RCJ通信
RCJ通信 第54号(2024年2月1日)
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第54号
より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
2024.2.1発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、日本電子部品信頼性センター(RCJ)が
開催するイベント情報をはじめ、規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を
発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。
▼今月のもくじ
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【1】IECとRCJの活動
【2】「出張教育訓練 静電気対策教育プログラム」のご案内
【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ
【4】ESDコーディネータ登録情報更新のお願い
【5】静電気対策Q&A(54)
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【1】IECとRCJの活動
皆さんもご存知の通りIEC(International Electrotechnical Commission)はISOと双璧
を成す国際的な標準化団体です。IECの扱っている分野は、あらゆる電気・電子工学に
関する技術、規格、測定方法などの標準化です。
IECはそれぞれの分野を専門とする専門委員会TC(Technical committee)で構成されて
いて、皆さんに関係するTCはTC101 Electrostatic(静電気)です。RCJはTC101が設立
されたときからメンバーとして参加しています。この静電気の技術委員会の中も細かく
作業部会に分かれていて、測定方法や静電気対策管理、対策用品の基準などをそれぞれ
の部会で審議し、決定しています。これがIEC 61340シリーズの規格文書として提供さ
れます。これらの審議は世界中のTC101委員会の参加国が意見を出し合い行われていき
ますが、RCJは日本産業標準調査会(JISC)により承認されたTC101委員会の日本の
国内審議団体として、国内委員会を運営し国際会議からの提案が日本に不利にならない
ように、また日本の要望が採用されるように委員会で討議し、TC101へ意見を反映させ
る重要な役割を担っている団体です。日頃はIECから提供される討議案件をWeb上で討議
していますが、年に一度、世界中から委員が集まるIEC/TC101国際会議が各国の持ち回り
で開かれています。2023年はフランス(ラ・プレンヌ・サン・ドニ)で開催されました。
今年は中国(深セン)で6月24日(月)~28日(金)に開催される予定です。
関連ページはこちら:https://rcj.or.jp/esd-standard
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【2】「出張教育訓練 静電気対策教育プログラム」のご案内
静電気対策の社内教育・訓練計画はできていますか?
RCJS -5-1のESD管理プログラムではESDCが静電気対策に関係するすべての人に教育訓練を
行うことを要求しています。
・わかっていても自分の仕事が忙しくて、
・教育プログラムを作るのが大変で、
などESDCの皆さんにとって社内教育プロブラムの遂行はハードルが高いのが実情のようです。
RCJでは、多忙な皆さんに代わって静電気対策の教育訓練を行う「出張教育訓練 静電気対策
教育プログラム」を行っています。講習はご依頼いただいた企業まで出向き、会議室、食堂、
講堂などをお借りして行います。
講習内容は静電気の実験を交えての理解しやすいものとなっており、受講対象者のレベルに
合わせて以下の三段階のプログラムをご用意しております。また受講終了後には受講終了証を
受講者全員にご提供いたしますので顧客などからの監査時に教育・訓練記録の提示が容易です。
また習熟度確認をご希望の場合は簡単なテストもご用意しております。講習内容は下記レベル
に限らず、必要に応じて調整いたしますのでご希望がございましたらお問合せください。
1.入門編:静電気対策に必要な基礎知識や静電気対策の基本的なルールや対策用品の種類
などを学習します。
2.初級編:静電気対策を行うにあたり必要とされる正しい静電気現象の知識習得と静電気
対策の用品や用語、EPA内のルールに関する知識を習得します。
3.中級編:静電気対策に必要な静電気現象の基礎(電位、電荷、ESD、静電誘導等)と
ESD管理用アイテムの評価実技講習、ESD管理システムの要求事項等を習得します。
詳しくはこちらをご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-education-program
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【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ
資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
「第46回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー」は、以下の日程で開催する
予定です。お申込み受付開始は3月上旬を予定しております。
■第46回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ──────────────
開催日時:2024年5月16日(木)、17日(金)
会場:大田区産業プラザ 4階コンベンションホール(東京都大田区南蒲田1-20-20)
定員:150名
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/esdc-seminar
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【4】ESDコーディネータ登録情報更新のお願い
RCJ ESD COORDINATOR資格を取得後、ご所属、住所、メールアドレス等に変更が生じ
た場合は、下記のフォームで事務局に届けてくださいますようお願いいたします。
届出がないと、資格更新セミナー受講時期のご案内、ご請求書、メールマガジン等を確実
にお届けすることができない可能性があります。
お手数をおかけいたしますが、ご協力をお願いいたします。
また、資格を維持されない場合は、必ず辞退届のご提出をお願いいたします。辞退届の
ご提出をもちまして正式な資格失効といたします。
ご変更はこちらからお願いします:https://rcj.or.jp/esdc-profilechange
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【5】静電気対策Q&A(54)
■対策効果の確認方法についての質問─────────────────────
生産設備の窓に使用されている透明なプラスチックを静電気対策するために帯電防止剤の
塗布を考えています。対策効果の管理として摩擦して帯電電圧を測ろうと思いますが
確認方法に問題はないでしょうか。
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◆回答例◆
摩擦帯電による方法は帯電性試験の一環として間違いではないのですが、摩擦の条件設定
や測定までの時間、帯電防止剤の乾燥具合、摩擦による剥離の状態等、静電気発生・測定
の条件をそろえることが難しく、結果の判定は、擦った、測った、電位がみえなかった、
といった程度の雑駁な測定結果になってしまうため定量的な評価は難しいと言えます。
この方法では効果の変化が捉えにくく、気が付いたら効果がなくなっていたということに
なりかねません。また多くの帯電防止剤は被塗物に固着せず剥離しやすいので、摩擦試験
をすることで、摩擦確認のたびに剥離され、効果の期間を短縮させて塗布回数を増やす
ことになります。
規格では導電性製品の確認は抵抗値測定が基本となっていて作業表面や床、衣類、包装
資材等は表面抵抗計で測定し評価します。この方法であれば数値として評価ができ数値の
変化により効果の劣化が分かりますので管理の指標を立てることができます。
また1×10^10Ωを超える抵抗体、もしくは均質でないものに対しては減衰試験をする
としています。減衰試験はご提示の試験を定量的に評価する方法として帯電プレートモニタ
を使用し、一定量の帯電電荷を減衰させたときにかかる時間を数値として表します。作業
環境に取付けられているアクリル板を減衰試験することは難しいと思いますので、これに
ついても表面抵抗測定の方が適切かと思います。
帯電防止剤を塗布した絶縁体は徐々に帯電防止効果が失われ、いずれ元の絶縁体に戻って
しまいます。長期間静電気対策効果を維持させたいのであれば、定期的に効果の測定を行う
管理が必要となります。再加工の期間や効果の変化を知るためには定量的な方法による評価
が向いていると言えます。