RCJ通信
RCJ通信 第23号(2021年7月1日)
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第23号
より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
2021.7.1 発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、RCJが開催するイベント情報をはじめ、
規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。
▼「新型コロナウイルス感染予防対策」について
日本電子部品信頼性センターが企画しているセミナー、イベント等は、政府の発表と
感染拡大の状況を鑑みて延期、もしくは中止することがあります。
企画を変更する際は事前に当センターがお送りするメールマガジン、ホームページの
トピックでお知らせいたしますのでご留意ください。
RCJ ESD COORDINATOR資格認証、資格更新セミナーでの新型コロナウイルス感染予防
対策につきましては、ホームページをご参照ください。
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/oshirase/2651
▼今月のもくじ
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【1】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ
【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ
【3】静電気対策資材登録制度のご案内
【4】「静電気対策の監査方法解説セミナー」開催報告
【5】ESD対策に関連する規格の動向(19)
【6】静電気対策Q&A(23)
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【1】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ
年2回実施される資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
「第39回RCJ ESDコーディネータ資格認証セミナー」は、5月13日、14日の開催を予定
しておりましたが、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の期間延長に伴いまして、
延期させていただきました。
この5月13日、14日の代替として8月19日(木)、20日(金)に大田区産業プラザでの
開催を予定しております。
■第39回RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ──────────────
開催日時:2021年8月19日(木)、20日(金)
会場:大田区産業プラザ(https://www.pio-ota.net/)
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/esdc-seminar
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【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ
ESD COORDINATOR、主任ESD COORDINATOR資格は、3年ごとに更新することになって
います。資格更新セミナーは、ESD対策技術 (規格改定を含め)のリフレッシュの
機会を与えることを目的としています。 なお、対象者には、近日中に案内状をメー
ルでお送りします。
今回は、資格有効期限が以下(1)~(4)の方で、資格を維持されるESDコーディネータ、
主任ESDコーディネータの方が対象です。新型コロナの影響を考慮し、有効期限が
2020年の方も対象にしています。ただし、期限切れ後の受講の場合は、期限切れ後、
更新セミナー受講前の期間は認証書が発行されません。
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(1) 2020年6月30日
(2) 2020年12月31日
(3) 2021年6月30日
(4) 2021年12月31日
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ご自身の有効期限は、前回の更新時に発行された認定証をご確認ください。
有効期限切れの前後4回の更新セミナーの受講が可能です。
2021年9月8日(水)開催の「第38回RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー」は、
YouTube LiveでWeb同時配信いたします。受講者のみなさまに事前にお知らせします
YouTubeの専用URLにアクセスしていただくだけで受講いただけます。
インターネット接続環境とYouTubeをご覧になれるパソコン等があれば、特別な設定
なく受講いただけます。
Webによる受講は、更新セミナーのお申込みをしていただいた方を対象とし、本来
は会場にお越しいただくことが原則ですが、コロナ感染防止等の対応によって会場
でのご受講が難しい方の救済策としてWebでの受講を可としています。Webによる受
講者はセミナー受講後、課題レポートをご提出いただくことで更新とさせていただ
きます。
RCJでは、ESDコーディネータのみなさまが、コロナ禍が原因でESDコーディネータ
資格を失うことがないよう対応してまいります。
■第38回RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー ──────────────
日時:2021年9月8日(水)
会場:日本教育会館(東京都千代田区一ツ橋2-6-2)
※2021年度は会場が例年と異なりますのでご注意ください。
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/update-seminar
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【3】静電気対策資材登録制度のご案内
日本電子部品信頼性センターでは、第三者公共機関と共同して測定データをWeb上で
公開する資材登録制度を行っています。静電気対策用資材を公的機関で規格を基に
測定・評価し、結果をRCJのホームページで公開することで、ESDコーディネータは
自らがESD管理アイテムの測定評価を行うことなく、公表されたアイテムを選択する
だけという制度です。
現在の登録状況は履物と衣服がほとんどですが、2019年より工具の評価もできるよう
になっています。工具は工程内で多用されるアイテムですので資材登録を行うことで
ESDコーディネータから評価・選択される可能性が高くなります。最近はクライアン
ト企業からIEC 61340 5-1等で評価されたアイテムを使う要求が高まってきており、
資材登録をすることで製品アピールに大きく貢献いたします。登録されますとRCJの
ホームページ上に製品名や測定結果の表示、またカタログのページも作成されます。
ぜひ一度、自社製品の妥当性表現の一つとして資材登録制度のご検討くださいますよ
うお願い申し上げます。
登録費用や申請フロー等につきましては詳しくはこちらをご覧ください。:
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【4】「静電気対策の監査方法解説セミナー」開催報告
過日6月3日に「静電気対策の監査方法解説セミナー」を行いました。このセミナー
は、昨年コロナ禍が顕著になり始めた3月、4月に計画していたセミナーです。当時
セミナーにお申込みいただいた皆様には一年越しの開催となってしまい大変ご不便を
おかけしましたことをお詫び申し上げます。
今回はWeb同時配信を行いましたため、このコロナ禍でも何とか開催できた次第です。
このため会場にお越しいただいた方は5名でWebで受講いただいた方は21名になりま
した。
まず第1講では佐々木講師による「IECQにおけるESDプロセス認証の解説」としてIECQ
(IEC Quality Assessment System for Electronic Components)の国際認証制度を含
む解説を主体とした講演で、監査に対する基本的な構造や条件等について詳しく解説
されました。第2講では渡辺講師より「ESD管理システム監査の実務解説」として内部
監査の進め方や二者監査、監査の視点などについて実務的な講演をいたしました。
会場では質問も多くいただき、実際に監査業務を行う上での情報に興味をおもちいた
だいていることがよくわかりました。RCJS 5-1等規格に従った静電気対策を行ってい
く上ではESD監査は欠かせない業務となり、確実、効率的な監査技術が求められます。
特に二者監査では上位企業からの強い要求に対し、理論的な正当性を持って対抗しな
くてはなりません。
今後も監査セミナーは定期的に開催してまいります。また、このセミナーはDVD化し
販売を予定しております。セミナー内容でご要望等ございましたら、今後のセミナー
に反映させていただきますので下記メールアドレスまでお寄せください。
受講いただいたいた皆様、ありがとうございました。
監査方法解説セミナーに関するご要望をお聞かせください。:info@rcj.or.jp
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【5】ESD対策に関連する規格の動向(19)
今回はIEC TR 61340-5-5:2018 Edition 1.0 (2018-11-28) Electrostatics – Part 5-5:
Protection of electronic devices from electrostatic phenomena – Packaging systems used in electronic manufacturing
についての解説です。このTR(技術報告書)は、既存の試験方法では評価が難しかっ
た包装材の評価方法について述べられています。たとえば、表面実装する電子部品を
入れるキャリアテープやトレー、パーツボックスなどです。評価方法以外にも静電気
現象の基礎的な解説や材料、製造方法などが記述されています。
まず第1項の適用範囲はESDS、非ESDSの包装材料に対する要求事項についての定義で
す。先に挙げたキャリアテープやマガジンレール、トレーなどが対象で、静電気の電
気的な問題だけでなく、搭載するパーツが小さいことから静電気の吸着や反発力など
の問題も含むとしています。2項は引用規格ですが、なんと引用規格はない、として
います。いかに今までにない評価方法の提案かということがわかります。3項が用語
の解説、4項と5項は包装材に関係した静電気基礎知識以外に防湿性やアウトガスな
どについても述べられており、包装材の基本的な材料や製造等も解説しています。
基礎知識の解説にかなりページを割いた技術報報告書です。6項は包装材に関する各
種既存規格の内容についてそれぞれ解説しています。7項は既存の包装材の試験方法
について、8項の包装技術の選択では、搬送環境に従った包装材の選択が必要である
ことについて述べられています。引用文献はないとしていますが、ここには多くの測
定規格と規定値が記載されています。9項は包装システムが意図した目的にかなって
いるか、という題目で、必要とされる包装性能と実際の包装形態が適合しているかの
確認が必要だとしています。10項でこのTRの本題である、包装資材に合った新しい測
定方法についてが列挙され、解説されています。最後に付属書Aとして各種包装材につ
いて写真付きで解説されています。技術報告書なので適用には使用環境を鑑みてよく
吟味する必要がありますが、電子デバイス包装に携る方には参考になる技術報告書だ
と思います。
規格についてはこちらもご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-standard
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【6】静電気対策Q&A(23)
■EPAについての質問 ──────────────────────────
要求事項を満たしたEPAの中に廃棄物置き場のようなEPA外とする領域を設定したい
のですが、EPA区域外としてESDSを持ち込まないような管理をすればよいでしょうか。
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◆回答例◆
EPA内にEPA外区域を設けた場合、出入口に警告表示を設けることはもちろんですが、
EPA外に廃棄する廃棄物に帯電の可能性がある場合は、「2000V以上の帯電物からESDS
を30cm以上離す」のルールを守る必要があります。EPA外と決めてもESDSと廃棄物が
近接し、電界がESDSに及ぶようであれば問題となります。この場合、隔壁を設けて
静電界シールドするなどしてESDSを保護しなければなりません。
またEPA内には不要な絶縁物を持ち込まないというルールがありますが、EPA内に
EPA外区域を設けてしまった場合、EPA外区域から直接外に出られるのでない限り、
廃棄物を持ち出すために一旦EPAの中に入らなければならなくなりますので、RCJS
5-1 5.5項に記載される非ESDSや事務書類の持ち込みの条件として、EPAに持ち込む
ための包装をしなくてはならなくなります。またRCJS 5-2 5.3.3.2 絶縁体で定義
される5000V/mを超えない等の要求事項を守る必要もあります。接地可能な導電性の
容器に廃棄し、電界が外部に輻射されないようにEPAを通過する方法や、イオナイ
ザなどで廃棄物の帯電をなくしてから持ち出す、などの対策が必要になります。