RCJ通信

RCJ通信 第57号(2024年5月9日)

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 第57号

より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
                 2024.5.9発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、日本電子部品信頼性センター(RCJ)が
開催するイベント情報をはじめ、規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を
発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。

▼今月のもくじ
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【1】第3回ESDコーディネータ大会開催のご案内
【2】静電気対策資材登録制度のご案内
【3】RCJ 主任 ESD COORDINATOR資格認証実施要領のご案内
【4】ESD COORDINATOR 資格の有効期限、維持及び更新についてのご案内
【5】2024年度ESDコーディネータ資格登録維持年会費のご請求書お受け取りのお願い
【6】静電気対策Q&A(57)
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【1】第3回ESDコーディネータ大会開催のご案内

ESDコーディネータ間の交流と最新情報のご提供を目的としたESDコーディネータ大会を
今年も開催いたします。昨年はまだ参加者が少なかったのですが、ESDコーディネータ間で
行ったグループ討議では活発な意見交換が行われ大変有意義な大会となりました。
今年はIECから61340 5-1の改訂版が発表される等が予定され、ESDコーディネータ
のみなさまに有益な情報をご提供できるかと予想しています。
会場は大田区産業プラザ4階コンベンションホールで、開催日は2024年10月1日を予定
しております。静電気対策の悩みやご苦労をESDコーディネータ間で情報交換し、日頃の
静電気対策にお役立てください。
お申し込み受付は7月上旬ころからRCJホームページでの公開を予定しています。
みなさまのご参加を心よりお待ちしております。

ご参考(第1回、第2回のESDコーディネータ大会):https://rcj.or.jp/esd-convention

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【2】静電気対策資材登録制度のご案内

日本電子部品信頼性センター(RCJ)では、第三者公共機関と共同して測定データを
ウェブ上で公開する資材登録制度を行っています。公的機関での静電気対策用資材測定
結果が規格を満足する認証資材をRCJのホームページで公開することで、ESDコーディ
ネータは自らがESD管理アイテムの測定評価を行うことなく、公表されたアイテムを
選択するだけという制度です。
現在の登録状況は履物と衣服がほとんどですが、2019年より工具の評価もできるよう
になっています。工具は工程内で多用されるアイテムですので資材登録を行うことで
ESDコーディネータから推奨・選択される可能性が高くなります。最近はクライアント
企業からIEC 61340 5-1等で評価されたアイテムを使う要求が高まってきており、
資材登録をすることで製品アピールに大きく貢献いたします。登録されますとRCJの
ホームページ上に製品名や測定結果の表示、またカタログのページも作成されます。
ぜひ一度、自社製品の妥当性表現の一つとして資材登録制度をご検討くださいますよ
うお願い申し上げます。

資材登録リスト、申請フロー等につきましては詳しくはこちらをご覧ください。:

静電気資材登録

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【3】RCJ 主任 ESD COORDINATOR資格認証実施要領のご案内

エレクトロニクス産業のあらゆる分野で、静電気管理の重要性が増しており、より
専門性と知識を有する静電気技術者の育成、社内の地位確立・向上が要請されていま
す。主任ESD COORDINATORは、ESD COORDINATORの一ランク上の資格であり、
静電気管理の国際規格であるIEC61340シリーズ規格に基づく研修と試験により、
認証されます。
主任 ESD COORDINATOR資格認証基準は以下の通りです。
(1) ESD COORDINATOR登録者で、その後2年以上の実務経験があること。
(2) 年1回行われるRCJ主催の主任ESD COORDINATORのためのセミナーを受講すること。
セミナー内容は、RCJS-5-1が引用しているIEC 61340シリーズ規格(静電荷拡散性能
試験方法、帯電性試験方法、抵抗測定方法、履物の静電気特性試験方法、デバイスの
ESD試験方法(HBM、MM、CDM)、静電気監査方法など)の解説と実演です。
(3) 上記セミナーと同時に行う試験、または再試験(適宜開催)に合格すること。
主任ESD COORDINATORを取得するには、セミナーと試験を受講する必要があります。
2日間の研修・セミナーを行い、2日目の最後に認証試験を行います。セミナーと
試験は年1回(11月)を予定します。
今年は、11月21日(木)、22日(金)(場所:RCJ会議室)です。
上記の資格認証基準を満たすESDコーディネータのみなさまに、資格取得をお勧めします。

詳細はこちら:https://rcj.or.jp/esdc-director

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【4】ESD COORDINATOR 資格の有効期限、維持及び更新についてのご案内

本資格の有効期限、維持及び更新につきましてご案内いたします。
◆有効期限と更新セミナー受講について
ESD COORDINATOR資格の有効期限は初回登録日から3年とします。この有効期限
は、合格後に発行される認証書(A4判の紙)に記載されています。資格維持のため
には、資格登録維持年会費(年会費)の納入と、更新セミナーの受講とレポート提出
が必須です。3年ごとの更新セミナーの受講は、IEC 61340シリーズ規格の改定に伴う
研修や知識のリフレッシュの機会が必要と考えるためです。
更新セミナーの受講に際しては、有効期限の半年前から半年後、1年間の受講期間
があり、その間のどのセミナーを受けることも可能ですが、資格有効期限は資格を
取得した年から始まる3年の周期が繰り返されます。

◆資格登録維持年会費(年会費)と認証カードについて
年会費のご請求書は、毎年4月中旬に、BtoBプラットフォーム請求書から発行して
おります。資格が不要になった方は、直ちに資格辞退届のご提出をお願いいたします。
請求後1年を過ぎて年会費の納入が無い場合は、有効期限内でも資格が失効する場合
があります。
また、1年ごとに認証カード(プラスチックのカード)を発行します。認証カードの
有効期限は1年間(資格取得月~翌年の前月、すなわち、5月の認証セミナーを受講
し合格した方:7月1日~翌年6月30日、11月の認証セミナーを受講し合格した方:
1月1日~12月31日)とします。

詳細はこちらをご参照ください:https://rcj.or.jp/esdc-page

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【5】2024年度ESDコーディネータ資格登録維持年会費のご請求書お受け取りのお願い

2024年度分のESDコーディネータ資格登録維持年会費(年会費)のご請求書を4月19日に
発行いたしました。BtoBプラットフォーム請求書のIDをご登録いただいた方は、ログイン
いただき、ダウンロードをお願いいたします。
この年会費は、資格保有者が多人数となりましたESD COORDINATOR資格認証制度を
運営していくための重要な資金です。みなさまからいただきました登録維持年会費は、
認証カードの発行、セミナー事務局の運営維持、ESDコーディネータの意見交換の場の
充実等に充てております。認証カードの1年ごとの発行は、「人事異動が激しく業務
変更も頻繁に起こるので毎年発行してほしい」というESDコーディネータのみなさまの
ご要望にお応えしたものです。ご理解とご協力をお願い申し上げます。

BtoBプラットフォームにつきましてご不明な点がございましたら
info@rcj.or.jp までお問い合わせください。

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【6】静電気対策Q&A(57)

■点検作業についての質問─────────────────────

当社ではEPAを構築しEPA内で使用しているESD管理用アイテムを日常および定期点検
していますが作業工程が広く、アイテムも多いのですべてを点検していると日常作業を
圧迫してしまい点検しきれません。どうしたらよいでしょうか。

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◆回答例◆

IEC 61340 5-1やRCJS 5-1など規格では日常及び定期点検を義務付けています。
RCJS 5-1には参考例としての点検頻度が掲載されています。基本的にはこれらの
規定に従って点検を行うことになりますが、質問にありますようにこの点検作業が
本来の生産を圧迫して不利益を起こすようでは本末転倒になってしまいます。
そこでRCJS 5-1 2016には明確な記載がありませんが、IEC61340 5-1 2016には
Tailoringという記載があります。これは現実的に作業を遂行するために、規定を調整
するということですが、この規定を調整するとは調整しても問題ないという根拠を
明確にし、自社のESD管理プロセスに新たに設定した調整を明記して確実に運用する
ということを意味しています。
例えば四半期に1度定期検査をしているESD管理アイテムの性能が1年間変化しない
という実証結果と共に管理基準(ESD管理マニュアル等)に定期検査期間の変更を
明記し、確実に運用するという意味です。ただしESD管理アイテムの性能変化の
度合いは連続的に変化をしていくものや急に性能が変わってしまうものなど、
各アイテムによって異なるため、点検期間の変更は慎重に決めないといけません。
また数が多いアイテムを検査する場合、グループ分けして1回の測定数を減らし、
分けたグループを周期的に測定していく方法もあります。これも測定周期が長く
なるので実証結果によって周期を決める必要があります。
RCJS TR 5-4 Compliance Verification(適合性検証、定期検査)では点検頻度の規定
はなく、点検頻度は選択したアイテムの耐久性や使用環境によって決めるもので
当規格では規定しない、としています。いい加減な管理体制ではいけませんが、
自社の状況に合った管理方法を構築し効果的な静電気対策を心がけてください。