RCJ通信

RCJ通信 第63号(2024年11月7日)

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 第63号

より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
                 2024.11.7発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、日本電子部品信頼性センター(RCJ)が
開催するイベント情報をはじめ、規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を
発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。

▼今月のもくじ
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【1】「出張教育訓練 静電気対策教育プログラム」のご案内
【2】 ESD対策教育用eラーニング〔基礎編〕〔測定編〕のご案内
【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験のご案内
【4】次回静電気対策従事者向けエキスパートセミナーのご案内
【5】2024年度ESDコーディネータ資格登録維持年会費ご入金のお願い
【6】静電気対策Q&A(63)
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【1】「出張教育訓練 静電気対策教育プログラム」のご案内

静電気対策の社内教育・訓練計画はできていますか?
RCJS -5-1のESD管理プログラムではESDコーディネータが静電気対策に関係するすべての人
に教育訓練を行うことを要求しています。
・わかっていても自分の仕事が忙しくて、
・教育プログラムを作るのが大変で、
などESDコーディネータの皆さんにとって社内教育プロブラムの遂行はハードルが高いのが
実情のようです。RCJでは、多忙な皆さんに代わって静電気対策の教育訓練を行う「出張教育
訓練 静電気対策教育プログラム」を行っています。講習はご依頼いただいた企業まで出向き、
会議室、食堂、講堂などをお借りして行います。
講習内容は静電気の実験を交えての理解しやすいものとなっており、受講対象者のレベルに
合わせて以下の三段階のプログラムをご用意しております。受講終了後には受講者全員の
受講終了証をご提供しますので顧客などからの監査時に教育・訓練記録の提示が容易です。
習熟度確認をご希望の場合は簡単なテストもご用意しております。
講習内容は必要に応じて調整いたしますのでご希望がございましたらお問合せください。
1.入門編:静電気対策に必要な基礎知識や静電気対策の基本的なルールや対策用品の種類
      などを学習します。
2.初級編:静電気対策を行うにあたり必要とされる正しい静電気現象の知識習得と静電気
      対策の用品や用語、EPA内のルールに関する知識を習得します。
3.中級編:静電気対策に必要な静電気現象の基礎(電位、電荷、ESD、静電誘導等)と
      ESD管理用アイテムの評価実技講習、ESD管理システムの要求事項等を習得します。

詳しくはこちらをご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-education-program

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【2】 ESD対策教育用eラーニング〔基礎編〕〔測定編〕のご案内

静電気対策を行う作業現場では、作業者の方が静電気対策の重要性を理解して作業することが
重要です。そこで日本電子部品信頼性センターでは、これら作業者の方々が大きなコストと
時間をかけずに、身近なシステムで簡単に教育を受けていただけるeラーニングの講座を
ご提供しています。
〔基礎編〕全7話(総視聴時間:50分)
〔測定編〕全14話(総視聴時間:150分)

ESD管理システム認証制度でも静電気対策現場での教育管理を求めており、これらの要求を
容易に満たすためにもeラーニングがお役に立ちます。
〔測定編〕では、eラーニング復習のためのテキストブックもご用意しました。

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/esdc-learning

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【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験のご案内

RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験は、年に4回(2月、4月、8月、10月)
実施しております。
次回の再試験は2025年1月30日(木)、1月31日(金)に実施します。

■RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験 ──────────────────

実施日:2025年1月30日(木)、1月31日(金): 14:00~16:00
    (いずれかを選択して下さい)

受験資格:RCJ ESD COORDINATOR 資格認証セミナーの既受講者
    (受講後2年間有効)
場 所:(一財)日本電子部品信頼性センター 会議室
定 員:各日6名
申込締切:2025年1月24日(金)

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/esdc-reexamination

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【4】次回静電気対策従事者向けエキスパートセミナーのご案内

6月、9月の開催に続き、2025年1月にエキスパートセミナーを開催いたします。
このセミナーでは、なかなか実感できない静電気の特性や挙動を実験を交えて解説します。
また静電気帯電測定や表面抵抗測定など実機を使って実際に測定していただき、測定の
問題点などを実感していただきます。工程の静電気対策に従事される方に必要とされる
静電気特性、測定技術、対策方法、管理技術などを養っていただくためのセミナーです。
一方的に話を進める講習ではなく、受講者と講師が話し合いながら講習を進め、2日目
最後の受講者間や講師との交流を目的にした懇親会では、前回の2回とも静電気対策で
困ったことなどを活発にお話しいただいておりました。
お申込受付を開始いたしました。皆様のご参加をお待ちしております。

■静電気対策従事者向けエキスパートセミナー ──────────────

開催日:2025年1月22日(水)、23日(木)
会 場:日本電子部品信頼性センター 会議室
定 員:8名(定員に満たなくても開催いたします)

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/expert-seminar

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【5】2024年度ESDコーディネータ資格登録維持年会費ご入金のお願い

日頃、弊センターの活動にご理解を賜りまして誠にありがとうございます。
2024年度のご請求書は、4月19日にBtoBプラットフォームより発行しておりますが、
まだお納めいただいていない場合は、BtoBプラットフォーム請求書にログインいただき、
ご処理のほどお願いいたします。
ご請求書の再発行を希望される場合は、BtoBプラットフォーム請求書にログイン後、
発行済みの請求書を差し戻していただくか、下記のメールアドレスにご連絡をお願い
いたします。
この資格登録維持年会費は、ESD COORDINATOR資格認証制度を運営していくため
の重要な資金となっております。何卒ご理解の上ご協力をお願い申し上げます。

★資格の更新を辞退される方は、以下のページの下方にあります辞退届(Wordファイル)
をダウンロード、ご記入の上、必ず提出してください。
辞退届のご提出をもちまして正式な資格ご辞退といたします。

所属・住所変更

再発行等のお問い合わせはこちらのアドレスにお願いいたします:info@rcj.or.jp

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【6】静電気対策Q&A(63)

■ESDSの帯電測定についての質問─────────────────────

トレー上に搭載した半導体デバイスの帯電測定をしていますが、数十Vから1000V以上と
値に大きな開きがあります。作業は均一な作業をしているはずなのになぜこのような差が
あるのでしょうか。それとも測定方法に間違いがあるのでしょうか。

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◆回答例◆

まずトレー上での測定ということですが、小さなESDSがトレー上に置かれているとESDS
の帯電による電界はトレー側に閉じて測定器まで到達しません。このため表示値は低く表れ、
帯電電圧は低いかのように見えます。しかしトレーの構造上ESDSとトレーの間が離れている
場所があるとこの部分だけ電界は測定器側に向き、電位が高くなって見えます。
トレーとESDSの関係に差がないか確認してください。つぎにESDSそのものの帯電電圧が
異なる原因として、ESDSがモールド部分の帯電により内部に誘導電荷を取り込んでいる
ESDSと取り込んでいないESDSが混在することで電位差が表れて見えることがあります。
そもそもESDSの帯電はほとんどの場合内部回路に静電気が発生するのではなく、実際は
モールド部分の帯電によって内部回路が静電誘導を受けその誘導電位が表れています。
このためモールド表面の帯電がどこに電界を閉じているのか、その対象が内部回路なのか、
トレーのような周囲のものなのか、また内部に電荷が取り込まれてしまっているのかどうか
等によって、電位の見え方は大きく違って見えます。このモールド部の帯電による電位は
ESDSが置かれる環境によって静電誘導の対象が変わり、例えばモールド部の誘導電荷を
取り込んだESDSがその原因となったモールド部と内部回路の関係が変化し、モールド部の
電界が他のものと閉じた場合、先に取り込んだ誘導電荷は相手をなくし電位となって現れます。
このため誘導電荷を取り込んだESDSと取り込んでいないESDSの周囲環境が変わると極性
が異なるESDSが混在して見えることも出てきます。真空チャックに吸着された部分は帯電
することになりますが、吸着している最中はチャックとモールドで電界が閉じていてチャック
との接触による電圧は現れません。もしESDSがチャックと離れ孤立した状態の電位を知り
たければ吸着中ではなくチャックとESDSが離れた時を測定しなければ真空チャックによる
帯電は測定できません。逆に真空チャックに吸着されているときの電位が知りたければチャック
に吸着されているときに測定しなければその電位は見つけられないということになります。
ESDSの測定はこれらの要素を見込んでどのような状況のESDSの帯電を知りたいのか目的
を明確にして測定することが重要です。