RCJ通信

RCJ通信 第53号(2024年1月11日)

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 第53号

より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
                 2024.1.11発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、日本電子部品信頼性センター(RCJ)が
開催するイベント情報をはじめ、規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を
発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。

▼今月のもくじ
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【1】2024年 年頭のご挨拶
【2】RCJ賛助会員募集のご案内
【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験のご案内
【4】ESD COORDINATOR資格認証カード発送完了のお知らせ
【5】静電気対策Q&A(53)
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【1】2024年 年頭のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。
昨年中は関係各位のみなさまには大変お世話になり誠にありがたく厚くお礼申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
長かったコロナ禍対応も昨年5月に2類から5類へ移行し、やっと明るい兆しが見えて
来ました。開催できなかったESDコーディネータ大会の実施や昨年度の主要事業計画と
していた依頼先への出張教育訓練セミナーやESDプロセス認証の受注などが徐々に得ら
れるようになり、今年こそこれらの事業を確実にし、経営基盤の充実に努める所存です。
オートモビルの電気・電子化、半導体産業の国内帰化などなど電子デバイスに対する
信頼性やESD対策技術がますます重要になることが予想されます。RCJはこれらの事業
に必要な技術の構築や、ESDコーディネータの育成・支援に全力を尽くしてまいります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

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【2】RCJ賛助会員募集のご案内

日本電子部品信頼性センター(RCJ)では、日本における電子部品の信頼性技術と
静電気対策管理技術の向上を目指して多くの活動を行っております。特に近年は静電気
対策管理に対する意識が高まり世界規模で規格対応化が進んでおります。
これらの社会情勢を鑑み、私どもは、国内に向けた信頼性技術情報の提供、日本の静電気
対策管理技術とIEC国際規格との整合活動、日本の静電気対策管理規格の充実、静電気
対策管理者の資質向上等に力を注いでおります。これらの活動を進めていくためには
RCJの企業力だけではとても困難で、みなさまの人的、金銭的なご支援をいただくこと
が必要となっています。資金のご援助に加え、特に後任の育成が喫緊の課題であること
から、若い方々の参画が不可欠であると考えております。
RCJでは、電子デバイスの信頼性技術、静電気対策管理技術に関心のある企業様の
賛助会員加入を広く募集しております。ぜひ一度ご加入をご検討いただき、私たちと一緒
に活動していただきたくお願い申し上げます。

詳細はこちら:https://rcj.or.jp/support-member

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【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験のご案内

RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験は、年に4回(2月、4月、8月、10月)
実施しております。
次回は、2024年1月31日(水)、2月1日(木)、2月2日(金)に実施します。
希望日を選択してお申込みください。

■RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験 ──────────────────

実施日:2024年1月31日(水)14:00~16:00
    2024年2月1日(木)14:00~16:00
    2024年2月2日(金)14:00~16:00

受験資格:RCJ ESD COORDINATOR 資格認証セミナーの既受講者(受講後2年間有効)
場 所:(一財)日本電子部品信頼性センター 会議室
定 員:6名(各日)

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/esdc-reexamination

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【4】ESD COORDINATOR資格認証カード発送完了のお知らせ

昨年6月に資格期間2023年7月1日~2024年6月30日のESD COORDINATOR資格
認証カードを、12月に資格期間2024年1月1日~2024年12月31日の資格認証カードを
ESDコーディネータのみなさまに発送いたしました。
お手元に認証カードが届いていない方は、資格登録維持年会費の納入がお済みでない方、
認証カードのご送付を不要と申告いただいた方です。カードが届いていない方で資格維持
を希望される方は、至急、年会費の納入をお願いいたします。資格登録維持年会費の
ご請求書は、2023年4月19日にBtoBプラットフォーム請求書より発行済みです。
近年、各種産業分野で、静電気対策管理の重要性が認識され、静電気対策管理に習熟して
いる技術者に対する価値もますます高まっております。せっかく取得された資格ですので、
放棄してしまうことのないよう、ESD COORDINATOR資格の維持をご検討くださいますよう
お願い申し上げます。
年会費を未納入で資格維持を希望されない方は、大変お手数ですがESDコーディネータ
登録情報の変更ページの最下段から、資格辞退届をダウンロードの上、必要事項をご記入
いただき、必ずご提出くださいますようお願いいたします。資格辞退届のご提出をもちまし
て、正式な資格辞退とさせていただきます。

請求書についてのお問い合わせ:info@rcj.or.jp
資格辞退届のダウンロードはこちらからお願いします:https://rcj.or.jp/esdc-profilechange

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【5】静電気対策Q&A(53)

RCJ通信 第51号での掲載に続き、第45回ESDコーディネータ資格認証セミナー(2023年
10月16日開催)でのQ&Aの内容を掲載いたします。

■HBM、CDMについての質問─────────────────────

資料中に『HBMの場合の破壊例』、『CDMの場合の破壊例』の二通りがありますが、
HBMは溶断、CDMは絶縁破壊で見た目に違いはあるのでしょうか。メーカに不良解析を
出した場合、HBMかCDMか判断可能なのでしょうか。

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◆回答例◆

確実ではないですが判断は可能です。HBMは熱的な破壊(抵抗や配線の溶断など)が
主で、CDMは絶縁破壊(トランジスタのゲート絶縁膜破壊など)が主となります。
このため、デバイスの入力保護回路(外来のESDから内部回路を保護する回路)の破壊
箇所を確認し、例えば保護抵抗の溶断であればHBM、バイパストランジスタのゲート
酸化膜破壊であればCDMによるものと推定できます。ただし、あまりにも高エネルギー
のESDが印加された場合にはダメージが広範囲に及んでしまう、また不具合の内容を
確認するためにカーブトレーサなどで電流・電圧を繰り返し印加した場合には確認時に
発生してしまう熱によりダメージが広範囲に広がってしまうことで破壊箇所を特定する
ことが不可能となり、いずれのモードかの判定は不可能となります。
このことから考えると、顧客側で一旦不具合を確認したら繰り返し確認する(電圧・
電流ストレスを印加する)こと無しに、そのデバイスはメーカ側に返却し詳細な調査
を依頼したほうがよいでしょう。