RCJ通信

RCJ通信 第7号(2020年3月5日)

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏
 第7号

 より良い静電気対策管理のための
 RCJ通信
               2020.3.5 発行
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ https://www.rcj.or.jp

▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、RCJが開催するイベント情報をはじめ、
規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。

▼「新型コロナウイルス感染予防対策」について
日本電子部品信頼性センターが企画しているセミナー、イベント等は、政府の発表
と感染拡大の状況を鑑みて延期、もしくは中止することがあります。
企画を変更する際は事前に当センターがお送りするメールマガジン、ホームページ
のトピックでお知らせいたしますのでご留意ください。

▼今月のもくじ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  
【1】「第30回RCJシンポジウム」発表論文募集のお知らせ
【2】「第30回信頼性・ESDC対策技術展示会」の出展者募集
【3】次回「RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー」参加申込み受付開始のお知らせ
【4】次回「RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー」参加申込み受付開始のお知らせ
【5】4月開催「静電気対策の監査のためのセミナー」のご案内
【6】ESD対策に関連する規格の動向(3)
【7】静電気対策Q&A(7)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

【1】「第30回RCJシンポジウム」発表論文募集のお知らせ

RCJ信頼性シンポジウムは、ESD現象とESD対策、及び電子デバイス・電子部品
信頼性に特化したシンポジウムです。2020年は以下の日程で開催します。
発表論文の募集を開始しました。奮ってご投稿くださるようお願いいたします。

■第30回RCJシンポジウム ────────────────────

開催日時:2020年11月17日(火)、18日(水)
会場:大田区産業プラザ(東京、蒲田)4階コンベンションホール
定員:150名

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/symposium

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

【2】「第30回信頼性・ESD対策技術展示会」の出展社募集

信頼性・ESD対策技術展示会は、静電気の影響を受けやすい電子デバイス・部品、
電子機器などを扱う信頼性技術者、設計技術者、品質技術者の方々を対象に、
より進歩した静電気障害対策技術、静電気測定技術、故障解析技術を扱う専門の
展示会です。会場では各出展社によるワークショップが開催され、最新の技術
交流の場としてご好評をいただいております。ぜひご出展をご検討ください。

日時:2020年11月17日(火)~11月18日(水)
場所:大田区産業プラザ(東京、蒲田)2階 小展示場
   (RCJ信頼性シンポジウムと同一会場で開催)

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/exhibition

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

【3】次回「RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー」参加申込み受付開始のお知らせ

ESD COORDINATOR資格更新セミナーは、規格の改定を含めたESD対策技術のアップ
デートの機会を与えることを目的としています。受講対象者のみなさまには、
案内状をご送付いたしました。

■第33回RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー ──────────

開催日時:2020年5月12日(火)
会場:大田区産業プラザ(東京、蒲田)4階コンベンションホール
定員:150名

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/update-seminar

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

【4】次回「RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー」参加申込み受付開始のお知らせ

年2回実施される資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
お申込みを受付中です。

■第37回RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ──────────

開催日時:2020年5月13日(水)、14日(木)
会場:大田区産業プラザ(東京、蒲田)4階コンベンションホール
定員:150名

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/esdc-seminar

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

【5】4月開催「静電気対策の監査のためのセミナー」のご案内

新型コロナウイルス感染の広がりの影響で中止いたしました「静電気対策の
監査のためのセミナー」を、4月に開催することにいたしました。

■静電気対策の監査のためのセミナー ──────────────

開催日時:2020年4月14日 13:00~16:30
演題:13:00~14:30 監査の準備と手順(仮題)
   14:40~16:10 ライン認証、内部監査、二者監査の実践ガイダンス
   16:10~16:30 Q&A
受講料:3,300円(資料代として/税込)
定員:30名
会場:台東区民会館8階、第4会議室(東京都台東区花川戸2丁目6-5)

★お申込みは、こちらのメールアドレスからお願いいたします。
件名を「監査のためのセミナー申込み」として、受講者氏名、ESDコーディ
ネータ番号、会社名、ご住所を明記の上、ご送信ください。
メールアドレス:info@rcj.or.jp

★新型コロナウイルス感染拡大の状況によりセミナーを中止することがあります。
中止決定の際は、お申込みいただいた方々へメールでお知らせするとともに
ホームページに掲載いたします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

【6】ESD対策に関連する規格の動向(3)

今回からIEC 61340シリーズの各パートの概要などについて解説していきます。
IEC 61340シリーズにはPart 1から始まって2-2、2-3、と続き6-1まであります。
これらのシリーズはIS(International Standard:国際規格)、TS(Technical 
Specification:技術仕様書)、TR(Technical Report:技術報告書)といった
異なるグレードのものが混在しています。
今回はIEC/TR 61340-1(2012-06)Electrostatic phenomena-Principles and
measurements の解説です。表題の和訳は「静電気放電現象 原理と測定」です。
この規格の主旨となる第1章の適用範囲(Scorp)は、「静電気の発生や放電、
及び材料等の測定について」となっています。この規格の目的は他の静電気関
連規格を開発する際の情報提供と、エンドユーザーへの技術情報の提供です。
第2章は関連規格の列挙、第3章は24語の用語解説となっています。第4章から
詳細な解説があり、接触剥離等による静電気の発生原因、静電誘導現象、電荷
漏洩、湿度の影響、放電現象などが詳しく解説されています。第5章は静電気
問題について、第6章は問題解決や危険回避の方法が解説されています。第7章
はコピー機のような静電気力の活用についてが解説されています。最後の第8章
は静電気量や電気抵抗、電荷減衰などの測定方法が記載されています。
これらの内容からご理解いただけるように、静電気について基礎的なことが詳し
く書かれており、静電気に関わる時の基礎的な知識を得るにはとても役に立つ
技術報告書といえます。
次回はIEC/IS 61340 2-1 Edition 2.0 2015-08の解説です。

規格についてはこちらをご参照ください。:https://rcj.or.jp/esd-standard

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

【7】静電気対策Q&A(7) 

■接地についての質問 ─────────────────────────

1)RJCS-5-1の5.3.2の「幹線保安接地」は、具体的にどのような接地を指してい
るのでしょうか。
2)また、「幹線保安接地を優先的に使用した方がよい」のか、「通常は別の接地
(設備の接地と同様の接地 (D種接地)等)を使った方がいいが、幹線保安接地が
使用可能である場合は幹線保安接地を使用しても問題はない」ということなのか、
どちらなのでしょうか。

====================================

◆回答例◆
1)国内で接地の種類を表す言葉には、幹線保安接地という言葉はありません。
この言葉の由来はIEC 61340 5-1/TR2 1998に「the mains protective earth」
という表現があり、これを和訳したものになります。対応する表現としては
電力設備用接地があります。
2)「幹線保安接地」(電力設備用接地)が優先ということはありませんが、
作業工程内にはこの接地設備が各所に存在していますので、「便利」といえま
す。これに対しD種接地(接地抵抗100Ω)でも可というのはもともと静電気対
策用品は人体保護や、ESDSの保護のために抵抗を持っていて、100Ωは問題に
ならないためです。いずれにしても重要なことは接地設備が確実に接地になっ
ているかどうかを確認することです。
たとえば3P接地端子付きのタップが2Pのコンセントに接続されていて接地の
機能がなくなっていたり、壁コンセントの3P接地端子でさえ接地されていな
かったりするので接地設備として有効かどうかの確認が必要です。もう一つは
静電気対策の接地に対する重要な考えとして等電位接地があります。EPAグラウ
ンド設備の接続先(電力設備用接地など)が、どのような抵抗であってもEPA
グラウンド接地に接続される人体を含むESD管理アイテムが等電位になっている
ことが求められています。
もし電力設備用接地にESDSに問題となるようなスパイク電流や、ノイズなどの
重畳が懸念される場合は、静電気対策用に独立した接地設備を用意すべきかと
思います。