RCJ通信

RCJ通信 第60号(2024年8月1日)

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏
 第60号

より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
                 2024.8.1発行
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.rcj.or.jp

▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、日本電子部品信頼性センター(RCJ)が
開催するイベント情報をはじめ、規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を
発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。

▼今月のもくじ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】「第3回ESDコーディネータ大会」開催のご案内
【2】次回 ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のご案内
【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナーお申込み受付中です
【4】次回静電気対策従事者向けエキスパートセミナーのお申込み受付中です
【5】静電気対策Q&A(60)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

【1】「第3回ESDコーディネータ大会」開催のご案内

静電気に脆弱な電子部品に対する静電気対策が世界中で要求されるようになってUSA規格
や国際規格、RCJS規格など標準が整い多くの企業が共通的な静電気対策を行うようになっ
ています。それぞれの企業には確実な静電気対策を実現にするために対策の責任者が設け
られ、それぞれの担当者は他の企業との整合や効果的な静電気対策の運営に苦労されてい
ることと思います。
ESDコーディネータ大会は各企業から静電気対策の担当者が一堂に集まり討議するための
機会をご用意するものです。他社の静電気対策レベルはどの程度だろう、他企業は静電気
対策をどう考えているのだろうか、各企業間同士のコンセンサスはどのように図っている
のだろうかなど悩みを抱えたESDコーディネータがお互いに情報交換することでより良い
静電気対策につなげるよい機会になるかと思います。改訂版の発行が予定されている国際
規格IEC61340 5-1や5-4の解説やテーマ別のグループ討議等を予定しており、大会終了後
には、第34回RCJ信頼性シンポジウム参加者、展示会出展社と合同で情報交換会(懇親会)
を行いますのでこちらに参加いただき情報を得ることも可能です。展示会も併設されてい
ますので対策用品に疑問がある方は展示会場へ行って出展社へ疑問をぶつけることもでき
ます。ESDコーディネータの方のレベルアップの良い機会になると思いますので、ぜひ
ご参加をご検討ください。お申し込みはホームページの申込みフォームからで8月中旬の
開設を予定しています。

■第3回 ESDコーディネータ大会 ──────────────

開催日:11月7日(木)
会 場:大田区産業プラザ 4階コンベンションホール(東京都大田区南蒲田1-20-20)

ご参考(第1回、第2回のESDコーディネータ大会):https://rcj.or.jp/esd-convention

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ

資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
「第47回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー」は、以下の日程で開催いたします。
お申込み受付を開始いたしました。下記のページよりお申込みをお願いいたします。
  
■第47回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ──────────────

開催日時:2024年10月7日(月)、8日(火)
会場:大田区産業プラザ 4階コンベンションホール(東京都大田区南蒲田1-20-20)
定員:150名

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/esdc-seminar

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナーお申込み受付中です

ESD COORDINATOR、主任ESD COORDINATOR資格は、3年毎に更新することになってい
ます。資格更新セミナーは、ESD対策技術(規格改定を含め)のリフレッシュの機会を与える
ことを目的としています。 なお、対象者には、7月3日に案内状をメールでお送りしました。
今回は、資格有効期限が以下(1)(2)の方で、資格を維持されるESDコーディネータ、
主任ESDコーディネータの方が対象です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(1)2024年6月30日
(2)2024年12月31日
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ご自身の有効期限は、前回の更新時に発行された認証書(A4判の認証書で、資格登録
維持年会費を納入された後に毎年発行される認証カードとは異なります)をご確認ください。
有効期限切れの前後4回の更新セミナーの受講が可能です。

◆資格を維持されない場合は、必ず辞退届のご提出をお願いいたします。辞退届の
ご提出をもちまして正式な資格失効といたします。

「第49回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー」は、YouTube LiveでWeb同時配信
いたします。受講者のみなさまに事前にお知らせしますYouTubeの専用URLにアクセスして
いただくだけで受講いただけます。インターネット接続環境とYouTubeをご覧になれるパソ
コン等があれば、特別な設定は必要ありません。開催日時および会場は以下の通りです。

■第49回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー ──────────────

日時:2024年9月12日(木) 10:00~17:00
会場:大田区産業プラザ 3階特別会議室(東京都大田区南蒲田1-20-20)
    及びYouTube Live配信によるWeb受講
申込み締切日:2024年9月5日(木)

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/update-seminar
有効期限のお問合せ:info@rcj.or.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【4】次回静電気対策従事者向けエキスパートセミナーのお申込み受付中です

「静電気対策従事者向けエキスパートセミナー」は、受講生と講師間の距離を縮め理解を
深めることを目的に少人数制(定員8名)で行います。
講習内容は静電気現象の基礎からESD管理アイテムの特性、評価(測定)、規格と管理など
多岐にわたりESDコーディネータに必要な知識と実技をしっかり身に付けていただく内容と
なっています。また受講終了後には終了証を発行いたします。

■開催概要
開催日:2024年9月18日(水)~19日(木)
講習会場:日本電子部品信頼性センター 会議室
定 員:8名(定員に満たなくても開催いたします)
受講費(消費税込):一般 66,000円   ESDコーディネータ及び賛助企業会員 52,800円

■講座内容(2日間集中講座)
 1日目 10:30~17:00 午前1講、午後3講
  ・静電気基礎理論講習と現象実演
  ・帯電電位測定理論講習と実技演習
  ・表面抵抗測定理論講習と実技演習  
  ・イオナイザ原理と評価方法の実技演習

 2日目 10:30~16:00 午前1講、午後2講
  ・静電気対策方法基礎と効果確認
  ・規格要求事項と日常管理
  ・Q&A及び自由討議

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/expert-seminar

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【5】静電気対策Q&A(60)

■通い箱についての質問─────────────────────

通い箱の扱いについて教えてください。現在絶縁性の通い箱を使用していますが、静電気
対策が必要な製品を扱うことになりこの通い箱を流用したいと考えています。
静電気対策として箱の中に導電性材料を敷き詰めて製品が当たるところは導電性にしよう
と思っていますが、問題ないでしょうか。

=====================================
◆回答例◆

ここで大きな問題は導電性(静電気拡散性)であれば静電気対策になっていると考えている
ことです。ESD管理用導電化材料は電気が流れる材料というだけで静電気が発生、帯電しな
い材料というわけではありません。この導電化材料が接地システムに接続されていることで
静電誘導や摩擦などで静電気が発生しても絶えず漏洩し帯電が維持されないことで対策が
有効となっています。もちろん帯電したESDSやその他の帯電物からの電荷の漏洩経路とし
ても機能しています。このためこの材料には電荷漏洩の制御として上下限の抵抗値の幅が
規定されています。今回のご質問はこの導電化材料を絶縁の箱の中に敷き詰めて対策になる
かということですが、絶縁材の中に敷き詰めた導電化材料は絶縁体の箱が帯電することで誘導
帯電し、帯電した電荷の逃げ道がないことで製品の出し入れの際、製品や人体との間で大き
な放電を起こすことになります。原因は箱の帯電による静電誘導だけでなく、何らかの原因
で内部が帯電したままになり製品の出し入れの際に製品とESDが発生することになります。
これはこの通い箱の例だけでなく絶縁性のジグの中に埋め込まれた導体や、絶縁性の搬送パ
レットの上に置かれたESD管理用通い箱など、絶縁された材料で接地経路から切り離された
導電化材料、金属などはすべて同様の問題を持っています。導電性、静電気拡散性などの
材料を使用する際はその接地経路をよく考慮して使用するようにしてください。