RCJ通信

RCJ通信 第31号(2022年3月3日)

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 第31号

より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
                2022.3.3 発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、RCJが開催するイベント情報をはじめ、
規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。

▼「新型コロナウイルス感染予防対策」について
日本電子部品信頼性センターが企画しているセミナー、イベント等は、政府の発表と
感染拡大の状況を鑑みて延期、もしくは中止することがあります。
企画を変更する際は事前に当センターがお送りするメールマガジン、ホームページの
トピックでお知らせいたしますのでご留意ください。
RCJ ESD COORDINATOR資格認証、資格更新セミナーでの新型コロナウイルス感染予防
対策につきましては、ホームページをご参照ください。

詳細はこちら:https://rcj.or.jp/oshirase/2651

▼今月のもくじ
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【1】「第31回RCJ信頼性シンポジウム」優秀論文賞の発表
【2】「第32回RCJ信頼性シンポジウム」発表論文募集のお知らせ
【3】「第32回信頼性・ESD対策技術展示会」の出展者募集
【4】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験のご案内
【5】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ
【6】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ
【7】ESD対策に関連する規格の動向(27)
【8】静電気対策Q&A(31)
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【1】「第31回RCJ信頼性シンポジウム」優秀論文賞の発表

「RCJ信頼性シンポジウム」優秀論文賞は、毎年2月にRCJ信頼性シンポジウム実行
委員会が選出し、翌回のRCJ信頼性シンポジウムにて表彰授与されます。
2021年第31回RCJ信頼性シンポジウムの優秀論文は、以下の通りに決定いたしました。

題 名:高精度CDM破壊電圧を予測するためのTester/PKG/Chip統合回路のモデリング手法
著者名:坂口尚樹、小池 洋、泉川雅芳、濱田誉人
所 属:ソニーLSIデザイン株式会社

受賞者のみなさま、おめでとうございます。

詳細はこちら:https://rcj.or.jp/rcj-prize

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【2】「第32回RCJ信頼性シンポジウム」発表論文募集のお知らせ

RCJ信頼性シンポジウムは、ESD現象とESD対策、及び電子デバイス・電子部品信頼性
に特化したシンポジウムです。2022年は以下の日程で開催します。
新型コロナの影響がどうなるか先の見通せない状況ですが、第32回も、現地で開催
する予定です。発表論文の募集を開始しました。奮ってご投稿くださるようお願い
いたします。

発表論文申込締切:2022年6月24日(金)

■第32回RCJ信頼性シンポジウム ────────────────────

開催日時:2022年10月26日(水)~10月27日(木)
会場:大田区産業プラザ(東京、京急蒲田)
定員:100名

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/symposium

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【3】「第32回信頼性・ESD対策技術展示会」の出展者募集

信頼性・ESD対策技術展示会は、静電気の影響を受けやすい電子デバイス・部品、
電子機器などを扱う信頼性技術者、設計技術者、品質技術者の方々を対象に、
より進歩した静電気障害対策技術、静電気測定技術、故障解析技術を扱う専門の
展示会です。会場では各出展社によるワークショップが開催され、最新の技術
交流の場としてご好評をいただいております。ぜひご出展をご検討ください。

日時:2022年10月26日(水)~10月27日(木)
場所:大田プラザプラザ2階小展示場(東京、京急蒲田)
   RCJ信頼性シンポジウムと同一会場で開催いたします。

詳細はこちらから:https://rcj.or.jp/exhibition
出展に関するお問い合わせ先:info@rcj.or.jp

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【4】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験のご案内

RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験は、年に4回(2月、4月、8月、10月)
実施しております。次回は2022年4月8日(金)に実施します。

■RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験 ──────────────────

実施日:2022年4月8日(金) 14:00~16:00
受験資格:RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナーの既受講者(受講後2年間有効)
場 所:(一財)日本電子部品信頼性センター 会議室
定 員:6名

お申し込み・詳細はこちら:https://rcj.or.jp/esdc-reexamination

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【5】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー」開催のお知らせ

資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
「第42回 RCJ ESDコーディネータ資格認証セミナー」は、以下の日程で開催する
予定です。
  
■第42回RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ──────────────

開催日時:5月18(水)、19日(木)
会場:日本教育会館(東京都千代田区一ツ橋2-6-2)
定員:40名

詳細はこちら:https://rcj.or.jp/esdc-seminar

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【6】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ

ESD COORDINATOR、主任ESD COORDINATOR資格は、3年ごとに更新することになって
います。資格更新セミナーは、ESD対策技術(規格改定を含め)のリフレッシュの
機会を与えることを目的としています。
今回は、資格有効期限が以下(1)~(4)の方で、資格を維持されるESDコーディネータ、
主任ESDコーディネータの方が対象です。新型コロナの影響を考慮し、有効期限が
2021年6月30日の方も対象にしています。ただし、期限切れ後の受講の場合は、
期限切れ後、更新セミナー受講前の期間は認証書が発行されません。

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(1)2021年6月30日
(2)2021年12月31日
(3)2022年6月30日
(4)2022年12月31日
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なお有効期限が2020年6月30日、2020年12月31日でコロナ禍の影響で更新セミナー
を受講できなかった方々も受講期限は過ぎていますが、まだ更新を受け付けており
ますので、受講のお申込みをご検討ください。

ご自身の有効期限は、前回の更新時に発行された認証書(A4判の認証書で、資格登録
維持年会費を納入された後に毎年発行される認証カードとは異なります)をご確認
ください。有効期限切れの前後4回の更新セミナーの受講が可能です。

2022年5月17日(火)開催の「第41回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー」は、
YouTube LiveでWeb同時配信いたします。受講者のみなさまに事前にお知らせします
YouTubeの専用URLにアクセスしていただくだけで受講いただけます。
インターネット接続環境とYouTubeをご覧になれるパソコン等があれば、特別な設定
なく受講いただけます。
Webによる受講は、更新セミナーのお申込みをしていただいた方を対象とし、本来
は会場にお越しいただくことが原則ですが、コロナ感染防止等の対応によって会場
でのご受講が難しい方の救済策としてWebでの受講を可としています。Webによる受
講者もセミナー受講後、課題レポートをご提出いただくことで更新とさせていただ
きます。
RCJでは、ESDコーディネータのみなさまが、コロナ禍が原因でESDコーディネータ
資格を失うことがないよう対応してまいります。

■第41回RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー ──────────────

日時:2022年5月17日(火)
会場:日本教育会館(東京都千代田区一ツ橋2-6-2)

詳細はこちら:https://rcj.or.jp/update-seminar

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【7】ESD対策に関連する規格の動向(27)

今回は前前回のSTM3.1 Ionizerに関連するANSI/ESD SP3.4-2016について解説します。
この規格はSTM3.1やSP3.3で説明されている方法では検査できないような場所に設置
されたイオナイザ能力の検証方法や装置について説明しています。イオナイザが実際
に使用されている状態でのオフセット電圧や減衰時間の定期検査についての解説で
EMIや着火危険雰囲気等は対象としていません。第2項は参照規格、第3項は用語の
解説、第4項が人体安全についての説明になっています。第5項から装置についての
解説で、装置の構成(金属プレート、高圧電源、タイマー、閾値判定、電圧計など)
とその装置がこの規格に記載されているデザインと同じものであっても、STM3.1との
相関(規格準拠のCPM)を取らなければならないと記載されています。ここでは参考
とする電気回路や構造が分かりやすく紹介されています。第6項が試験方法で測定器
の設定方法、オフセット電圧、減衰時間の測定方法となっています。規格自体はここ
までで、続く付属書Aは製品認証、選定そして受入検査について、定期点検時の誤差を
生む要素や、測定の背景、測定方法、STM3.1との整合などこの規格を利用するときの
注意すべき点が挙げられています。付属書Bはこの規格がSTM3.1で規定されるCPMとは
違う容量やサイズのプレートを使用していることからその整合の仕方について解説し
ています。ここの互換確認をきちんとしておかないと間違った判断を下すことになる
ので注意が必要です。
次回はANSI/ESD SP3.5 Ionizerについて解説します。

規格についてはこちらもご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-standard

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【8】静電気対策Q&A(31)

■測定についての質問 ─────────────────────

作業表面の抵抗値要求事項でグラウンド抵抗Rg以外になぜ点間抵抗Rpも測定しなく
てはいけないのですか。

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◆回答例◆

グラウンド抵抗Rgだけでは作業表面用アイテムとして使用している材料の抵抗値が
分からないからです。例えば金属板に保護抵抗を接続し接地している場合、金属板
の表面とグラウンド間の抵抗を測定しても保護抵抗によって要求事項の範囲にする
ことができます。しかし金属板表面の抵抗値は非常に低く、もしESDSが直接触れた
場合、いくら保護抵抗が接地間に接続されていたとしても、大きな金属板の静電容
量へはESDSに蓄積された帯電電荷は一瞬に流れてしまい、ESDSを保護することがで
きません。
ESDSからの放電電流を抑制するには、相手が十分な表面抵抗を持った材料でないと
いけません。作業表面を形成する材料が十分な抵抗を有しているかどうかを確認す
るために表面から表面の抵抗を測定するRpの確認が必要になります。規格では下限
値をESDコーディネータが決められるとしています。このことからRpだって抵抗値は
何でもよいのではないか、と思われることがありますが、根拠なく下げてよいわけ
ではありません。
通常の規定値を超えてまで低くするのであれば、そこに根拠が必要で、その理由の
ために低く設定した値の検証が必要ということになります。自社では規定値に入る
導電性ゴムマットを使用しているのだからRpの値が規定値に入るのは当たり前、Rg
さえ測定すれば十分と考えるのは自分で対策したからそう思えるのであって、他社
がどうしているかはわかりません。規格の存在は様々な企業、人達が共通のルール
を使うことで信頼しあえる共通概念のためにあります。どこかの国のどこかの作業
場では根拠なく金属板を使っているかもしれません。その時に共通の規格を使用し、
順守していることが明確であれば作業表面はESDに対して安全であると信用すること
ができます。そしてこの順守を保証してくれるシステムがESDプロセス認証です。
第三者による監査を受けて他社に対し自社の静電気対策が規格に従っていることを
証明し、信頼を得るということになります。