RCJ通信
RCJ通信 第30号(2022年2月3日)
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第30号
より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
2022.2.3 発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、RCJが開催するイベント情報をはじめ、
規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。
▼「新型コロナウイルス感染予防対策」について
日本電子部品信頼性センターが企画しているセミナー、イベント等は、政府の発表と
感染拡大の状況を鑑みて延期、もしくは中止することがあります。
企画を変更する際は事前に当センターがお送りするメールマガジン、ホームページの
トピックでお知らせいたしますのでご留意ください。
RCJ ESD COORDINATOR資格認証、資格更新セミナーでの新型コロナウイルス感染予防
対策につきましては、ホームページをご参照ください。
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/oshirase/2651
▼今月のもくじ
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【1】RCJ賛助会員募集のご案内
【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナーのお申込み受付中です
【3】ESDコーディネータ登録情報更新のお願い
【4】Web請求書発行システム「BtoBプラットフォーム」ID登録情報ご確認のお願い
【5】ESD対策に関連する規格の動向(26)
【6】静電気対策Q&A(30)
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【1】RCJ賛助会員募集のご案内
日本電子部品信頼性センター(RCJ)では、日本における電子部品の信頼性技術と
静電気対策管理技術の向上を目指して多くの活動を行っております。特に近年は
静電気対策管理に対する意識が高まり世界規模で規格対応化が進んでおります。
これらの社会情勢を鑑み、私どもは、国内に向けた信頼性技術情報の提供、日本の
静電気対策管理技術とIEC国際規格との整合活動、日本の静電気対策管理規格の充実、
静電気対策管理者の資質向上等に力を注いでおります。これらの活動を進めていく
ためには日本電子部品信頼性センターの企業力だけではとても困難で、みなさまの
人的、金銭的なご支援いただくことが必要となっています。資金のご援助に加え、
特に後任の育成が喫緊の課題であることから、若い方々の参画が不可欠であると
考えております。
日本電子部品信頼性センターでは、電子デバイスの信頼性技術、静電気対策管理
技術に関心のある企業様の賛助会員加入を広く募集しております。ぜひ一度ご加入
をご検討いただき、私たちと一緒に活動してくださることを切にお願い申し上げ
ます。
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/support-member
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【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナーのお申込み受付中です
資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
「第41回 RCJ ESDコーディネータ資格認証セミナー」(特例回)は、以下の日程で
開催する予定です。
■第41回RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ──────────────
開催日時:2022年2月24日(木)、25日(金)
会場:大田区産業プラザ3階 特別会議室(https://www.pio-ota.net/)
定員:40名
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/esdc-seminar
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【3】ESDコーディネータ登録情報更新のお願い
RCJ ESD COORDINATOR資格を取得後、ご所属、住所、メールアドレス等に変更が生じ
た場合は、下記のフォームで事務局に届けてくださいますようお願いいたします。
届出がないと、資格更新セミナー受講時期のご案内、ご請求書、メールマガジン等
を確実にお届けすることができない可能性があります。
お手数をおかけいたしますが、ご協力をお願いいたします。
ご変更はこちらからお願いします:https://rcj.or.jp/esdc-profilechange
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【4】Web請求書発行システム「BtoBプラットフォーム」ID登録情報ご確認のお願い
2021年度より、これまで郵送でお送りしておりました登録維持年会費のご請求書に
代わり、インターネット上で請求情報を確認/ダウンロードできるサービスを提供さ
せていただくことにいたしました。
ESDコーディネータのみなさまには、IDのご登録にご協力くださいましてありがとう
ございました。
すでにIDをご登録いただいているみなさまの中で、メールアドレス、ご所属、住所の
ご変更がありました方は、ご自身で登録情報のご変更をお願いいたします。
IDご登録後の情報のご変更はご自身のみ可能ですので、お手数をおかけいたしますが
ご対応のほどお願い申し上げます。
BtoBプラットフォームにつきましてご不明な点がございましたら
info@rcj.or.jp までお問い合わせください。
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【5】ESD対策に関連する規格の動向(26)
今回は前回のSTM3.1 Ionizerに引き続きANSI/ESD SP3.3-2016について解説します。
イオナイザに関する規格は上記STM3.1を含めSP3.3、SP3.4、SP3.5と四つもあり、
CPMの違いやイオン生成方法の違いによるイオナイザの種類別測定方法などが詳しく
解説されています。このSP3.3はPeriodic Verification of Air Ionizerとしてイオ
ナイザの定期検査方法を定義しています。
まず1項の適用範囲ですが、この標準作業はイオナイザの管理下における定期的な
イオンバランスと減衰時間の測定方法として制定され、EMIや軍事火器、着火危険物
などは含まないとしています。2項は引用規格でESD ADV1.0用語の解説書とSTM3.1
Ionizerの2件のみです。3項が用語ですが、上記ESD ADV1.0を参照と省略されてい
ます。4項が人体安全に関して、5項が試験用機器についてで簡易型CPMがイラスト
とともに解説されていますが標準のCPMとの差異は説明がありません。
6項は通常の測定方法についてで、それぞれのイオナイザは使用用途や設置状況が
異なることから実際の測定における種々の条件を測定結果に付帯させる、としてい
ます。細目として、設定について減衰時間、イオンバランスの説明が記載されてい
ます。7項はイオナイザ定期検査手順についてで、STM3.1にあるようにルームイオ
ナイゼーションやクリーンベンチ、作業表面などの測定方法がイラストと共に記載
されています。簡易測定なのでSTM3.1のような細かい測定ポイントはありません。
あとは付属書A,B,Cですが、Aには受入検査や定期検査、測定が難しい状況での測定
や測定技術などが説明されています。Bはこの規格文書で取上げている簡易型のCPM
に対し、標準型のCPMとの測定結果に対する比較を各イオナイザや環境ごとに書式に
まとめるように要求しています。この比較を認識していなくては測定結果が意味を
なさなくなりますので大変重要です。Cはこの規格の改訂履歴です。
次回はANSI/ESD SP3.4-2016 小さなCPMを使用した定期検査を解説します。
規格についてはこちらもご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-standard
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【6】静電気対策Q&A(30)
■測定についての質問 ─────────────────────
ESDSの帯電を正しく知るにはどこで測定したらよいでしょうか。(3)
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◆回答例◆
今回も静電気測定についてご説明します。
前回までの回答で静電気の帯電電圧測定がいかに見えない状況に多くの要素が含ま
れているかを知っていただいたと思います。静電気帯電の測定ではこの見えない
要素を正しく予測しながら測定しないと目先の数値に惑わされて判断を誤ることに
なってしまいます。
この正しい予測をするために重要なことは静電気現象を正しく理解する、というこ
とにつきます。目に見えない静電気をその発生状況や環境などの要素を総合して予
測を立てそれぞれの要素を検証するかのように測定を重ねていくと静電気の様子が
見えてくるようになります。測定から結果の判断に至るまでのプロセスを簡単に箇
条書にまとめてみます。
1.トラブルを起こしている帯電場所(目的)の目星を付ける。
2.問題点の帯電環境(他の帯電や、帯電物が置かれている環境、発生と減衰など)
から電界の状況を想定する。
3.測定対象物の大きさや場所の広さが測定器の特性(測定面積、応答速度、測定
距離等)と合っているかを確認する。
4.測定器の適正な測定距離で測定する。
5.測定値の妥当性を確認する。帯電斑や値の変化の様子などを測定位置を少し変え
たり、時間経過を見たりして確認する。また測定ポイントの前後を測定し電位の
変化なども確認する。
6.測定値判断の注意点として、最大値、最小値をむやみに排除しない。静電気の
帯電電圧は多くの要素による結果なので一定にはなりにくくとびぬけた最大値や
最小値が重要な情報となることがあるので、そのような値が出た時は何か原因が
ないかの調査が必要である。
7.連続測定で傾向対策することも静電気対策として良い情報となる。
静電気現象とその帯電電位測定は多くの要素が絡み合った複雑な現象です。静電気に
対する固定概念や目先の数値に惑わされないように注意して測定してください。