RCJ通信
RCJ通信 第29号(2022年1月6日)
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏
第29号
より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
2022.1.6 発行
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.rcj.or.jp
▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、RCJが開催するイベント情報をはじめ、
規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。
▼「新型コロナウイルス感染予防対策」について
日本電子部品信頼性センターが企画しているセミナー、イベント等は、政府の発表と
感染拡大の状況を鑑みて延期、もしくは中止することがあります。
企画を変更する際は事前に当センターがお送りするメールマガジン、ホームページの
トピックでお知らせいたしますのでご留意ください。
RCJ ESD COORDINATOR資格認証、資格更新セミナーでの新型コロナウイルス感染予防
対策につきましては、ホームページをご参照ください。
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/oshirase/2651
▼今月のもくじ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】2022年 年頭のご挨拶
【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナーのお申込み受付中です
【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナーのお申込み受付中です
【4】ESD COORDINATOR資格認証カード発送完了のお知らせ
【5】Web請求書発行システム「BtoBプラットフォーム」ID登録情報ご確認のお願い
【6】ESD対策に関連する規格の動向(25)
【7】静電気対策Q&A(29)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】2022年 年頭のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。
昨年中は関係各位のみなさまには大変お世話になり誠にありがたく厚くお礼申し上げ
ます。
昨年はコロナ禍が沈静化することを願って年頭のご挨拶とさせていただきましたが、
新型コロナ感染状況は今だ止まぬ状況で今年こそ解消され通常の業務ができることを
切に願う次第です。
しかしながらこのコロナ禍により対応を余儀なくされたことで「デジタル化」へ踏み
出せたことも事実でした。ESDコーディネータのみなさまには多大なご負担をおかけし
てしまいましたが、事業の多くを電子化し皆様の利便性の向上を目指します。
また今年はeラーニングの新シリーズ作成や、出張教育訓練システムの開始などいくつ
かの新しいサービス業務を始動し、今後もより強い運営基盤を構築し、みなさまのお役
に立てられるよう努めてまいる所存です。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナーのお申込み受付中です
資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
「第41回 RCJ ESDコーディネータ資格認証セミナー」(特例回)は、以下の日程で
開催する予定です。
■第41回RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ──────────────
開催日時:2022年2月24日(木)、25日(金)
会場:大田区産業プラザ3階 特別会議室(https://www.pio-ota.net/)
定員:40名
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/esdc-seminar
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナーのお申込み受付中です
ESD COORDINATOR、主任ESD COORDINATOR資格は、3年ごとに更新することになって
います。資格更新セミナーは、ESD対策技術(規格改定を含め)のリフレッシュの
機会を与えることを目的としています。
今回は、資格有効期限が以下(1)~(5)の方で、資格を維持されるESDコーディネータ、
主任ESDコーディネータの方が対象です。新型コロナの影響を考慮し、有効期限が
2020年の方も対象にしています。ただし、期限切れ後の受講の場合は、期限切れ後、
更新セミナー受講前の期間は認証書が発行されません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(1)2020年6月30日
(2)2020年12月31日
(3)2021年6月30日
(4)2021年12月31日
(5)2022年6月30日
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ご自身の有効期限は、前回の更新時に発行された認証書(A4判の認証書で、資格登録
維持年会費を納入された後に毎年発行される認証カードとは異なります)をご確認
ください。
有効期限切れの前後4回の更新セミナーの受講が可能です。
2022年1月26日(水)開催の「第40回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー」
(特例開催)は、YouTube LiveでWeb同時配信いたします。受講者のみなさまに事前
にお知らせしますYouTubeの専用URLにアクセスしていただくだけで受講いただけます。
インターネット接続環境とYouTubeをご覧になれるパソコン等があれば、特別な設定
なく受講いただけます。
Webによる受講は、更新セミナーのお申込みをしていただいた方を対象とし、本来
は会場にお越しいただくことが原則ですが、コロナ感染防止等の対応によって会場
でのご受講が難しい方の救済策としてWebでの受講を可としています。Webによる受
講者もセミナー受講後、課題レポートをご提出いただくことで更新とさせていただ
きます。
RCJでは、ESDコーディネータのみなさまが、コロナ禍が原因でESDコーディネータ
資格を失うことがないよう対応してまいります。
■第40回RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー ──────────────
日時:2022年1月26日(水)
会場:大田区産業プラザ3階 特別会議室(https://www.pio-ota.net/)
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/update-seminar
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【4】ESD COORDINATOR資格認証カード発送完了のお知らせ
昨年6月に資格期間2020年7月1日~2021年6月31日のESD COORDINATOR資格認証
カードを、12月に資格期間2021年1月1日~2021年12月31日の資格認証カードを
ESDコーディネータのみなさまに発送いたしました。
お手元に認証カードが届いていない方は、登録維持年会費の納入がお済みでない方、
認証カードのご送付を不要と申告いただいた方です。カードが届いていない方で
資格維持を希望される方は、お早めに年会費の納入をお願いいたします。
近年、静電気対策管理の必要性と共に静電気対策管理を理解する有識者に対する価値
もますます高まっております。せっかく取得された資格ですので放棄してしまうこと
のないよう、ESD COORDINATOR資格の維持をご検討くださいますようお願い申し上げ
ます。
年会費を未納入で資格維持を希望されない方は、大変お手数ですがESDコーディネータ
登録情報の変更ページから、資格辞退届を必ずご提出くださいますようお願いいたし
ます。
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/esdc-page
登録情報の変更について:https://rcj.or.jp/esdc-profilechange
請求書についてのお問い合わせ:info@rcj.or.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【5】Web請求書発行システム「BtoBプラットフォーム」ID登録情報ご確認のお願い
2021年度より、これまで郵送でお送りしておりました登録維持年会費のご請求書に
代わり、インターネット上で請求情報を確認/ダウンロードできるサービスを提供さ
せていただくことにいたしました。
ESDコーディネータのみなさまには、IDのご登録にご協力くださいましてありがとう
ございました。
すでにIDをご登録いただいているみなさまの中で、ご所属、住所、メールアドレスの
ご変更がありました方は、ご自身で登録情報のご変更をお願いいたします。
IDご登録後の情報のご変更はご自身のみ可能ですので、お手数をおかけいたしますが
ご対応のほどお願い申し上げます。
BtoBプラットフォームにつきましてご不明な点がございましたら
info@rcj.or.jp までお問い合わせください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【6】ESD対策に関連する規格の動向(25)
今回の規格解説は、米国ESD協会規格ANSI/ESD STM3.1-2015 For the Protection of Electrostatic Discharge Susceptible Items Ionization です。
この規格はSTMでイオナイザの測定規格です。この規格は2015年に発刊され、この
規格と同等の内容でIEC61340 4-7 Ed.2: Electrostatics – Part 4-7: Standard test methods for specific applications – Ionization が2016年に発刊されています。
構成は少し順序が違っていますが、内容はほとんど同じでどちらもイオナイザの試験
方法とその環境について述べられています。
1項にある適用範囲はEMIや着火危険性の用品には適用しないイオナイザの試験方法と
その環境としています。2項は引用規格、3項が用語となっているのですが、接触・
非接触電位測定の2語だけしかありません。しかしこの文書最後の付属書Bに多くの
用語が詳しく解説されています。4項は安全要求事項についてで人的、電気的、
オゾン、放射線、X線、設置基準等に関する安全性について定義されています。
5項には試験装置としてCPMが詳しく記述されています。6項は試験方法についてで、
メーカとユーザは何方も同じ試験環境下で測定をすべしとしています。この項では
減衰時間やオフセット電圧、ピークオフセット電圧などが定義されていて、イオナ
イザのタイプ別の試験方法や条件が解説されています。あとは付属書ですが、付属書A
は帯電プレートの静電容量測定方法について、最後の付属書Bは用語の解説です。
この規格は、測定方法の規格なので減衰時間が何秒以内であるべしといった管理値等
の規定値などは定義されていません。
規格についてはこちらもご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-standard
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【7】静電気対策Q&A(29)
■測定についての質問 ─────────────────────
ESDSの帯電を正しく知るにはどこで測定したらよいでしょうか。(2)
=====================================
◆回答例◆
前回に引き続きESDSの帯電測定について回答します。そもそもですが、静電気の帯電
電圧を測定する測定器が何を以て電位を表示しているかを認識することが必要です。
この測定器は、帯電電荷が形成する電界による静電誘導を規定の距離で受けて距離の
要素を電界から排除し電位として表示します。このため既定の距離で測定しないと
正しい電位になりません。ただし測定器の中には表面電位計という距離変動の影響を
受けない測定器もあります。いずれにしても電気回路を直接電極で触れて測定する
テスターのような測定器と違い、電界測定という遠隔での測定のため「電界」に対す
る理解が必要です。そのため測定器が数値を表示しても、測定器にその数値を表示さ
せている状況を知って測定値を判断しなければ意味のないことになります。
例えばESDSのモールド部分にプラス、マイナス異極の電荷が混在しているとその双方
が測定器に影響し、プラスマイナスの差分しか見えないことになります。それぞれの
領域は高い電位に帯電していても測定者には分からないということになります。測定
器の測定エリアがどのくらいの広さかを知ってどの領域を測定しているのかを意識す
ることが重要です。
さて本題のどこで測ったらよいかですが、まず大事なことはどんなときの電位を知りた
いのか、にあります。当たり前のことのように思えますが、これには静電気の発生場所、
障害の発生場所および原因、そして今までにお話しした帯電電荷の置かれた状況(電界
の様子)をしっかり認識して測定場所を決めなければなりません。静電気の発生場所
イコール静電気障害の場所というわけではなく、その帯電電荷が減衰する要素を考慮し
た上で、どこでESDを発生させているのかを見極めてその直前の障害を起こす電圧を知
ることが必要です。また帯電が見つかれば対策を附すことになりますが、障害を起こす
位置に対策をした際、その効果の判断としてESDSの電位を測定しておくことが必要です。
この測定は対策効果の判断や対策の維持管理の情報として役立ちます。例えばESDSが
マウントフィルムから剥離されたときや、インサーキットテスタに基板を投入する直前、
真空チャックがESDSを離した時、またその離脱された後、どこでESDを起こしているのか、
イオナイザを設置したならば、その除電効果が障害を防ぐレベルになっているのか等、
ESDを起こさせないための測定が必要となります。
今回はここまでですが、次回も静電気測定について回答します。