RCJ通信
RCJ通信 第71号(2025年7月3日)
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏
第71号
より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
2025.7.3発行
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.rcj.or.jp
▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、日本電子部品信頼性センター(RCJ)が
開催するイベント情報をはじめ、規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を
発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。
▼今月のもくじ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ
【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ
【3】次回エキスパート養成セミナーの受講お申込み受付中です
【4】次回 ESD COORDINATOR資格認証再試験のお申込み受付中です
【5】6月有効期限のESDコーディネータの皆様への認証カード発送時期について
【6】2025年度ESDコーディネータ資格登録維持年会費のご請求書ご確認のお願い
【7】静電気対策Q&A(71)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ
ESD COORDINATOR、主任ESD COORDINATOR資格は、3年毎に更新することになって
います。資格更新セミナーは、規格改定を含めたESD対策技術の情報の更新の機会となる
ことを目的としています。 なお、対象者には、6月16日に案内状をメールでお送りしま
した。今回は、資格有効期限が以下(1)(2)の方で、資格を維持されるESDコーディネータ、
主任ESDコーディネータの方が対象です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(1)2025年6月30日
(2)2025年12月31日
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ご自身の有効期限は、前回の更新時(もしくは認証セミナー合格時)に発行された認証書
(A4判の認証書で、資格登録維持年会費を納入後に毎年発行される認証カードとは異なり
ます)をご確認ください。有効期限切れの前後4回の更新セミナーの受講が可能です。
◆資格を維持されない場合は、必ず辞退届のご提出をお願いいたします。辞退届のご提出
をもちまして正式な資格失効といたします。
「第52回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー」は、YouTube LiveでWeb同時配信
いたします。受講者のみなさまに事前にお知らせしますYouTubeの専用URLにアクセスして
いただくだけで受講いただけます。インターネット接続環境とYouTubeをご覧になれるパソ
コン等があれば、特別な設定は必要ありません。開催日時および会場は以下の通りです。
■第52回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー ──────────────
日時:2025年9月10日(水) 10:00~17:00
会場:大田区産業プラザ 3階特別会議室(東京都大田区南蒲田1-20-20)
及びYouTube Live配信によるWeb受講
申込み締切日:2025年9月3日(水)
詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/update-seminar
有効期限のお問合せ:info@rcj.or.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ
資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
「第47回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー」は、以下の日程で開催する
予定です。お申込み受付開始は7月上旬を予定しております。
■第48回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ──────────────
開催日時:2025年10月15日(水)、16日(木)
会場:大田区産業プラザ 4階コンベンションホール(東京都大田区南蒲田1-20-20)
定員:100名
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【3】次回エキスパート養成セミナーの受講お申込み受付中です
エキスパート養成セミナーは、なかなか実感できない静電気の特性や挙動を実験を交え
て解説する2日間のセミナーです。
実際に静電気帯電測定や表面抵抗測定など実機を使って測定していただき、測定の問題
点などを実感していただきます。工程の静電気対策に従事される方に必要とされる静電
気特性、測定技術、対策方法、管理技術などを養っていただくことを目的としています。
講師が一方的に話を進める講習ではなく、受講者と講師が話し合いながら講習を進めて
いきます。皆様のご参加をお待ちしております。
■エキスパート養成セミナー ──────────────
開催日:2025年8月27日(水)、28日(木)
会 場:日本電子部品信頼性センター 会議室
定 員:8名(定員に満たなくても開催いたします)
詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/expert-seminar
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【4】次回 ESD COORDINATOR資格認証再試験のお申込み受付中です
次回の再試験は2025年8月1日(金)に実施します。ESD COORDINATOR 資格認証
セミナーを受講した方は、受講後2年間、受験資格があります。
■RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験 ──────────────────
実施日:2025年8月1日(金) 14:00~16:00
受験資格:RCJ ESD COORDINATOR 資格認証セミナーの既受講者
(受講後2年間有効)
場 所:(一財)日本電子部品信頼性センター 会議室
定 員:6名
申込締切:2025年7月28日(月)
詳細・お申し込みはこちら:https://rcj.or.jp/esdc-reexamination
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【5】6月有効期限のESDコーディネータの皆様への認証カード発送時期について
認証カード発送は、郵便局差し出しが7月7日の予定です。
お手元に届くのが、有効期限(6月30日)より少し遅れますこと、ご容赦くださる
ようお願いします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【6】2025年度ESDコーディネータ資格登録維持年会費のご請求書ご確認のお願い
2025年度分のESDコーディネータ資格登録維持年会費(年会費)のご請求書を4月21日に
発行いたしました。たびたびのお願いではございますが、BtoBプラットフォーム請求書
のIDをご登録いただいた方は、ログインいただき、ダウンロードをお願いいたします。
社名変更によるお宛名の変更、支払い期限を変更し再発行を希望される場合などは、
BtoBプラットフォーム請求書より請求書の差戻しをお願いいたします。
IDが未登録の方のご請求書は、圧着はがきで会社名をお宛名にして発送済みでございます。
◆資格を更新されない場合は、必ず辞退届のご提出をお願いいたします。
BtoBプラットフォームにつきましてご不明な点がございましたら
info@rcj.or.jp までお問い合わせください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【7】静電気対策Q&A(71)
■イオナイザの選択についての質問─────────────────────
静電気対策が必要な製品を製造することになりイオナイザを導入しようと考えている
のですが、種類が多くどれを選んだらよいのか分かりません。
何を基準に選べば良いのか教えてください。
=====================================
◆回答例◆
イオナイザは多種多様でそれぞれに特徴があるので大局的な傾向としてご説明します。
まずイオナイザは自体からイオンを発生させるものと、帯電した静電気力によって
イオンを発生させるものに分けられます。自体からイオンを発生させるイオナイザ
には電極に高電圧を加える電圧印加式と放電電極を持たない、光の力によって空間を
イオン化させる光電離型の軟X線イオナイザや紫外線イオナイザがあります。
電圧印加式にはACとDCタイプがあり、ACタイプとは商用電力の50/60Hzの周波数
でイオンを生成するもの、より高い周波数による高周波イオナイザがあります。
DCタイプには定常型DCタイプ、パルスDCタイプがあります。またこれらの区分け
とは別に送風型、バー型、ノズル型といった使用目的別による選択肢があります。
ACタイプは放電電極と接地電極が近いことから周囲に輻射する電界が弱くイオナイ
ザ近傍の物体への影響が小さい特性があります。また電極に高電圧を交互に印加する
ことから1つの電極の近傍には正負双方のイオンが存在することになり空間的な極性
の偏りが少ない特性を持ちます。逆に生成した正負のイオンが互いに近くに存在する
のでDCタイプに比べ自己消滅するイオンが多くなります。
これに対しDCタイプ、特にバータイプ等は電極からの電界輻射が強いので近傍の物体
に電界の影響を与える可能性があり対象物とは少し距離を離す必要があります。
また正負の電極で生成されたそれぞれ正負のイオン塊が時間的、空間的に帯電の原因
になることもあるので注意してください。正負のイオンがお互いが離れているので
自己消滅しにくく遠方への除電に優位性があります。DCタイプでも送風型のような
金属筐体で囲われたイオナイザは筐体で電界が遮蔽されているので周囲への影響はあり
ません。また送風型であれば生成されたイオンはファンで攪拌されていて極性が偏った
空間が発生する問題はありません。
大雑把な分け方ですが、コンベアラインなど製品に近いところに使用するイオナイザ
はACやDCの送風タイプ、クリーンルーム等気流が遅く除電対象から離れたところの
除電ではパルスDC等が向いているといえます。
印刷やフィルム製造等対象物の表面近くに設置できる場合はACのバータイプが効果
的です。ACの中でも高周波ACタイプは少し変わった特性を持っていて、生成した
イオンをチューブやパイプで離れたところへ搬送しても効果が得られます。商用周波数
のACタイプではできない特性です。
塵埃除去を兼ねての静電気除去ではノズルタイプやエアガンタイプ等が向いています。
ガラス基板の剥離時など狭い隙間の除電には光が隙間の奥まで一瞬に届くことから
光電離による軟X線タイプが有効です。しかし軟X線は人に当たってはいけないので
人と一緒に使用することができず、装置の中など軟X線が漏れ出ない環境内で使用する
ことが要求されます。光によるイオン生成には紫外線タイプもあり中真空程度の環境
の除電に使用されています。減圧空間では電圧印加式のイオナイザが使えないので
紫外線式のイオナイザは中真空の真空チャンバー内などの除電に有効です。
最後に自己放電型ですが、これは電源などを持たず静電気帯電電圧を利用して放電
現象を起こさせイオンを生成するイオナイザです。静電気の電圧が効果を左右します
ので帯電電圧が低いと効果がありません。また自己放電型は接地されている必要があり、
かつ帯電物と電極の距離が近くないと電極先端で放電現象が起きないのでイオンが生成
されません。このイオナイザも移動するシート状の帯電物等に向いています。
いずれのイオナイザにおいてもイオンによる静電気中和はイオナイザの能力はもとより
帯電物がイオンを効果的に引き寄せる環境設定が重要であることを忘れないでください。