RCJ通信
RCJ通信 第28号(2021年12月2日)
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第28号
より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
2021.12.2 発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、RCJが開催するイベント情報をはじめ、
規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。
▼「新型コロナウイルス感染予防対策」について
日本電子部品信頼性センターが企画しているセミナー、イベント等は、政府の発表と
感染拡大の状況を鑑みて延期、もしくは中止することがあります。
企画を変更する際は事前に当センターがお送りするメールマガジン、ホームページの
トピックでお知らせいたしますのでご留意ください。
RCJ ESD COORDINATOR資格認証、資格更新セミナーでの新型コロナウイルス感染予防
対策につきましては、ホームページをご参照ください。
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/oshirase/2651
▼今月のもくじ
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【1】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ
【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ
【3】ESDコーディネータ登録維持年会費ご入金のお願い
【4】Web請求書発行システム「BtoBプラットフォーム」ID登録情報ご確認のお願い
【5】ESD対策に関連する規格の動向(24)
【6】静電気対策Q&A(28)
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【1】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ
資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
「第41回 RCJ ESDコーディネータ資格認証セミナー」(特例回)は、以下の日程で
開催する予定です。
■第41回RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ──────────────
開催日時:2022年2月24日(木)、25日(金)
会場:大田区産業プラザ3階 特別会議室(https://www.pio-ota.net/)
定員:40名
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/esdc-seminar
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【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ
ESD COORDINATOR、主任ESD COORDINATOR資格は、3年ごとに更新することになって
います。資格更新セミナーは、ESD対策技術(規格改定を含め)のリフレッシュの
機会を与えることを目的としています。
今回は、資格有効期限が以下(1)~(5)の方で、資格を維持されるESDコーディネータ、
主任ESDコーディネータの方が対象です。新型コロナの影響を考慮し、有効期限が
2020年の方も対象にしています。ただし、期限切れ後の受講の場合は、期限切れ後、
更新セミナー受講前の期間は認証書が発行されません。
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(1)2020年6月30日
(2)2020年12月31日
(3)2021年6月30日
(4)2021年12月31日
(5)2022年6月30日
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ご自身の有効期限は、前回の更新時に発行された認証書(A4判の認証書で、資格登録
維持年会費を納入された後に毎年発行される認証カードとは異なります)をご確認
ください。
有効期限切れの前後4回の更新セミナーの受講が可能です。
2022年1月26日(水)開催の「第40回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー」
(特例開催)は、YouTube LiveでWeb同時配信いたします。受講者のみなさまに事前
にお知らせしますYouTubeの専用URLにアクセスしていただくだけで受講いただけます。
インターネット接続環境とYouTubeをご覧になれるパソコン等があれば、特別な設定
なく受講いただけます。
Webによる受講は、更新セミナーのお申込みをしていただいた方を対象とし、本来
は会場にお越しいただくことが原則ですが、コロナ感染防止等の対応によって会場
でのご受講が難しい方の救済策としてWebでの受講を可としています。Webによる受
講者もセミナー受講後、課題レポートをご提出いただくことで更新とさせていただ
きます。
RCJでは、ESDコーディネータのみなさまが、コロナ禍が原因でESDコーディネータ
資格を失うことがないよう対応してまいります。
■第40回RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー ──────────────
日時:2022年1月26日(水)
会場:大田区産業プラザ3階 特別会議室(https://www.pio-ota.net/)
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/update-seminar
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【3】ESDコーディネータ登録維持年会費ご入金のお願い
日頃、弊センターの活動にご理解を賜りまして誠にありがとうございます。
2021年度分の登録維持年会費の納入がお済みでない方は、至急、資格更新のご意志、
認証カードの発行につきまして、ご連絡をいただきたくお願いいたします。
この登録維持年会費は、資格保有者が多人数となりましたESD COORDINATOR資格認証
制度を運営していくための重要な資金です。みなさまからいただきました登録維持
年会費は、認証カードの発行、セミナー事務局の運営維持、ESDコーディネータの
意見交換の場を提供する場の充実等に充てております。認証カードの1年ごとの発行
は、「人事異動が激しく業務変更も頻繁に起こるので毎年発行してほしい」という
ESDコーディネータのみなさまのご要望にお応えしたものです。
ご理解とご協力をお願い申し上げます。
認証カード発行申請フォーム:https://rcj.or.jp/esdc-card
お問い合わせはこちらのアドレスにお願いいたします:info@rcj.or.jp
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【4】Web請求書発行システム「BtoBプラットフォーム」ID登録情報ご確認のお願い
2021年度より、これまで郵送でお送りしておりました登録維持年会費のご請求書に
代わり、インターネット上で請求情報を確認/ダウンロードできるサービスを提供さ
せていただくことにいたしました。
ESDコーディネータのみなさまには、IDのご登録にご協力くださいましてありがとう
ございました。
すでにIDをご登録いただいているみなさまの中で、ご所属、住所、メールアドレスの
ご変更がありました方は、ご自身で登録情報のご変更をお願いいたします。
IDご登録後の情報のご変更はご自身のみ可能ですので、お手数をおかけいたしますが
ご対応のほどお願い申し上げます。
BtoBプラットフォームにつきましてご不明な点がございましたら
info@rcj.or.jp までお問い合わせください。
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【5】ESD対策に関連する規格の動向(24)
今回はANSI/ESDシリーズANSI/ESD STM2.2-2018 For the Protection of Electrostatic Discharge Susceptible Items. Garments-Resistive Characterization.
について解説します。
前回のWrist StrapsはS(Standard)でしたが、今回は試験方法の規格としてSTM(Standard
Test Method)です。この米国ESD協会による規格のシリーズはS、STM、SP(Standard
Practice)、TR(Technical Report)、ADV(Advisory)などテスト方法や規格の実践方法、
技術情報など非常に多くの文書から構成されています。今回のSTM2.2は衣服の抵抗測定
方法について規定されています。この規格に対応するIECの規格はIEC 61340 4-9 Garments
でこのANSI/ESDが基になっていますので内容はほとんど一緒ですが、構成や説明図が
微妙に異なっています。1項は規格の目的と適用範囲で静電気対策用の導電性、静電気
拡散性を使用した衣服のテスト及び評価に適用されるとしています。2項が引用文献で
さすがに引用しているのはUSAの規格ばかりです。3項が用語集、4項が人体安全、5項
からが本題の測定器や測定電極、機材等の仕様についてで、図説により詳細に定義されて
います。6項が測定方法についてです。測定は接地可能な服とそうでない一般の静電気
管理用衣服、人体の接地まで目的にした3種類について定義されていて、袖-袖間やパネル
(衣服のパーツ)-パネル間等はどちらも同じですが、接地可能な衣服は袖口の内側など
人体を接地する端子の役割を持つ部分と服に設けられた接地に接続するための端子の間の
測定や人体を含むシステム抵抗などが定義されています。最後は7項で報告書について
定義されています。技術情報として付属書Aに服のカテゴリー別の抵抗値が記載されていて、
接地端子のない衣服、衣服を接地するためだけの接地端子がある衣服、人体を接地する
機能を持った衣服のそれぞれの抵抗値が定義されています。付属書Bは測定箇所の図説と
データシートの見本、付属書Cは追加の検討事項として、人体接地の検証機器についてや
肌乾燥時のローションの使用、服のクリーニングにおける注意等です。
次回はANSI/ESD STM 3.1 Ionizerを解説します。
規格についてはこちらもご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-standard
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【6】静電気対策Q&A(28)
■測定についての質問 ─────────────────────
ESDSの帯電を正しく知るにはどこで測定したらよいでしょうか。(1)
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◆回答例◆
今回の課題は奥が深いので回数を分けて回答します。
静電気対策でよく引き合いに出るQ=CVからESDSがどのような環境に置かれているかの
判断が必要です。ESDSが持つ静電容量Cはその置かれる環境により変化し、Cが増加すれ
ば電位は低くなり、Cが減少すれば電位は高くなります。この時、高い電位だけを正しい
電位ととらえがちですが、低い電位はその環境に置かれたESDSとしての電位であり、
その環境に従った電位であることを認識することが重要です。だた低い電位だからと言っ
て安心するのではなく、環境が変われば再度高い電位にもなりますし、もし金属に放電
すれば電位は低くともその電荷は全て流れてしまいます。また測定の際には、そのESD
が置かれている場所に潜む隠れた容量の要素を見極めて電位を認識しなくてはなりません。
例えば搬送用のトレーではESDSを置く位置に大きく穴が開いている部分と底面がある部分
があるトレーがありますが、穴が開いていると置かれたESDSの静電容量はさほど大きく
なりませんが、底面があると容量は大きくなります。ESDSを置いてしまうと底の部分の
状況は見えませんので、同じ電位のESDSであっても、穴の開いている部分のESDSを測定
して「このESDSは電位が高い」、穴の開いていない部分のESDSを測って「このESDSは電位
が低い」と判断してしまうことになります。
もう一つ測定タイミングの大事なポイントとして、静電気発生が懸念される場所での測定
があります。測定のタイミングは静電気の発生に対して早く測定すればそれだけ電荷減衰
の少ない高い電位が測定できそうですが、静電気を発生させる要因とESDSがどのような
関係になっているかを見極めて測定することが重要です。例えば真空チャックにESDSが
吸着されると真空チャックが接触した部分に静電気が発生します。ならば接触している時
に測定すれば一番大きな静電気が測定できるかというとそうではありません。静電気を
発生させるものと発生させられるものが一緒になっていると双方の電荷がけん制しあって
電位は出てきません。お互いが離れてそれぞれが孤立したときに電位となって現れてきま
す。しかもその電位の現れ方はお互いが離れていく速度に依存しています。急に離せば
急激に電位は上昇しますし、ゆっくり分離すればゆっくり電位が上がります。これは
電気対策の効果(速さ)とも関係し、この相互関係をしっかりつかむことで効果的な静電
気対策につなげることが可能となります。
測定についての回答はまだまだ続きます。次回をお楽しみに。