RCJ通信

RCJ通信 第17号(2021年1月7日)

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 第17号

 より良い静電気対策管理のための
 RCJ通信
               2021.1.7 発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、RCJが開催するイベント情報をはじめ、
規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。

▼「新型コロナウイルス感染予防対策」について
日本電子部品信頼性センターが企画しているセミナー、イベント等は、政府の発表
と感染拡大の状況を鑑みて延期、もしくは中止することがあります。
企画を変更する際は事前に当センターがお送りするメールマガジン、ホームページ
のトピックでお知らせいたしますのでご留意ください。
RCJ ESD COORDINATOR資格認証、資格更新セミナーでの新型コロナウイルス感染
予防対策につきましては、ホームページをご参照ください。

詳細はこちら:https://rcj.or.jp/oshirase/2651

▼今月のもくじ
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【1】2021年 年頭のご挨拶
【2】eラーニング測定編のテキスト刊行のご案内
【3】第36回RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナーのお申込み受付中です
【4】ESD COORDINATOR資格認証カード発送完了のお知らせ
【5】ESD対策に関連する規格の動向(13)
【6】静電気対策Q&A(17)
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【1】2021年 年頭のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。
昨年中はコロナ禍にもかかわらずRCJが行うセミナーへのご参加や数々のご支援を
賜り誠にありがとうございました。
未だ新型コロナウイルスの感染状況は収まらず行動が制限されている状況ですが、
RCJとして活動を停滞させず、メールやWebなども通じて皆様の活動のご支援ができ
るよう努めて参る所存です。
今年も静電気対策従事者の方々にお役に立つよういくつか新しい事業を計画して
おります。これらの活動が新型コロナ感染に妨げられないことを願って、新年の
ご挨拶とさせていただきます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

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【2】eラーニング測定編のテキスト刊行のご案内

RCJでは、静電気対策業務に携わる方々を支援する教材として、ESD対策教育用
eラーニングシステム、〔基礎編〕〔測定編〕をご提供しております。
このたび、測定編をご覧いただいた方の復習のためのテキストとして、『静電気
対策に必要な測定ガイド』を刊行いたしました。
静電気対策の現場でESD管理用アイテムを測定管理する際、どのような測定器で
どのように測定したらよいかなどを、主任ESDコーディネータが実演する様子の
写真を多く用いて解説しています。ぜひ現場に置いてお役立てください。

詳細はこちら:https://rcj.or.jp/esdc-learning-sokutei

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【3】第36回RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナーのお申込み受付中です

今回は、認証登録番号がESDC 01-001~0252、01-0554~1269、01-1567~1982、
01-2095~2393、01-2530~2890、01-3098~3516、
主任ESDC 11-0041~0062、11-0076~0084、11-0090~0101、11-0107~0116、
11-0125~0133
で資格を維持される方が対象です。有効期限切れの前後4回の受講が可能です。
・今回は、新型コロナの影響を考慮し、有効期限切れ後1年経過者も対象にして
 います。ただし、期限切れ後の受講の場合は、期限切れ後、更新セミナー
 受講前の期間は認証書が発行されません。
・従来、ESD COORDINATOR、主任ESD COORDINATOR資格の更新時期を迎える
 皆さまには、郵送で資格更新セミナーのご案内をお送りしておりましたが、
 昨今のテレワーク推進による働き方の変化を鑑みまして、メールによるご案内
 とすることにいたしました。

■第36回RCJ ESDコーディネータ資格更新セミナー ────────────

日時:2021年2月4日(木)
会場:大田区産業プラザ 4階コンベンションホール

来場が難しい方には、ライブ配信をいたします。

ライブ配信についてのお問い合わせ:info@rcj.or.jp
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/update-seminar

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【4】ESD COORDINATOR資格認証カード発送完了のお知らせ

昨年6月に資格期間2020年7月1日~2021年6月31日のESD COORDINATOR資格
認証カードを、12月に資格期間2021年1月1日~2021年12月31日の資格認証
カードをESDコーディネータのみなさまに発送いたしました。
お手元に認証カードが届いていない方は、登録維持年会費の納入がお済みで
ない方、認証カードのご送付を不要と申告いただいた方です。カードが届いて
いない方で資格維持を希望される方は、お早めに年会費の納入をお願いいたし
ます。
近年、静電気対策管理の必要性と共に静電気対策管理を理解する有識者に対す
る価値もますます高まっております。せっかく取得された資格ですので放棄し
てしまうことのないよう、ESD COORDINATOR資格の維持をご検討くださいます
ようお願い申し上げます。
請求書の再発行を希望される場合は、下記メールアドレスまでご連絡ください。
年会費を未納入で資格維持をご希望されない方は、大変お手数ですがESDコー
ディネータ登録情報の変更ページから、資格辞退届をご提出くださいますよう
お願いいたします。

請求書の再発行についてのお問い合わせ:info@rcj.or.jp
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/esdc-page

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【5】ESD対策に関連する規格の動向(13)

今回はIEC61340 Part 4-6:Standard test methods for specific applications
―Wrist straps(JIS C61340 4-6 2016版邦題:静電気-特定応用のための標準的
試験方法-リストストラップ)について解説します。
リストストラップは、静電気対策用アイテムの中でも最も主要なアイテムの一つ
です。原理も構造も大変簡単なものですが、静電気対策の重要な役割を担ってい
るだけに使い方を誤ると大きなトラブルを引き起こす原因となってしまいます。
そのためにこの規格では、リストストラップそのものの構造や試験方法だけでなく、
日常的な管理方法についてまで言及しています。
この規格ではリストストラップは、バンド部分と接地コードで構成されたものを
リストストラップと定義していますので、規格に従った対策を行う場合はこの構造
を満足するものでないといけません。いまではこの規格により構造や性能等品質
は安定したものになりましたが、規格ができる前は導電性の樹脂だけで作られた
ものや耐久性のないものなど様々でした。
まず第1項の適用範囲では、この規格はリストストラップの評価試験や都度試験
の試験方法と限度値について定義するとしています。ただし注意事項としてモニ
タータイプのリストストラップには適用しないとしています。第2項は用語と定義、
第3項は性能の電気的、機械的な限界値(数値の規定)を規定しています。リスト
ストラップの構造はここで詳細に規定されることになります。第4項は試験方法と
して評価のための機材、手順、試験環境なとが定義されています。この第4項が
この規格の主要な部分となっていて、まずはバンド部の電気抵抗を試験するための
電極と試験手順が書かれています。次にバンドの大きさ確認、そしてバンドとコー
ドの離脱力試験です。バンド部の試験の次はグラウンドコードの機械的強度と電気
抵抗の試験方法が書かれていて、最後に人体を含めた電気抵抗の試験方法です。
ここには二つ試験方法が定義されていて、一つは日常点検としてのチェッカーを
使った良否判定方法、もう一つが抵抗計を使った実際の数値確認の方法です。
リストストラップはチェッカーなどで簡単に管理されていますが、この規格を見る
ことでリストストラップが如何に細かく規定されていて、重要なアイテムかが
分かります。最後の項は参考文献が紹介されています。
次回はIEC 61340 4-7 Ionizerについて紹介します。

規格についてはこちらもご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-standard

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【6】静電気対策Q&A(17)

■接地についての質問 ─────────────────────────

作業表面の対策として金属板を1MΩの電流制限抵抗を経由して接地する方法で
対策しても問題ないでしょうか。

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◆回答例◆

RCJS 5-1では、作業表面の要求事項として2点間抵抗もしくは端子間抵抗と接地
間抵抗が規定されています。上記方法では接地間抵抗の要求事項を満たすことが
できたとしても、2点間抵抗の要求事項を満たすことができません。
実際の問題点としては、ESDSの金属端子がこの作業表面に敷かれた金属板と触れ
た際、デバイスの金属端子と金属板の間に流れる電流を制限する抵抗がありません。
金属板が高抵抗で接地されていたとしても、金属板は大きな静電容量を形成して
いるため、ESDSの小さな静電容量に蓄積した帯電電荷は、大きな容量の金属板へ
瞬間的にほとんど移動してしまいます。
つまりESDSにとっては金属板が接地されていようといなかろうと大差なく、ESDSは
瞬間的なESDによって損傷してしまいます。これは接地された高抵抗の静電気対策
用ゴムマットなどの上に置かれた金属トレーも同じ理由でESDSとの間の電流抑制
には役に立たないことになります。
工具もESDSに接触する部分が金属のような低抵抗でできている場合、高抵抗で接地
されていてもESDSとは瞬間的なESDを起こしてしまいます。ESDSが接触する相手は
放電電流を制限できる抵抗体であることが重要です。もし工具やPCB等、ESDSが
接触する部分が金属であることを避けられない場合は、ESDSを高抵抗材料を経由
して一旦接地するか、イオナイザなどで十分除電しておくなどの対策が必要です。