RCJ通信

RCJ通信 第49号(2023年9月7日)

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 第49号

より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
                 2023.9.7発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、日本電子部品信頼性センター(RCJ)が
開催するイベント情報をはじめ、規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を
発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。

▼今月のもくじ
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【1】第2回ESDコーディネータ大会へのお誘い
【2】「第33回RCJ信頼性シンポジウム」参加者募集のお知らせ
【3】「第33回信頼性・ESD対策技術展示会」のご案内
【4】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー申込み受付中です
【5】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ
【6】ESD管理に関する用語解説(4)
【7】静電気対策Q&A(49)
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【1】第2回ESDコーディネータ大会へのお誘い

日本電子部品信頼性センターでは、ESDコーディネータの資質向上とESDコーディネータ
間の交流を深める活動として「ESDコーディネータ大会」を計画しております。
ESDコーディネータの方々の日々の困りごとや活動の悩みなどをESDコーディネータ間で
共有し円滑なESD管理が行えるように、討議の機会やESD管理規格の最新情報セミナー、
Q&Aなどを予定しております。
このESDコーディネータ大会は、難しく構えたイベントとせずESDコーディネータの方々
がお互いに忌憚なく情報交換ができることを目的としています。
静電気対策のESD管理者として活動されているESDコーディネータのみなさま、ぜひこの
機会に多くのESDコーディネータの方々と情報交換し、日頃の悩みや疑問の解決の糸口を
見つけていただいてはいかがでしょうか。

開催日時:2023年10月3日 10:00~17:30
開催場所:大田区産業プラザ2階小展示ホール
開催概要:IEC61340 5-1改訂最新情報、その他61340シリーズ規格の最新情報
     各テーマ別のグループディスカッション、Q&A、ESD対策用品の展示、他
参加費用:19,800円(税込)

詳細はRCJホームページにあるご案内サイトをご覧ください。
詳細・お申し込みはこちら:https://rcj.or.jp/esd-convention

みなさまのご参加を心よりお待ち申し上げております。
 
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【2】「第33回RCJ信頼性シンポジウム」参加者募集のお知らせ

RCJ信頼性シンポジウムは、電子部品、電子デバイス、電子機器等の設計・開発技術者、
信頼性技術者、生産技術者を対象に、信頼性およびESDという共通のテーマで論文発表・
討論し合い、より進歩した信頼性向上技術、ESD障害対策技術等の分野での発展に寄与
することを狙いとしています。

■第33回RCJ信頼性シンポジウム ──────────────────

開催日時:2023年11月9日(木)~11月10日(金)
場所:大田区産業プラザ(東京、京急蒲田)

参加お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/symposium-application

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【3】「第33回信頼性・ESD対策技術展示会」のご案内

信頼性・ESD対策技術展示会は、静電気の影響を受けやすい電子デバイス・部品、
電子機器などを扱う信頼性技術者、設計技術者、品質技術者の方々を対象に、より
進歩した静電気障害対策技術、静電気測定技術、故障解析技術を扱う専門の展示会
です。ご来場時の入場登録のみで展示会、ワークショップとも自由にご参加いただ
くことができます。

■第33回信頼性・ESD対策技術展示会 ─────────

開催日時:2023年11月9日(木)~11月10日(金)
会場:大田区産業プラザ2階小展示場(東京、京急蒲田)

詳細はこちら:https://rcj.or.jp/exhibition

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【4】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー申込み受付中です

資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
「第45回 RCJ ESDコーディネータ資格認証セミナー」は、以下の日程で開催いたします。
  
■第45回RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ──────────────

開催日時:2023年10月16日(月)、17日(火)
会場:大田区産業プラザ(東京都大田区南蒲田1-20-20)
定員:150名

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/esdc-seminar

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【5】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ

ESD COORDINATOR、主任ESD COORDINATOR資格は、3年毎に更新することになっています。
資格更新セミナーは、ESD対策技術(規格改定を含め)のリフレッシュの機会を与える
ことを目的としています。
今回は、資格有効期限が以下(1)(2)(3)の方で、資格を維持されるESDコーディネータ、
主任ESDコーディネータの方が対象です。

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(1)2023年6月30日
(2)2023年12月31日
(3)2024年6月30日
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ご自身の有効期限は、前回の更新時に発行された認証書(A4判の認証書で、資格登録
維持年会費を納入された後に毎年発行される認証カードとは異なります)をご確認ください。
ご自身の有効期限が不明な方は、事務局にお問い合わせください。
有効期限切れの前後4回の更新セミナーの受講が可能です。

「第47回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー」は、YouTube LiveでWeb同時配信
いたします。受講者のみなさまに事前にお知らせしますYouTubeの専用URLにアクセスしていただ
くだけで受講いただけます。インターネット接続環境とYouTubeをご覧になれるパソコン等があれば、
特別な設定なく受講いただけます。開催日時および会場は以下の通りです。

第47回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナーのご案内
日時:2023年11月8日(金) 10:00~16:30
会場:大田区産業プラザ 4階コンベンションホール(東京都大田区南蒲田1-20-20)
   及びYouTube Live配信によるWeb受講
申込み締切日:2023年11月1日(金)

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/update-seminar

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【6】ESD管理に関する用語解説(4)

■接地

これまで3回にわたって『接地』という用語を解説してきました。今回で最後になりますが、
最後に『接地』『アース』『グラウンド』という接地を連想させる3種類の用語についての
区分についてお話をさせていただきます。なお、これらの用語につきましては、各産業界・
技術分野で定義が異なっている場合もありますので、ここではRCJS-5-1:2016ではどのよう
に使い分けをしているかについて書いています。
RCJSでは等電位接続による電位差の除去を基本としていますので、接地のための用語としては
『グラウンド』を基本としています。RCJS-5-1の図11や図12を見ていただくとわかりますように、
等電位接続のための設備はすべて『グラウンド』という単語を含んだものとなっています。
このように『グラウンド』という用語は、ESDSや生産・検査に関わる設備などの電気的な基準点
同士を接続することを指しています。
次に、『アース』についてですが、これは読んで字のごとくESDSや各種設備などの電気的な
基準点を大地に接続することを指しています。このため、等電位接続のために『グラウンド』
同士を電気的に接続したときに、その一部が大地と接続されていた場合には、その状態を『アース』
と言ってもよいことになります。
最後に、RCJSでの『接地』という用語は、IEC 61340-5-1の『earth』『ground』を和訳し抽象的
に表したものとなります。このため、RCJS-5-1では『接地』という表現を可能な限り避けていま
すが、『アース』『グラウンド』の両方を意味すると解釈できる場合、また他の技術分野、例えば
電力設備用で用いられる『保安用接地』など、で標準的に用いられている『~接地』『接地~』
という表現は残しています。
なお、ESDA(ESD ADV1.0-2017)では『ground』は定義されていますが『earth』は定義されて
いません。IEC 61340-5-1では、3章(用語と定義)に
“For the purposes of this document “earth” and “ground” have the same meaning.”の記述があり、
『ground』『earth』は同じ意味で使っていますと書いてあります。わざわざこのように書くと
いうことは、本来は意味が違っているということを表しているといっても過言ではありません。

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【7】静電気対策Q&A(49)

■アイテムの選び方についての質問 ─────────────────────

デバイス危険電圧が比較的高いESDSを扱う場合のアイテムの選び方について、どのような部分
に注意すればよいのでしょうか。
たとえば、履物を第一の接地方法として、ESDSを扱う上体のみ衣類着用という形態でも問題ない
のでしょうか。半そでで腕部の肌が露出した状態でのESDSの取扱いはどうでしょうか。

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◆回答例◆

質問にある危険電圧とはESD耐量のこと、また、現状RCJS-5-1の管理状態からの緩和ととらえて
回答します。
まず、デバイスの危険電圧が比較的高いとは、どのような調査・検証結果にて判断されたので
しょうか。判断に必要な代表的なポイントを書いてみます。
1.ESDSに使用のIPのHBM及びCDM ESD耐量の設計目標値は? 実際の耐量は?
2.工程内不良品又は顧客返却不良品の中でESD起因のものはないのか。
3.同一EPAで使用するすべてのESDSが比較的高い破壊電圧なのか。
4.これまで非ESDSとしていたもののうちESDSにすべきものはないのか。

次に、例として提示されているESD管理用上体着のみ着用の場合の代表的な考慮すべき点を書いて
みます。
5.上体着で発生した摩擦電荷を逃がすための接地経路は?
RCJS-5-1では、袖口→人体→リストストラップですが、第一の方法が上体着では接地経路が考慮され
ていません。
6.上体着で覆われていない部分(露出部分)の帯電量は? 露出部分の材質が個人ごとに違う場合
管理方法は? 帯電を許容する露出部分とESDSとの距離を常に維持・管理することは可能か。 
季節の移り変わり(温湿度変化)と露出部分の帯電量との関係は検証済みか、などを考慮する必要が
あります。
7.EPA内で保管中のESDSに露出部分を持つ作業者が近づくことはないのか。近づかないように、
どう管理するのか。トロリーの下段、保管棚の下段に置かれているESDSには露出部分が近づく可能性
が考えられます。
結局、上述のようにESDS自体のESD耐量などを調査(1~4)し、ESDSを破壊させない管理用アイ
テムの調査を行い採用するしかありません。上記は、上体着の場合の考慮ポイント(5~7)ですが、
他のアイテムに対しても同様な検討が必要です。なお、腕の肌の露出は、発塵・汚染対策として考慮
すればよいでしょう。