RCJ通信

RCJ通信 第34号(2022年6月2日)

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 第34号

より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
                2022.6.2 発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、日本電子部品信頼性センター(RCJ)が
開催するイベント情報をはじめ、規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動
を発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。

▼「新型コロナウイルス感染予防対策」について
日本電子部品信頼性センターが企画しているセミナー、イベント等は、政府の発表と
感染拡大の状況を鑑みて延期、もしくは中止することがあります。
企画を変更する際は事前に当センターがお送りするメールマガジン、ホームページの
トピックでお知らせいたしますのでご留意ください。
RCJ ESD COORDINATOR資格認証、資格更新セミナーでの新型コロナウイルス感染予防
対策につきましては、ホームページをご参照ください。

詳細はこちら:https://rcj.or.jp/oshirase/2651

▼今月のもくじ
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【1】静電気対策資材登録制度のご案内
【2】「RCJ信頼性・ESD対策技術展示会」出展社募集のご案内
【3】ESD COORDINATOR資格認証再試験のご案内
【4】6月有効期限の認証カード発送時期について(7月中旬を予定)
【5】ESD対策教育用eラーニング〔基礎編〕〔測定編〕のご案内
【6】RCJ情報検索サービスのご案内
【7】ESD対策に関連する規格の動向(30)
【8】静電気対策Q&A(34)
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【1】静電気対策資材登録制度のご案内

日本電子部品信頼性センター(RCJ)では、第三者公共機関と共同して測定データを
Web上で公開する資材登録制度を行っています。静電気対策用資材を公的機関で規格
を基に測定・評価し、結果をRCJのホームページで公開することで、ESDコーディネー
タは自らがESD管理アイテムの測定評価を行うことなく、公表されたアイテムを選択
するだけという制度です。
現在の登録状況は履物と衣服がほとんどですが、2019年より工具の評価もできるよう
になっています。工具は工程内で多用されるアイテムですので資材登録を行うことで
ESDコーディネータから評価・選択される可能性が高くなります。最近はクライアン
ト企業からIEC 61340 5-1等で評価されたアイテムを使う要求が高まってきており、
資材登録をすることで製品アピールに大きく貢献いたします。登録されますとRCJの
ホームページ上に製品名や測定結果の表示、またカタログのページも作成されます。
ぜひ一度、自社製品の妥当性表現の一つとして資材登録制度のご検討くださいますよ
うお願い申し上げます。

登録費用や申請フロー等につきましては詳しくはこちらをご覧ください。:

静電気資材登録

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【2】「RCJ信頼性・ESD対策技術展示会」出展社募集のご案内

RCJでは電子デバイスの信頼性及びEOS/ESD/EMCに特化した「RCJ信頼性シンポジウム」
に併設の機器、資材、ソフトウェア等の展示会「RCJ信頼性・ESD対策技術展示会」
を開催しています。
この展示会では、信頼性技術者や生産・製造技術者、品質保証技術者等を対象に、
より進歩した静電気対策技術、信頼性評価技術、故障解析技術、信頼性向上対策の
紹介を目的としております。特に近年、各種電子デバイスが静電気の影響を受けやす
くなっており、静電気対策は必須事項となっております。これら重要な静電気対策や
解析・測定機器の展示会への来場者は、上記シンポジウムへの参加者、ESDコーディ
ネータなど静電気対策に深くかかわっている方が多く、効果的な宣伝が可能です。
また、展示会場内にワークショップも開催しており出展社による新技術・新製品を
紹介するこ択の責任ともできます。静電気対策用品、材料・計測機器等を手掛ける
企業にとって対策品選者などキーバーソンに効果的にPRできる絶好の機会となります。
現在出展社の募集を開始しており第1回目の出展委員会を7月上旬に行う予定です。
ご興味のある方はぜひこの機会に出展のご検討をお願い申し上げます。

信頼性・ESD対策技術展示会のWebサイトはこちら:https://rcj.or.jp/exhibition
お問い合わせは、info@rcj.or.jp までお寄せください。

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【3】次回RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験のご案内

RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験は、年に4回(2月、4月、8月、10月)
実施しておりますが、今年度はコロナ感染拡大のため、実施が不定期になっており
ます。次回の再試験は2022年8月5日(金)に実施します。

■RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験 ──────────────────

実施日:2022年8月5日(金) 14:00~16:00
受験資格:RCJ ESD COORDINATOR 資格認証セミナーの既受講者(受講後2年間有効)
場 所:(一財)日本電子部品信頼性センター 会議室
定 員:6名

詳細・お申し込みはこちら:https://rcj.or.jp/esdc-reexamination

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【4】6月有効期限の認証カード発送時期について(7月中旬を予定)

6月30日期限の皆様への今年度の認証カード発送は、7月中旬になる予定です。
今年度は、ESDC認証制度発足20周年に当たり、台紙や郵送用封筒に20周年記念ロゴ
を入れた関係で、発送時期が期限切れの6月30日より少し遅れてしまう予定です。
皆様にご不便をおかけいたしますが、よろしくご了承をお願いいたします。

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【5】ESD対策教育用eラーニング〔基礎編〕〔測定編〕のご案内

静電気対策を行う作業現場では、作業者の方が静電気対策の重要性を理解して作業
することが重要です。そこで日本電子部品信頼性センターでは、これら作業者の方々
が大きなコストと時間をかけずに、身近なシステムで簡単に教育を受けていただける
eラーニングの講座をご提供しています。
〔基礎編〕全7話(総視聴時間:50分)
〔測定編〕全14話(総視聴時間:150分)

ESD管理システム認証制度でも静電気対策現場での教育管理を求めており、これらの
要求を容易に満たすためにもeラーニングがお役に立ちます。

〔測定編〕では、eラーニング復習のためのテキストブックもご用意しました。

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/esdc-learning

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【6】RCJ情報検索サービスのご案内

RCJ情報検索システムは、日本電子部品信頼性センターが保有する、知的財産資料の
検索システムです。 半導体の黎明期である1970年代から現在に至るまで、40年以上
にわたり蓄積された、電子デバイスのESD関連及び信頼性に関する知的財産資料から、
必要な文献、情報を容易に検索し、入手が可能となる有料会員制サービスです。
RCJ会員以外の方も検索可能です。文書のダウンロードをご希望の場合は、有料と
なります。
信頼性・静電気管理技術者向け情報が満載です。ぜひ日々の業務にお役立てください。

詳しくはこちらから:https://rcj.or.jp/explore-system

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【7】ESD対策に関連する規格の動向(30)

今回はIEC61340関係の規格の動向について解説いたします。
それぞれの規格の表題が長いので簡略化して記載します。現在IECで改訂を予定して
いるのは以下になります。
・61340 2-1電荷拡散性能の測定方法
 現在は原案に対する投票が終わり、今年(2022年)の国際会議で審議予定。
・61340 2-3 抵抗及び抵抗率測定方法
 誤記等の修正を検討中。
・61340 4-6 特定応用のための試験方法 リストストラップ
 昨年中(2021年)に第2版の修正が検討されていたが修正をやめて第3版を検討す
ることになった。今年6月の国際会議で審議予定。
・61340 4-7 特定応用のための試験方法 イオナイザ
 現行の第2版を第3版に改訂を審議中。昨年原案に対するコメントが提出され、
今年国際会議で審議予定。
・61340 4-9 特定応用のための試験方法 衣類
 現在第3版への改定が検討されていて、昨年改定版へのコメントが提出され文書上
での審議中。今年の国際会議の討議予定はなし。
・61340 4-11 複合材バルクコンテナの(安全)試験方法
 3年前に新規提案された規格で昨年正式に4-11となり、原案に対する コメント
が提出され現在Web上で審議中。
・61340 5-1 静電気現象からの電子デバイスの保護 一般要求事項
 今年3月に原案が提出され、現在第3版への改定作業中。今年の国際会議で審議が
予定されている。
・61340 5-3 静電気現象からの電子デバイスの保護-包装資材要求事項
 最終国際規格原案(FDIS)が提示されまもなく国際規格となる予定。
・61340 5-4 静電気現象からの電子デバイスの保護-適合性検証
 5年ほど前には技術情報(TR)として提示されていたが、一昨年よりTSへの格上げ
が審議され、今年3月に提出された原案を今年の国際会議で審議予定。
・61340 5-6 静電気現象からの電子デバイスの保護-工程評価技術
 今年3月に米国規格のANSI/ESD SP17.1が新規提案5-6として提案され今年の国際会
議でTS(技術仕様書)して審議が予定されている。
・61340 6-2 公共施設や事務所での静電気対策
 昨年新規規格として提案された文書で国際会議にて審議予定。

以上最近のIEC TC101国際規格委関係の動向でした。次回はANSIの動向について解説
します。

規格についてはこちらもご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-standard

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【8】静電気対策Q&A(34)

■床の測定についての質問 ────────────────────────

定期的に床の接地間抵抗を測定していますが、毎回測定値がばらつきます。ばらつ
きの原因や許容範囲について教えてください。

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◆回答例◆

“ばらつき”の範囲にもよりますが、測定値がばらつく原因として以下の要素が関係
しています。
・静電気拡散性材料等高抵抗材料の周囲環境の影響による抵抗値の変化
・高抵抗静電気対策材料の抵抗不均一性
・抵抗測定器の測定精度
・抵抗測定器の温湿度環境の影響
・測定時の外乱
・測定電極の測定面の密着性や汚れなど
許容範囲を判断する材料の一つには製品の保証範囲があります。もちろん規格の範囲
内であることは当然として、製造者が提示する床の性能保証範囲を超えることがあれ
ば許容範囲外になります。また高抵抗材料は温湿度環境の影響を大きく受けますので
製造者の保証している温湿度環境と比較してばらついた値の範囲を判断する必要があ
ります。もう一つ高抵抗材料は場所ごとに抵抗にばらつきがあり測る場所ごとに値が
大きく異なることがあります。これもメーカの性能保証範囲に入っているかどうかが
判断基準になります。定期検証は同じところばかりでなく測定場所を変えて測定する
ことも重要ですが、値の変化を確認する場合は前回測定場所をきちんと記録して前回
と同じ場所を測定することが必要です。また前回測定値を記録し変化の方向性を知る
傾向管理をすることで、床の傷み具合や寿命の予測、クリーニングの周期などを判断
する資料になります。