RCJ通信

RCJ通信 第33号(2022年5月6日)

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第33号

より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
2022.5.6 発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、日本電子部品信頼性センター(RCJ)が
開催するイベント情報をはじめ、規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動
を発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。

▼「新型コロナウイルス感染予防対策」について
日本電子部品信頼性センターが企画しているセミナー、イベント等は、政府の発表と
感染拡大の状況を鑑みて延期、もしくは中止することがあります。
企画を変更する際は事前に当センターがお送りするメールマガジン、ホームページの
トピックでお知らせいたしますのでご留意ください。
RCJ ESD COORDINATOR資格認証、資格更新セミナーでの新型コロナウイルス感染予防
対策につきましては、ホームページをご参照ください。

詳細はこちら:https://rcj.or.jp/oshirase/2651

▼今月のもくじ
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【1】「ESD管理システム認証」受審のご紹介
【2】2022年度ESDコーディネータ資格登録維持年会費のご請求書お受け取りのお願い
【3】RCJ ESD COORDINATOR認証カード発行申請書提出のお願い
【4】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー受講お申込み受付最終ご案内
【5】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー受講お申込み受付最終ご案内
【6】ESD対策に関連する規格の動向(29)
【7】静電気対策Q&A(33)
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【1】「ESD管理システム認証」受審のご紹介

日本電子部品信頼性センター(RCJ)では、静電気対策のシステム構築や管理が正し
くなされていることを第三者が証明する「ESD管理システム認証」を行っています。
この認証制度は国際規格を発行するIECが運営する国際認証機関IECQの認証を得るこ
とができる制度です。近年、静電気対策は静電気に敏感な電子デバイスを手掛ける
企業にとって必須事項となっており、国際的に規格適合の要求が高まっています。
特に海外のクライアントとのコンセンサスとして、同一規格による静電気対策の履行
を求められることが多くなり、英文のIEC61340 5-1やANSI S20.20への適用が求めら
れます。しかもいくつかのクライアントに対し、それぞれのクライアントの要求に
合わせた静電気対策を行うことになると多額の費用と人的リソースの浪費につなが
ります。
RCJが行う「ESD管理システム認証」は、国際認証機関のIECQの認証が得られること
から国内、国外を問わずその妥当性が高く評価され、各クライアントに対しても
強力なアピール効果が期待できます。RCJが発行するRCJS 5-1は、IEC 61340 5-1と
同等とIECQが認めたことにより、審査は日本語のRCJS 5-1を使って受審することが
できます。承認を得た後も静電気対策管理は運用しやすく、ESDコーディネータの
労力も軽減されます。
ESD管理システムの受審については下記RCJホームページに詳しく掲載されています
ので一度ご覧になってみてください。ESD管理プロセス認証の受審をお待ちしており
ます。

詳しくはこちらをご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-controlsystem-2

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【2】2022年度ESDコーディネータ資格登録維持年会費のご請求書お受け取りのお願い

過日4月19日に「2021年度RCJ ESD COORDINATOR資格登録維持年会費」のご請求書を
発行いたしました。
BtoBプラットフォーム請求書にID登録いただいたみなさまはPDFのダウンロードを
お願いいたします。ご郵送を希望されたみなさまは、お受取りをお願いいたします。
BtoBプラットフォーム請求書のID登録がお済みでない方で、ご登録を希望される方は、
招待メールをお送りいたしますので、「BtoBプラットフォーム請求書のID登録希望」
という件名で下記アドレスにご連絡ください。

お問い合わせ先:info@rcj.or.jp

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【3】RCJ ESD COORDINATOR認証カード発行申請書提出のお願い

ESD COORDINATOR資格維持として、年度(4月から翌年3月まで)ごとに資格登録
維持年会費をご請求させていただいております。ただし、初回登録年度は資格登録
維持年会費は必要ありません。また、1年ごとに認証カードを発行します。今年度の
資格登録維持年会費をご納入いただいた方は、下記のフォームより認証カード発行
申請書のご提出をお願いいたします。
認証カード発行申請書の提出期限は以下の通りです。
ご自身の資格有効期限が6月末か、12月末かは、お手元の認証カードをご確認くださ
い。

1.6月30日期限の方の提出期限

・6月2日(木)

★資格登録維持年会費納入意志のある方で、納入が遅れる場合は、納入前でも認証
カード発行申請書を期限内に出してくださるようお願いいたします。

2.12月31日期限の方の提出期限

・10月27日(木)

資格登録維持年会費ご請求後、1年以内に会費の納入が無い場合は、有効期限内
でも資格が失効します。
(注:会費年度(4月から翌年3月まで)と認証カードの有効期間(資格取得月~
翌年の前月)は異なります。ただし、認証カード有効期限は、8月、11月受講者
は翌年の12月31日、5月、6月受講者は翌年6月30日に統一します。)

認証カード発行申請書のご提出はこちらからお願いいたします。:
https://rcj.or.jp/esdc-card

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【4】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー受講お申込み受付最終ご案内

資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
「第42回 RCJ ESDコーディネータ資格認証セミナー」は、以下の日程で開催する
予定です。
お申込み締め切りは、2022年5月11日(水)です。

■第42回RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ──────────────

開催日時:5月18(水)、19日(木)
会場:日本教育会館(東京都千代田区一ツ橋2-6-2)
定員:90名

詳細はこちら:https://rcj.or.jp/esdc-seminar

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【5】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー受講お申込み受付最終ご案内

ESD COORDINATOR、主任ESD COORDINATOR資格は、3年ごとに更新することになって
います。資格更新セミナーは、ESD対策技術(規格改定を含め)のリフレッシュの
機会を与えることを目的としています。
今回は、資格有効期限が以下(1)~(4)の方で、資格を維持されるESDコーディネータ、
主任ESDコーディネータの方が対象です。新型コロナの影響を考慮し、有効期限が
2021年6月30日の方も対象にしています。ただし、期限切れ後の受講の場合は、
期限切れ後、更新セミナー受講前の期間は認証書が発行されません。

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(1)2021年6月30日
(2)2021年12月31日
(3)2022年6月30日
(4)2022年12月31日
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なお有効期限が2020年6月30日、2020年12月31日でコロナ禍の影響で更新セミナー
を受講できなかった方々も受講期限は過ぎていますが、まだ更新を受け付けており
ますので、受講のお申込みをご検討ください。

ご自身の有効期限は、前回の更新時に発行された認証書(A4判の認証書で、資格登録
維持年会費を納入された後に毎年発行される認証カードとは異なります)をご確認
ください。有効期限切れの前後4回の更新セミナーの受講が可能です。

2022年5月17日(火)開催の「第41回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー」は、
YouTube LiveでWeb同時配信いたします。受講者のみなさまに事前にお知らせします
YouTubeの専用URLにアクセスしていただくだけで受講いただけます。
インターネット接続環境とYouTubeをご覧になれるパソコン等があれば、特別な設定
なく受講いただけます。
Webによる受講は、更新セミナーのお申込みをしていただいた方を対象とし、本来
は会場にお越しいただくことが原則ですが、コロナ感染防止等の対応によって会場
でのご受講が難しい方の救済策としてWebでの受講を可としています。Webによる受
講者もセミナー受講後、課題レポートをご提出いただくことで更新とさせていただ
きます。
RCJでは、ESDコーディネータのみなさまが、コロナ禍が原因でESDコーディネータ
資格を失うことがないよう対応してまいります。
お申込み締め切りは、2022年5月10日(火)です。

■第41回RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー ──────────────

日時:2022年5月17日(火)
会場:日本教育会館(東京都千代田区一ツ橋2-6-2)

詳細はこちら:https://rcj.or.jp/update-seminar

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【6】ESD対策に関連する規格の動向(29)

今回はANSI/ESD S4.1 2006 Worksurfaces-Resistance measurementsについて
解説します。この規格は作業表面の測定について詳しく述べられており管理値の指標
が示されています。冒頭1項の「目的」は、作業表面材料の評価や選択、規作業表面
設置時の試験、そして設置された作業表面の初期テストとなっています。2項の適用
範囲は「EPA内で使用される作業台の作業表面を測定する方法について規定しており、
これら測定方法は1MΩ以上の抵抗を正確にかつ再現良く測定する技術を紹介してい
る。しかしこの規程範囲を超える場合は測定電圧や機器の変更が要求される可能性が
ある」としています。3項の用語は参照規格、4項の用語はGroundable Point
の一語が解説されているのみです。5項が人体安全につてで、6項から試験方法と
本題になります。まず6.1が試験装置として測定器本体や電極、試験環境設備などに
ついて、6.2項が材料評価で試験前のクリーニング、試験片の温湿度条件(特に低湿
度側は暴露時間が最低72時間と長い)や接続方法等、これらを踏まえて6.3が接地さ
れた作業表面の評価、6.4が作業表面の定期検査となっています。7項はその他の考
察として、耐薬品性や力学的作用等が作業表面や接地接続部などに影響をおよぼし
対策用品の性能を損なわないように注意が必要と述べられています。最後の8項は
抵抗値の指針が記載されています。多くの使用目的に対し適切な仕様を限定するこ
とは難しいとしながらも、接地間抵抗値を1x10^6Ωから1x10^9Ω、2点間抵抗値
を1x10^6Ω以上としています。ここで驚きなのは、IEC61340 5-1 2016やANSI/ESD
S20.20には規定していない下限抵抗値が規定されているということです。理由は露出
した電圧部分(商用電源など)に作業者や作業表面が接触すると感電事故を起こすか
ら、ということなのですが、人体への危険性を考慮する考えがありながら、なぜ
ANSI/ESD S20.20に反映されないのか疑問です。規定の説明文章はここまでですが、
この規格の最後には測定方法として接地間や2点間抵抗の測定ポイントが多数図説さ
れています。
次回は最近の規格改定の動向について解説します。

規格についてはこちらもご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-standard

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【7】静電気対策Q&A(33)

■EPAについての質問 ──────────────────────────

EPA内で使用する事務用品等に帯電しやすいものが多いのですが、持ち込む際の対応策
や注意点などを教えてください。

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◆回答例◆

まず規格では、EPA内に帯電物が存在した場合、ESDSと隔離する距離が決められてい
ます。5kV/m以上の電界に曝されないこと、2000Vを超える帯電物とは30cm以上離す、
125V以上の帯電物からは2.5cm以上離す、です。これは2000V以上の帯電物でも30cm
離しておけばよいという意味ではありません。2000Vで30cmの値を基本に電圧が高く
なればもっと距離を離さなければいけません。125Vについても同様です。最近は、
文房具の表面に導電性加工を附したものが販売されるようになりましたが、まだ多く
の文房具は絶縁性のままです。このように文房具のような絶縁物を持ち込まなければ
いけない状況では、絶縁物を帯電しないようにするか、ESDSに近づけないようにする
しかありません。帯電抑制のための導電化加工には界面活性剤によるスプレーなどが
ありますが、薬剤転写による汚染の防止や寿命管理が必要です。またこれらの加工品
は比較的抵抗が高めなので、ESDSの近傍で摩擦などすると一時的な帯電の可能性があ
ります。しかもこれら加工品でも接地経路から絶縁されていると帯電しますので、
電荷漏洩の経路を確保しておくことも重要です。帯電物の電界を周囲に放射させない
方法として電界遮蔽も有効です。導電性の箱を文房具の収納ケースにしてこのケース
を作業表面等を経由して接地すればケース内の帯電は遮蔽され周囲に影響をおよぼさ
なくなります。いずれにしてもこれら帯電性もしくは低帯電性の文房具をEPA内で使用
するときはきちんと使用方法をルール化して守ることが必要です。デバイストレーの
上に置いた低帯電性の加工をしたクリアファイルから紙を引き抜いたり、ポケットや
ペンケースから抜き取った直後のペンをデバイスの近くに置いたりしない、使った文
房具は必ずシールドケースの中に戻すなど、明確な運用システムを確立することが必
要です。