RCJ通信

RCJ通信 第37号(2022年9月8日)

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 第37号

より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
                2022.9.8 発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、日本電子部品信頼性センター(RCJ)が
開催するイベント情報をはじめ、規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動
を発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。

▼「新型コロナウイルス感染予防対策」について
日本電子部品信頼性センターが企画しているセミナー、イベント等は、政府の発表と
感染拡大の状況を鑑みて延期、もしくは中止することがあります。
企画を変更する際は事前に当センターがお送りするメールマガジン、ホームページの
トピックでお知らせいたしますのでご留意ください。
RCJ ESD COORDINATOR資格認証、資格更新セミナーでの新型コロナウイルス感染予防
対策につきましては、ホームページをご参照ください。

詳細はこちら:https://rcj.or.jp/oshirase/2651

▼今月のもくじ
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【1】「第32回RCJ信頼性シンポジウム」参加者募集のお知らせ
【2】「第32回信頼性・ESD対策技術展示会」のご案内
【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ
【4】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ
【5】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験のご案内
【6】ESD対策に関する規格の動向(33)
【7】静電気対策Q&A(37)
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【1】「第32回RCJ信頼性シンポジウム」参加者募集のお知らせ

RCJ信頼性シンポジウムは、電子部品、電子デバイス、電子機器等の設計・開発技術者、
信頼性技術者、生産技術者を対象に、信頼性およびESDという共通のテーマで論文発表・
討論し合い、より進歩した信頼性向上技術、ESD障害対策技術等の分野での発展に寄与
することを狙いとしています。

■第32回RCJ信頼性シンポジウム ──────────────────

開催日時:2022年10月26日(水)~10月27日(木)
場所:大田区産業プラザ(東京、京急蒲田)

お申し込み・詳細はこちら:https://rcj.or.jp/symposium

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【2】「第32回信頼性・ESD対策技術展示会」のご案内

信頼性・ESD対策技術展示会は、静電気の影響を受けやすい電子デバイス・部品、
電子機器などを扱う信頼性技術者、設計技術者、品質技術者の方々を対象に、より
進歩した静電気障害対策技術、静電気測定技術、故障解析技術を扱う専門の展示会
です。ご来場時の入場登録のみで展示会、ワークショップとも自由にご参加いただ
くことができます。

■第32回信頼性・ESD対策技術展示会 ─────────

開催日時:2022年10月26日(水)~10月27日(木)
会場:大田区産業プラザ(東京、京急蒲田)

詳細はこちら:https://rcj.or.jp/exhibition

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【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ

ESD COORDINATOR、主任ESD COORDINATOR資格は、3年ごとに更新することになって
います。資格更新セミナーは、ESD対策技術(規格改定を含め)のリフレッシュの
機会を与えることを目的としています。
今回は、資格有効期限が以下(1)~(5)の方で、資格を維持されるESDコーディネータ、
主任ESDコーディネータの方が対象です。新型コロナの影響を考慮し、有効期限が
2021年6月30日、2021年12月31日の方も対象にしています。ただし、期限切れ後の
受講の場合は、期限切れ後、更新セミナー受講前の期間は認証書が発行されません。

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(1)2021年6月30日(コロナ禍対応)
(2)2021年12月31日(コロナ禍対応)
(3)2022年6月30日
(4)2022年12月31日
(5)2023年6月30日
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なお有効期限が2020年6月30日、2020年12月31日でコロナ禍の影響で更新セミナーを
受講できなかった方々も受講期限は過ぎていますが、まだ更新を受け付けております
ので、受講のお申込みをご検討ください。

ご自身の有効期限は、前回の更新時に発行された認証書(A4判の認証書で、資格登録
維持年会費を納入された後に毎年発行される認証カードとは異なります)をご確認
ください。有効期限切れの前後4回の更新セミナーの受講が可能です。

2022年10月25日(火)開催の「第43回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー」は、
YouTube LiveでWeb同時配信いたします。受講者のみなさまに事前にお知らせします
YouTubeの専用URLにアクセスしていただくだけで受講いただけます。
インターネット接続環境とYouTubeをご覧になれるパソコン等があれば、特別な設定
なく受講いただけます。
Webによる受講は、更新セミナーのお申込みをしていただいた方を対象とし、本来
は会場にお越しいただくことが原則ですが、コロナ感染防止等の対応によって会場
でのご受講が難しい方の救済策としてWebでの受講を可としています。Webによる受
講者もセミナー受講後、課題レポートをご提出いただくことで更新とさせていただ
きます。

なおコロナ禍による有効期限1年以上経過後の更新セミナー受付は、今年度までと
いたします。資格の更新をご希望でまだ受講されていない方は受講をご検討ください。
更新セミナーのWeb配信は今後も予定いたします。
RCJでは、ESDコーディネータのみなさまが、コロナ禍が原因でESDコーディネータ
資格を失うことがないよう対応してまいります。

■第43回RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー ──────────────

日時:2022年10月25日(火)
会場:大田区産業プラザ 4階コンベンションホール(東京都大田区南蒲田1-20-20)
定員:現地70名  Web100名
※コロナ感染者数の状況によって定員数が変更になる可能性があります。

詳細・お申し込みはこちら:https://rcj.or.jp/update-seminar

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【4】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ

資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
「第43回 RCJ ESDコーディネータ資格認証セミナー」は、以下の日程で開催する
予定です。
  
■第43回RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ──────────────

開催日時:2022年11月16日(水)、17日(木) 
会場:大田区産業プラザ 4階コンベンションホール(東京都大田区南蒲田1-20-20)
定員:90名 

詳細・お申し込みはこちら:https://rcj.or.jp/esdc-seminar

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【5】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験のご案内

RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験は、年に4回(2月、4月、8月、10月)
実施しておりますが、今年度はコロナ感染拡大のため、実施が不定期になっており
ます。次回の再試験は2022年10月7日(金)に実施します。

■RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験 ──────────────────

実施日:2022年10月7日(金) 14:00~16:00
受験資格:RCJ ESD COORDINATOR 資格認証セミナーの既受講者(受講後2年間有効)
場 所:(一財)日本電子部品信頼性センター 会議室
定 員:6名

詳細・お申し込みはこちら:https://rcj.or.jp/esdc-reexamination

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【6】ESD対策に関連する規格の動向(33)

今回はANSI/ESD6.1 2019 For the Protection of Electrostatic Discharge
Susceptible Items-Grounding
について解説します。この接地システムに関する規格書は内容が豊富で、長文にわ
たっているので2回に分けて説明します。
一番重要なこととしてGrounding(接地)は電気設備として非常に重要な部分であり、
人体安全と密接に関係しています。各国にはその国の環境や考え方に従った規格
や設備がありますので、それに従うことが最優先となります。日本も海外とは異な
る接地環境が構築されておりますので、海外の接地基準を参考にする際は日本の関
係基準とよく照らし合わせ日本の基準から外れないように十分に注意してください。
まずこの規格の目的は、「この規格が提示する定数、材料、用品そして手順は、ESDS
を取り扱うEPAにおいて、必要に応じて選択、構築、立証、管理されなければならな
い。またこの規格はフィールドサービスなど遠隔地での作業にも適用する」、とし
ています。
そして適用範囲は「EPA内の静電気放電防止のための接地と接続について適用され、
400Hzを超える電力設備には適用しない、着火性雰囲気における爆発物や危険区域に
はこの文書は適切ではない」、としています。他の規格同様、2項目は引用規格、
3項目は用語の説明となっています。用語はESD ADV1.0も参照と紹介してます。
4項目は人体安全についてで、他の規格よりもより注意喚起すべくすべて大文字太
字で記載されています。いかにこの規格が人体安全に関わっているかを認識させら
れます。この規格では人員を危険にさらす可能性があり、使用者は内外の規格や思
想に準拠し、作業者の安全に関する要求事項にとって代わるものではない、として
います。作業者が商用電源に触れた際の漏電遮断器やその他の安全装置を使用すべ
きということと、この規格で得られた抵抗値は高電圧の環境に適用すべきではないと
もしています。第5項「技術的要求事項」から大題目として接地では何を(規格等)
守るべきかが謳われており、細目として5.1 基準ESD接地接続システムについて、
5.1.1 電力用接地、5.1.2 補助接地(建物の躯体等本来は接地設備ではない部分の
接地設備としての使用について)、5.1.3 等電位結合、5.2 基準接地点への接続に
ついて、5.2.1 共通接地接続点(EBP等)の仕様、5.2.2 補助接地システム、5.2.3
等電位結合、5.3 その他の考察として金属作業表面の接地について、5.3.2 Isolated
Receptacles(接地端子の無いコンセント、片側接地)は使用べすきではないとの
コメント、5.3.4 船、飛行機等移動機器の接地点について、5.3.5 物理的要求事項
として接地接続線や接続点の強度などについて、と接地設備に対して細かい説明が
記載されています。
次回は今回に引き続き、6.0 電気的要求の項目から解説いたします。

規格についてはこちらもご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-standard

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【7】静電気対策Q&A(37)

■測定方法についての質問 ────────────────────────

誘導電荷を取り込んでしまったESDSの帯電量や、シートの両面に異極の帯電をした
帯電物、帯電分布などを測定する方法を教えてください。

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◆回答例◆

以前のQ&Aでもご説明したように、距離を25mm空けて測定する測定器の場合、どうし
ても異極の帯電や帯電分布などは平均化された値が表示されてしまうため、通常の
使用方法では分布や表裏の帯電等を測定することはできません。これは異極の電荷
どうしが関係を結んでしまい、測定器に電界が届かないためです。そこでこれらの
電荷を測定するには測定方法を工夫する必要があります。例えばシートの両面に異
極の帯電がある場合、シートの厚みにもよりますが、測定器を多少近づけたくらい
では測定値は得られません。この場合シートの両面で引き合っている関係を壊し、
片方の電荷を独立させることで値を得ることができます。絶縁性の高いシートであ
ればシートを接地した導体の上に乗せることで、導体に向い合っている面は導体側
と電界を結ぶため導体と反対側の面の電荷は今まで関係を結んでいた異極の電荷と
関係が稀有になり孤立することになります。正確な電位測定とは言い難いのですが、
シートの上で何が起きているのかを知ることができます。これはガラス基板の帯電
でガラス側の帯電に対し、導体幕側(ITOやTFT等)がイオナイザなどでガラス面の
帯電が必要としていた電荷を吸収してしまうと帯電がなくなったように見えますが、
実際は表裏に帯電が起きていて大きな問題を抱えた状態になります。この時、ガラ
ス側が金属ステージ等に置かれている状態で導体幕側を測定すれば導体幕側の帯電
を知ることができます。同様にQFPのようなフラットパッケージのモールド面が帯電
し、内部に誘導電荷が入り込んでしまっている場合はパッケージの帯電した側を導
体の上に置くと、パッケージの帯電面が置かれた導体と関係が深くなるとデバイス
内部の導体との関係が稀有になり、リード等電極に電位が現れます。この時に、接
触型表面電位計や電荷量計などを使用すると取込んだ電荷量を知ることができます。
シートに帯電した電荷の分布を測定する場合は、見かけの電位は低くなってしまい
ますが、接地導体の上にシートを置くことでそれぞれの帯電電荷による電界を導体
側に向かわせ、測定電極をシートに近接させることで目標の部分の周囲の帯電は導
体側に向かわせ測定器の電極と対向した部分の帯電を受けやすくすることができま
す。また測定電極を工夫することで帯電分布を調べることもできます。接地した平
板に小さな穴をあけその穴に測定電極を置き、全体を帯電物と平行に近接させるこ
とで目的の場所の周囲の電界を接地した平板に向かわせピンポイントの電荷の影響
を得ることができます。いずれにしても電極を帯電物に近接させないとピンポイン
トの影響力を得ることができません。このように測定対象の帯電電荷が何と関係を
結んでいて、その関係を崩し、如何に測定電極に関係を結ばせるかを工夫すること
によって測定が可能になります。

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来月は2022年10月6日配信予定です。

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