RCJ通信
RCJ通信 第27号(2021年11月4日)
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第27号
より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
2021.11.4 発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、RCJが開催するイベント情報をはじめ、
規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。
▼「新型コロナウイルス感染予防対策」について
日本電子部品信頼性センターが企画しているセミナー、イベント等は、政府の発表と
感染拡大の状況を鑑みて延期、もしくは中止することがあります。
企画を変更する際は事前に当センターがお送りするメールマガジン、ホームページの
トピックでお知らせいたしますのでご留意ください。
RCJ ESD COORDINATOR資格認証、資格更新セミナーでの新型コロナウイルス感染予防
対策につきましては、ホームページをご参照ください。
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/oshirase/2651
▼今月のもくじ
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【1】「第31回RCJ信頼性シンポジウム/信頼性・ESD対策技術展示会」開催報告
【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ
【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ
【4】次回RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験のご案内
【5】ESD COORDINATOR有資格者の登録情報の変更届けについてのお願い
【6】ESD対策に関連する規格の動向(23)
【7】静電気対策Q&A(27)
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【1】「第31回RCJ信頼性シンポジウム/信頼性・ESD対策技術展示会」開催報告
今年の「RCJ信頼性シンポジウム」と「信頼性・ESD対策技術展示会」は東京都千代田区
一ツ橋の日本教育会館で、10月21日~22日の2日間行われました。今年もコロナ禍の
影響で来場者の激減が危ぶまれ、対応策としてシンポジウムのYouTubeによるLive
配信を行いました。会場が昨年に比べると少し小さかったせいか、ご参加いただいた
人数は昨年と同じ程度でしたが、盛況な雰囲気となりました。また同時配信をご聴講
いただいている方々も大勢いらしたので、それを加味すると昨年よりも盛況になった
かと思います。
シンポジウム直前に米国ESD協会でBest Paperを受賞されたJeremy Smallwood氏から
講演ビデオの提供があり、1日目のプログラム最後にビデオ上映も行いました。
一部、Webがご覧になれない方が出てしまったことや、会場のプロジェクターが突然
故障してしまい自前のプロジェクターを使用したなどいくつか問題は発生しましたが
おおむね順調に進行することができたと思います。
シンポジウムと同時開催で信頼性・ESD対策技術展示会も開催されました。資格更新
セミナーやシンポジウムの現地参加者が少なかったため、こちらも来場者が少なく
なってしまいましたが、会場が狭くなった分、かえってにぎやかな感じになったと
感じました。ワークショップも会場が専用の会場を設定したことでセミナーらしい
雰囲気が作られていました。来場者が少なくなってしまったことを鑑みて、各出展社
をインタビューし、出展品を撮影した動画を近々YouTubeで配信する予定ですので
ご期待ください。
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【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ
資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
「第41回 RCJ ESDコーディネータ資格認証セミナー」(特例回)は、以下の日程で
開催する予定です。
■第41回RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ──────────────
開催日時:2022年2月24日(木)、25日(金)
会場:大田区産業プラザ3階 特別会議室(https://www.pio-ota.net/)
定員:40名
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/esdc-seminar
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【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ
ESD COORDINATOR、主任ESD COORDINATOR資格は、3年ごとに更新することになって
います。資格更新セミナーは、ESD対策技術 (規格改定を含め)のリフレッシュの
機会を与えることを目的としています。
今回は、資格有効期限が以下(1)~(5)の方で、資格を維持されるESDコーディネータ、
主任ESDコーディネータの方が対象です。新型コロナの影響を考慮し、有効期限が
2020年の方も対象にしています。ただし、期限切れ後の受講の場合は、期限切れ後、
更新セミナー受講前の期間は認証書が発行されません。
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(1)2020年6月30日
(2)2020年12月31日
(3)2021年6月30日
(4)2021年12月31日
(5)2022年6月30日
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ご自身の有効期限は、前回の更新時に発行された認証書(A4判の認証書で、資格登録
維持年会費を納入された後に毎年発行される認証カードとは異なります)をご確認
ください。
有効期限切れの前後4回の更新セミナーの受講が可能です。
2022年1月26日(水)開催の「第40回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー」
(特例開催)は、YouTube LiveでWeb同時配信いたします。受講者のみなさまに事前
にお知らせしますYouTubeの専用URLにアクセスしていただくだけで受講いただけます。
インターネット接続環境とYouTubeをご覧になれるパソコン等があれば、特別な設定
なく受講いただけます。
Webによる受講は、更新セミナーのお申込みをしていただいた方を対象とし、本来
は会場にお越しいただくことが原則ですが、コロナ感染防止等の対応によって会場
でのご受講が難しい方の救済策としてWebでの受講を可としています。Webによる受
講者もセミナー受講後、課題レポートをご提出いただくことで更新とさせていただ
きます。
RCJでは、ESDコーディネータのみなさまが、コロナ禍が原因でESDコーディネータ
資格を失うことがないよう対応してまいります。
■第40回RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー ──────────────
日時:2022年1月26日(水)
会場:大田区産業プラザ3階 特別会議室(https://www.pio-ota.net/)
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/update-seminar
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【4】次回RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験のご案内
RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験は、年に4回(2月、4月、8月、10月)
実施しておりますが、今年度はコロナ感染拡大のため、実施が不定期になっております。
次回の再試験は2021年11月12日(金)に実施します。
■RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験 ──────────────────
実施日:2021年11月12日(金) 14:00~16:00
受験資格:RCJ ESD COORDINATOR 資格認証セミナーの既受講者(受講後2年間有効)
場 所:(一財)日本電子部品信頼性センター 会議室
定 員:6名
詳細・お申し込みはこちら:https://rcj.or.jp/esdc-reexamination
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【5】ESD COORDINATOR有資格者の登録情報の変更届けについてのお願い
RCJ ESD COORDINATOR資格を取得された後、ご所属・ご住所、メールアドレス等に
変更が生じた場合は、ホームページのフォームからご連絡くださるようお願いいた
します。届出がないと、RCJからお送りするさまざまなお知らせ等がお手元に届かな
い可能性があります。お手数をおかけいたしますがご協力をよろしくお願いいたし
ます。
変更フォームはこちら:https://rcj.or.jp/esdc-profilechange
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【6】ESD対策に関連する規格の動向(23)
■米国ESD協会及び米国国家規格協会発行の規格の紹介
今回から米国で発行されている静電気対策関連の規格を紹介していきます。
まずは、ANSI/ESD S1.1-2013 Wrist Strapsです。これら米国の規格文書はIEC 61340
の各シリーズを作成するときの規範とされているものがたくさんあります。このWrist
StrapsもIEC61340 4-6 Standard test methods for specific applications – Wrist strapsの基となっていて内容はほとんど同じです。まず1項の適用範囲ですが、
ANSI/ESDではPurposeとScopeに分かれています。内容はIECと同じで、目的がリスト
ストラップの受入検査とシステム検査、製品認証のための電気的及び機械的試験方法
と限界値を提供する、適用範囲はESDSやモジュールに関わる作業者の人体接地に使わ
れるリストストラップやリストストラップシステムの試験を意図している、モニタ
リングシステムや衣類には対応していない、としています。2項は引用規格、3項は
用語、4項が人体安全、5項が抵抗値や曲げ強度等電気的、機械的限界値、6項が
試験方法や報告書などでベルト部の強度や曲げ試験方法などについて図で詳しく解説
されています。追加情報Aとして漏電遮断器の検討やリストストラップの非常時切り
離し、定期検査、静電気拡散材料を経由した人体接地の問題、布製リストバンドの
洗濯、トラブルシューティングについて記載されています。最後に追加情報Bとして、
感電に関する接地間保護抵抗値についてと、リストバンド外側部の絶縁性について
記述されています。このANNEX(追加情報)があることでIEC 61340 4-6より少し詳し
い規格書になっています。
次回はANSI/ESD STM2.1-2018 Garments-Resistive Characterizationについて解説
します。
規格についてはこちらもご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-standard
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【7】静電気対策Q&A(27)
■ESD管理システムについての質問 ─────────────────────
ESD管理システム(製造工程の第三者監査)の認証を受けるにはどのような準備が必要
ですか。
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◆回答例◆
ESD管理プロセス認証など静電気対策の管理システムはISO9001等のシステムの一部
として機能しますので、ISO9001等の品質管理システムの認証を取得していることが
必要です。またESD管理システムはRCJS 5-1を基に審査されますので、受審にはESD
コーディネータの存在も必要です。その上でESD管理を行うシステムの構築(標準文
書類、作業手順書、記録様式等)が整っていることと、これらの規定に従い原則
6か月以上の運用実績が必要です。またRCJS 5-1は日本国内の規格ですが、IEC61340
5-1を基に作成されているため、国際規格の認証機関IECQがIEC61340 5-1とRCJS 5-1
を同等と認めていて、JQA-RCJによる審査ではIECQの認証も得られることになります。
審査はこの体制に対して二段階に分けて審査を行います。まず最初に、規定類と運用
実績を審査機関に提出し、審査員が審査準備を始めます。そして提出された書類を基
に第一段階の審査で適合性を確認します。第一段階審査で不適合などが指摘された
場合は、指摘事項の説明と是正処置実施日を確認し、第二段階審査の実施日程を策定
します。第二段階審査が実施されるまでの準備として第一段階での指摘事項の是正
処置及び是正処置の証拠資料を添付した是正処置報告書の作成、システムの不足部分
などを修正しておきます。第二段階審査では是正処置を含めたシステムの再確認や
不足していたシステムの運用実績などが確認されます。第二段階審査が本番ですので
もし本審査受審が不安な場合は第一段階審査を複数回受けることも可能です。
ESD管理システムの認証を取得するには、早期に運用を開始し、事前調査や第一段階
審査を実施して第二段階審査(本審査)までに十分な時間をかけて臨むことをお勧め
します。受審の窓口は日本品質保証機構(JQA)が行い現地審査をRCJが行います。
ご参考:https://rcj.or.jp/esd-controlsystem-2