RCJ通信
RCJ通信 第32号(2022年4月7日)
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第32号
より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
2022.4.7 発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、日本電子部品信頼性センター(RCJ)が
開催するイベント情報をはじめ、規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動
を発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。
▼「新型コロナウイルス感染予防対策」について
日本電子部品信頼性センターが企画しているセミナー、イベント等は、政府の発表と
感染拡大の状況を鑑みて延期、もしくは中止することがあります。
企画を変更する際は事前に当センターがお送りするメールマガジン、ホームページの
トピックでお知らせいたしますのでご留意ください。
RCJ ESD COORDINATOR資格認証、資格更新セミナーでの新型コロナウイルス感染予防
対策につきましては、ホームページをご参照ください。
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/oshirase/2651
▼今月のもくじ
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【1】「出張教育訓練 静電気対策教育プログラム」開始のご案内
【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ
【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ
【4】ESDコーディネータ登録情報更新のお願い
【5】Web請求書発行システム「BtoBプラットフォーム」ID登録情報更新のお願い
【6】皆様からのお便りを募集いたします
【7】ESD対策に関連する規格の動向(28)
【8】静電気対策Q&A(32)
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【1】「出張教育訓練 静電気対策教育プログラム」開始のご案内
RCJ通信26号でもご案内させていただきました通り、2022年4月より「出張教育訓練
静電気対策教育プログラム」を開始いたします。
RCJの「出張教育訓練 静電気対策教育プログラム」は、規格が要求する静電気対策
の教育訓練を社内の教育訓練担当者に代わり、RCJがご依頼の企業まで出向いて教育
セミナーを行うものです。また受講後には受講者すべての方へ受講終了証を発行いた
します。監査時などの教育訓練記録としてご活用いただけます。
講習内容は、受講対象者のレベルに合わせて入門編、初級編、中級編の3段階のプロ
グラムをご用意いたしました。また静電気現象を目で見て理解できるように機器を持
込み、実演を行いながらの講習で分かりやすい内容となっています。講習内容は、上
記のプログラムをベースとしてご要望に合わせた特別対応もいたしますのでご希望の
際はご相談ください。
セミナーの詳細や講習時間、費用につきましては、下記ホームページURLをご参照くだ
さい。
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/esd-education-program
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【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー」開催のお知らせ
資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
「第42回 RCJ ESDコーディネータ資格認証セミナー」は、以下の日程で開催する
予定です。
■第42回RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ──────────────
開催日時:5月18(水)、19日(木)
会場:日本教育会館(東京都千代田区一ツ橋2-6-2)
定員:90名
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/esdc-seminar
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【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ
ESD COORDINATOR、主任ESD COORDINATOR資格は、3年ごとに更新することになって
います。資格更新セミナーは、ESD対策技術(規格改定を含め)のリフレッシュの
機会を与えることを目的としています。
今回は、資格有効期限が以下(1)~(4)の方で、資格を維持されるESDコーディネータ、
主任ESDコーディネータの方が対象です。新型コロナの影響を考慮し、有効期限が
2021年6月30日の方も対象にしています。ただし、期限切れ後の受講の場合は、期限
切れ後、更新セミナー受講前の期間は認証書が発行されません。
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(1)2021年6月30日
(2)2021年12月31日
(3)2022年6月30日
(4)2022年12月31日
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なお有効期限が2020年6月30日、2020年12月31日でコロナ禍の影響で更新セミナー
を受講できなかった方々も受講期限は過ぎていますが、まだ更新を受け付けており
ますので、受講のお申込みをご検討ください。
ご自身の有効期限は、前回の更新時に発行された認証書(A4判の認証書で、資格登録
維持年会費を納入された後に毎年発行される認証カードとは異なります)をご確認
ください。有効期限切れの前後4回の更新セミナーの受講が可能です。
2022年5月17日(火)開催の「第41回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー」は、
YouTube LiveでWeb同時配信いたします。受講者のみなさまに事前にお知らせします
YouTubeの専用URLにアクセスしていただくだけで受講いただけます。
インターネット接続環境とYouTubeをご覧になれるパソコン等があれば、特別な設定
なく受講いただけます。
Webによる受講は、更新セミナーのお申込みをしていただいた方を対象とし、本来
は会場にお越しいただくことが原則ですが、コロナ感染防止等の対応によって会場
でのご受講が難しい方の救済策としてWebでの受講を可としています。Webによる受
講者もセミナー受講後、課題レポートをご提出いただくことで更新とさせていただ
きます。
RCJでは、ESDコーディネータのみなさまが、コロナ禍が原因でESDコーディネータ
資格を失うことがないよう対応してまいります。
■第41回RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー ──────────────
日時:2022年5月17日(火)
会場:日本教育会館(東京都千代田区一ツ橋2-6-2)
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/update-seminar
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【4】ESDコーディネータ登録情報更新のお願い
RCJ ESD COORDINATOR資格を取得後、ご所属、住所、メールアドレス等に変更が生じ
た場合は、下記のフォームで事務局に届けてくださいますようお願いいたします。
届出がないと、資格更新セミナー受講時期のご案内、ご請求書、メールマガジン等
を確実にお届けすることができない可能性があります。
お手数をおかけいたしますが、ご協力をお願いいたします。
ご変更はこちらからお願いします:https://rcj.or.jp/esdc-profilechange
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【5】Web請求書発行システム「BtoBプラットフォーム」ID登録情報更新のお願い
2021年度より、これまで郵送でお送りしておりました資格登録維持年会費のご請求書
に代わり、インターネット上で請求情報を確認/ダウンロードできるサービスを提供さ
せていただきました。ESDコーディネータのみなさまには、IDのご登録にご協力いただ
きましてありがとうございました。
2022年度の資格登録維持年会費のご請求書は、4月中旬に発行を予定しております。
それに先立ちまして、すでにIDをご登録いただいているみなさまの中で、メールアド
レス、社名、ご所属、住所、のご変更がありました方は、BtoBプラットフォームに
ログインいただき、ご自身で登録情報のご変更をお願いいたします。
IDご登録後の情報のご変更はご自身のみ可能ですので、お手数をおかけいたしますが
ご対応のほどお願い申し上げます。
BtoBプラットフォームにつきましてご不明な点がございましたら
info@rcj.or.jp までお問い合わせください。
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【6】皆様からのお便りを募集いたします
RCJ通信では、読者の皆様とRCJの交流やESDコーディネータ間の情報交換を目的とし
た読者だよりのコーナーを企画しています(ESDコーディネータでなくてもご寄稿歓
迎です)。
ESDコーディネータとしてご苦労されたことや、RCJ通信へのご要望など静電気や規格、
RCJに関することなどご意見を300字程度にまとめてお送りいただけましたら、各号で
1話ずつ掲載させていただきます。
ご寄稿いただく際は、社名、お名前、ESDコーディネータ番号をお知らせください。
掲載する際は社名は掲載せずお名前のみ表示させていただきます。
ご採用させていただいた方には、「RCJ ESD対策教育用eラーニング〔測定編〕」
(https://rcj.or.jp/esdc-learning-sokutei) の1名様受講資格をご提供させていただ
きます(受講はご本人でなくても構いません)。
お便り心よりお待ちしております。
お便りの送付先:info@rcj.or.jp
☆件名を「読者だより」としてお送りください。
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【7】ESD対策に関連する規格の動向(28)
今回は前回に引き続き、イオナイザの検証方法に関する米国規格のANSI/ESD
SP3.5-2020について解説します。表題は「Test Methods for Air Assist Bar
Ionizer, Soft X-Ray(Photon) Ionizers, Alternative Room Ionization, and Non-
Airflow Alpha Ionizers」です。ここでは軟X線式、無風放射線式、エアーアシスト
バー式、オルタネイティブルームイオナイザなど近年登場したイオナイザの評価方法
について定義されています。この規格の目的及び適用範囲は、STM3.1やSP3.3に記載
されていないイオナイザの受入検査や定期点検の方法について説明するとし、作業環
境内での測定方法について説明されています。続く第2、3、4項は、他の規格文書と
同様に参照規格、用語の説明、人体安全となっています。
特に人体安全の項には軟X線タイプと放射線タイプの取扱いについて太字で安全に対
する注意が喚起されています。第5項が評価に使用する測定器として、規定の帯電プ
レートモニタが紹介されています。第6項は使用機器に対する要求仕様について帯電
プレートモニタに対する自然減衰の規定や、測定は条件を揃えて測定すること、パル
スDCタイプのピーク電圧の記録、圧縮ガス使用のイオナイザは同じ圧で試験すること
等が記載されています。第7項は全般的な試験手順、第8項が各タイプ別の製品認証
評価方法が、詳しい測定ポイントの図と共に解説されています。第9項は定期検査方
法として第8項同様に測定場所が図で示されています。ここでは現場に取り付けられ
たイオナイザの点検方法の図や解説となっています。最後は付属書ですが改訂記録の
みでこの規格は2020年に作成されたばかりなので履歴もまだありません。
近年多くの種類のイオナイザが開発され、従来の試験方法では適切な評価が難しいこ
とから新しい評価方法が必要とされてできた規格かと思います。
次回はANSI/ESD S4.1 Worksurfaces-Resistance measurementsの解説です。
規格についてはこちらもご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-standard
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【8】静電気対策Q&A(32)
■イオナイザについての質問 ─────────────────────
自己放電式イオナイザでESDSのモールド部を除電しようと思いますが、どのように
使用したらよいか教えてください。
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◆回答例◆
自己放電式イオナイザは帯電物と自己放電電極間で起きる放電(コロナ放電)現象に
よってイオンを生成し、その生成したイオンで静電気を中和する機器です。
使用するにはコロナ放電現象を起こすための条件が揃わないと放電現象が発生せずイ
オンが生成されません。コロナ放電を開始させるための主要な条件は帯電物の電位と
自己放電電極との距離、そしてコロナ放電電極の接地です(ほかにも気圧や温度、電
極先鋭度などありますが、一般としてここでは省きます)。まずコロナ放電を発生さ
せるための電圧ですが、一般的な放電電極と設置距離によるコロナ放電開始電圧はお
よそ1000V以上必要です。そして帯電物とコロナ放電電極の距離は数ミリ程度の近接が
必要です。この時、放電電極が接地されていないと放電電極と帯電物の電位差を保て
ないので放電開始に必要な電圧が確保できません。つまり自己放電を開始させるには、
1000~2000V以上帯電したESDSと接地したコロナ放電電極を数ミリ程度に近接させて初
めて効果が出始めるということになります。
ダイシングテープ等、樹脂製品で低帯電性加工をしていないような絶縁性フィルムが
ローラーと接触して移動しますと高い電位に帯電しますのでこのような帯電除去には
自己放電電極が効果的に働くといえます。その他にも自己放電現象を利用した用品が
ありますが、利用するには先の必要条件を思い出して利用してください。