない場所もあり、薄く小さいプレートの需要が
高まったことから新しい技術として薄いプレートが開発されました。この帯電プレートは
20pFの静電容量を本体側に設け電位測定も本体側で行います。センサー付きの帯電プレート
はプレートのサイズが小さくなると静電容量も一緒に小さくなる傾向にありますので大きい
プレートの測定値と小さいプレートの測定値の差がセンサーのない帯電プレートと比較して
小さくなります。気を付けないといけないのは大きいプレートと小さいプレートの測定値が
同じになっても、同じ値が出るように作られたものではないので測定状況、条件が変わると
異なる値を示す可能性があるということです。センサーを持たない帯電プレートの場合は
プレートサイズが大きかろうと小さかろうと20pFの静電容量になっていますので多くの
場合測定値には差が出ます。いずれにしても大きい帯電プレートと小さい帯電プレートを
併用する場合、それぞれのイオナイザタイプ、計測状況ごとに比較値を取っておかないと
いけないということです。
最後に電位センサーのある帯電プレートと電位センサーのない帯電プレートで差異が出る
可能性として、プレートの斜め横からイオナイザの風を当てた際、電位センサーのある帯電
プレートは接地板との隙間が大きいことからイオンの風が帯電プレートの裏面にも入り込み
帯電プレートを両面から除電することになります。これに対し電位センサーのない帯電
プレートはその構造から帯電プレートの裏面に隙間がほとんどなく裏面からはほとんど除電
されないのでこのことで電位センサーのある帯電プレートモニタと電位センサーを持たない
帯電プレートモニタに差が出る可能性があるので注意してください。