RCJ通信
RCJ通信 第42号(2023年2月2日)
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第42号
より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
2023.2.2 発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、日本電子部品信頼性センター(RCJ)が
開催するイベント情報をはじめ、規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動
を発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。
▼「新型コロナウイルス感染予防対策」について
日本電子部品信頼性センターが企画しているセミナー、イベント等は、政府の発表と
感染拡大の状況を鑑みて延期、もしくは中止することがあります。
企画を変更する際は事前に当センターがお送りするメールマガジン、ホームページの
トピックでお知らせいたしますのでご留意ください。
RCJ ESD COORDINATOR資格認証、資格更新セミナーでの新型コロナウイルス感染予防
対策につきましては、ホームページをご参照ください。
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/oshirase/2651
▼今月のもくじ
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【1】RCJ賛助会員募集のご案内
【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ
【3】第44回(特別回)RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナーのお申込み受付中です
【4】ESDコーディネータ登録情報更新のお願い
【5】Web請求書発行システム「BtoBプラットフォーム」ID登録情報ご確認のお願い
【6】ESD対策に関連する規格の動向(38)
【7】静電気対策Q&A(42)
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【1】RCJ賛助会員募集のご案内
日本電子部品信頼性センター(RCJ)では、日本における電子部品の信頼性技術と
静電気対策管理技術の向上を目指して多くの活動を行っております。特に近年は静電
気対策管理に対する意識が高まり世界規模で規格対応化が進んでおります。
これらの社会情勢を鑑み、私どもは、国内に向けた信頼性技術情報の提供、日本の
静電気対策管理技術とIEC国際規格との整合活動、日本の静電気対策管理規格の
充実、静電気対策管理者の資質向上等に力を注いでおります。これらの活動を進めて
いくためにはRCJの企業力だけではとても困難で、みなさまの人的、金銭的なご支援を
いただくことが必要となっています。資金のご援助に加え、特に後任の育成が喫緊の課題
であることから、若い方々の参画が不可欠であると考えております。
RCJでは、電子デバイスの信頼性技術、静電気対策管理技術に関心のある企業様の
賛助会員加入を広く募集しております。ぜひ一度ご加入をご検討いただき、私たちと一緒
に活動していただきたくお願い申し上げます。
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/support-member
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【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ
資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
「第44回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー」は、以下の日程で開催する
予定です。お申込み受付開始は3月を予定しております。
■第44回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ──────────────
開催日時:2023年5月16日(火)、17日(水)
会場:大田区産業プラザ 4階コンベンションホール(東京都大田区南蒲田1-20-20)
定員:90名
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/esdc-seminar
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【3】第44回(特別回)RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナーのお申込み受付中です
2022年度でコロナ禍対応の受講時期の延期対応を終了いたします。
2022年10月25日に開催しました第43回が今年度の資格更新セミナーの最終回でしたが、
資格有効期限を過ぎた方でこの回の受講を逃してしまった方への救済対応として、第44回
(特別回)RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナーを3月10日に開催いたします。
この回でもWeb配信を行いますので有効期限が過ぎてしまっている方は、現地、Web受講
いずれかの方法で受講のご検討をお願いいたします。
受講対象の方は、すでに有効期限を過ぎてしまっている方から有効期限2023年6月まで
の方です。資格更新はWebによる受講者もセミナー受講後、課題レポートをご提出いただく
ことで更新とさせていただきます。ただし、期限切れ後の受講の場合は、期限切れ後、更新
セミナー受講前の期間は認証書が発行されません。
ご自身の資格有効期限は、認証カードではなく認証書(A4サイズの紙の証書)に記載の
期日です。認証書をご確認ください。開催日時および会場は以下の通りです。
■第44回(特別回)RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー ──────────────
日時:2023年3月10日(金) 10:00~16:30
会場:大田区産業プラザ 4階コンベンションホール(梅)
及びYouTube Live配信によるWeb受講
定員:現地50名 Web100名
申込み締切日:2023年3月3日(金)
※コロナ感染者数の状況によって定員数が変更になる可能性があります。
詳細・お申し込みはこちら:https://rcj.or.jp/update-seminar
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【4】ESDコーディネータ登録情報更新のお願い
RCJ ESD COORDINATOR資格を取得後、ご所属、住所、メールアドレス等に変更が生じ
た場合は、下記のフォームで事務局に届けてくださいますようお願いいたします。
届出がないと、資格更新セミナー受講時期のご案内、ご請求書、メールマガジン等を確実
にお届けすることができない可能性があります。
お手数をおかけいたしますが、ご協力をお願いいたします。
ご変更はこちらからお願いします:https://rcj.or.jp/esdc-profilechange
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【5】Web請求書発行システム「BtoBプラットフォーム」ID登録情報ご確認のお願い
2021年度より、郵送しておりました紙のご請求書に代わり、Web上で請求情報を確認/
請求書のPDFをダウンロードできるサービスを提供させていただいております。
ESDコーディネータのみなさまには、IDのご登録にご協力くださいましてありがとうございました。
すでにIDをご登録いただいているみなさまの中で、メールアドレス、ご所属、住所のご変更
がありました方は、ご自身でログイン後に登録情報のご変更いただくか、事務局まで
ご連絡をお願いいたします。
年会費のご請求書を確実にお受取りいただくためにご協力をお願いいたします。
また、2023年度から資格登録維持年会費を納入される方は、3月にBtoBプラットフォーム
請求書からID登録をお願いするメールを送信いたしますのでご登録をお願いいたします。
資格登録維持年会費の請求書の発行は、4月中旬を予定しております。
BtoBプラットフォームにつきましてご不明な点がございましたら
info@rcj.or.jp までお問い合わせください。
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【6】ESD対策に関連する規格の動向(38)
今回はANSI/ESD STM11.11 For Protection of Electrostatic Discharge Susceptible Items- Surface Resistance Measurement of Planar Materials 2022について解説します。
この規格は平板状材料の再現性のある表面抵抗測定を行うための試験手順、機器、
サンプル調整、コンディショニングの定義について述べています。適用範囲は1×10^4Ωから
1×10^11Ω未満の平板において導電性材料に限らず平面材料の直流電流による表面
抵抗について定義するものとしています。第2項は引用規格、第3項は用語の解説となっ
ています。第4項の安全ではこの測定結果を高電圧のAC、DC電圧にさらされる人体の安全
性評価の判断に使用しないこととしています。
第5項は総論として測定物の調整とコンディショニング、測定器の検証とセットアップ、
試験手順等段取りを提示しています。第6項が測定器の仕様で測定電極は同心円電極の
形状を示しています。この電極はIEC、RCJSで定義しているものと同じで電極形状は内側
円盤電極が直径30.5mm±1.0mm、外輪の電極が内径57mm±1.0mm、幅が3.0mm±0.5mmです。
表面硬さもショアA50~70で重さが2.27±0.06kgとなっています。6.2項では被測定物
支持台を10^12Ω以上/100V印加時、測定サンプルよりも10mm以上大きく1mm以上の厚みが
あることを要求しています。6.3項で測定器は3乗~12乗Ωが測定できて10Vと100Vの
測定電圧を有することとしています。6.4項は2種類の校正ジグを記載しています。
第7項は測定サンプルの準備でサンプル個数や大きさ、温湿度調整などが定義されて
います。第8項、第9項は測定器の校正ジグを使用した動作確認方法を定義しています。
第10項で実際の試験片の測定手順を説明しています。他の規格でも適用される6乗未満
と以上の時の測定電圧の切り分けや電圧印加時間などを定義しています。第11項が報告書
の書き方、第12項に表面抵抗率への変換方法が記載されていますが、不均一な材料には
適用しないことと記載されています。付属書Aでは2点間抵抗測定用電極と同心円電極
の測定は意味が違うので値を混同しないようにと注意しています。最後の付属書Bはこの
規格の改訂履になっています。
次回はANSI/ESD STM11.12 2021 Volume Resistance Measurement of Planar Materials
について解説します。
規格についてはこちらもご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-standard
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【7】静電気対策Q&A(42)
■静電気対策用品についての質問 ──────────────────────
静電気対策用品で、静電○○、帯電防止○○、導電性○○など表記されたものがありますが、
どれも同じ意味でしょうか。違う場合、選択方法はどのようにすればよいのでしょうか。
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◆回答例◆
ご質問の言葉はそれぞれ異なる意味を持っていますが、ごちゃ混ぜに使われてきた経緯があります。
導体、半導体、絶縁体などの用語は古くから定義されていましたが、それでも業界や解説書などで
多少の値の範囲が異なっていることがありました。ご質問の静電○○や導電性○○などは規制なく
使用されてきて、これら用語の用法が明確化されたのは比較的最近になってからです。
例えば静電という言葉も制電と表現されていることもあって、この言葉が何を表すかも使用するメー
カにより異なっていて定かではありませんでした。IECがESD管理基準を制定し用語を定義したことで
徐々に使用方法が定まってきたというところです。
ご質問の静電○○は静電気対策の機能、仕様について何の定義もなく静電気対策をした○○です、
を謳うための総称、帯電防止という言葉は静電気を発生させても帯電が残りにくいという意味のもの
ですが、帯電しないとの誤解を招きやすく現在は使用が控えられています。この言葉に代わり低帯電
性という表現をしています。導電性は衣服やマット、床等さまざまに使用され静電気が流れる材料で
すということを意味していました。RCJSではこれらの用語の意味を規格の中で定義していて、静電気
導電性(1×10^2Ωから1×10^4Ω未満の抵抗値)、静電気拡散性(1×10^4Ω以上から
1×10^11Ω未満の抵抗)これ以上を絶縁性(1×10^11Ω以上)と定義しています。
ただ低帯電性には抵抗の範囲が規定されておらず、静電気発生を最小にする性質とだけ定義され
ています。用語は情報交換の重要な符号です。話す人、聞く人がそれぞれに違うものを想像して
行動すればトラブルの原因となります。このためにも用語は意味をしっかり理解して使用してください。