RCJ通信
RCJ通信 第79号(2026年3月5日)
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第79号
より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
2026.3.5発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、日本電子部品信頼性センター(RCJ)が
開催するイベント情報をはじめ、規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を
発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。
▼今月のもくじ
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【1】RCJS-5-1:2025(第4版)とRCJS-TS-5-4:2025(第1版)の発刊にあたって
【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナーのお申込み受付を開始いたしました
【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナーのお申込み受付を開始いたしました
【4】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験のご案内
【5】次回エキスパート養成セミナーのお申込み受付を開始いたしました
【6】「ESD管理システムの監査方法解説セミナー」のお申込み受付中です
【7】「静電気に敏感な電子部品類の為の静電気管理技術」新版発行のお知らせ
【8】静電気対策Q&A(78)
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【1】RCJS-5-1:2025(第4版)とRCJS-TS-5-4:2025(第1版)の発刊にあたって
RCJS-5-1第3版は、IEC 61340-5-1 ed.2(2016)の発行に追従し、2016年に発行しま
した。その後、IEC 61340-5-1の改訂版のed.3が、2024年5月に発行されました。その
改訂を受け、RCJS-5-1第4版(2025)を発行しました。また、IEC 61340-5-1 ed.3では、
EPA構築後に実施する適合性確認(EPA構築時の性能が維持されているかの点検)方法
として、IEC 61340-TS-5-4 が制定され、IEC 61340-5-1 ed.3で適合性確認方法として
引用されていました。そこで、RCJS-TS-5-4(第1版)も同時に発行しました。
◆RCJS-5-1第4版(2025)の改訂概要
第4版の発行にあたっては、IEC 61340-5-1ed.3(2024)との互換性を持たせるように
しました。ただし、日本特有の接地環境を考慮した接地システムの採用と、RCJS-5-1
によりESD管理の全体像を把握できるようにするという方針を踏襲しています。すなわ
ち、附属書として、IEC 61340-5-1 ed.3には含まれていないESD管理用アイテムの試験
方法を追加しました。この附属書では、ESD管理用アイテムの試験方法として、それぞ
れの試験規格の最新版を採用しています。
◆RCJS-TS-5-4第1版(2025)の概要
EPA構築後の維持/管理のための試験方法を規定しているRCJS-TS-5-4(第1版)を発行し
ました。RCJS-TS-5-4の源規格は、IEC 61340-TS-5-4(Protection of electronic devices
from electrostatic phenomena – Compliance verification)であり、題名がCompliance
verificationとなっています。この意味合いは、RCJS-5-1の要求事項に従って構築した
ESD管理プログラムの有効性が維持されているかを確認・検証するための試験方法と考え、
日本語では、適合性確認と邦訳しました。
RCJS-5-1第4版(2025)で規定している初回の製品認定のための試験方法(表1に左側
の欄)は、IEC 61340-2と-4のシリーズを採用しています。一方、本RCJS-TS-5-4に規定
されている適合性確認のための試験方法は、IEC 61340-2と-4のシリーズを引用してい
ますが、相違点もあり、記述されている図面類も相違しています。IEC 61340-TS-5-4は、
米国ESDAのESD TR-53(Compliance Verification of ESD Control Items)を参照してい
るためです。疑問が生じた場合は、源規格のIEC 61340-2と-4のシリーズを推奨します。
詳細はこちらをご参照ください。:https://rcj.or.jp/standard-rcjs
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【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナーのお申込み受付を開始いたしました
資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
「第50回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー」は、以下の日程で開催いたします。
■第50回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ──────────────
開催日時:2026年5月14日(木)、15日(金)
会場:大田区産業プラザ 4階コンベンションホール(東京都大田区南蒲田1-20-20)
定員:150名
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/esdc-seminar
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【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナーのお申込み受付を開始いたしました
次回の資格更新セミナーは、資格有効期限が以下(1)(2)(3)の方で、資格を維持される
ESDコーディネータ、主任ESDコーディネータの方が対象です。
なお、第54回更新セミナーの受講対象者には、3月4日に案内状をメールでお送りして
おります。
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(1)2025年12月31日
(2)2026年6月30日
(3)2026年12月31日
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ご自身の有効期限は、前回の更新時に発行された認証書(A4判の認証書で、資格登録
維持年会費を納入された後に毎年発行される認証カードとは異なります)をご確認くだ
さい。有効期限切れの前後4回の更新セミナーの受講が可能です。
◆資格を維持されない場合は、必ず辞退届のご提出をお願いいたします。辞退届の
ご提出をもちまして正式な資格失効といたします。
「第54回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー」は、YouTube LiveでWeb同時配信
いたします。受講者のみなさまに事前にお知らせしますYouTubeの専用URLにアクセス
していただくだけで受講いただけます。インターネット接続環境とYouTubeをご覧に
なれるパソコン等があれば、特別な設定なく受講いただけます。
開催日時および会場は以下の通りです。
■第54回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー ──────────────
日時:2026年5月13日(水) 10:00~16:30
会場:大田区産業プラザ 4階コンベンションホール(東京都大田区南蒲田1-20-20)
及びYouTube Live配信によるWeb受講
申込み締切日:2026年5月7日(木)
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/update-seminar
有効期限のお問合せ:info@rcj.or.jp
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【4】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験のご案内
RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験は、年に4回(2月、4月、8月、10月)
実施しております。次回は2026年4月3日(金)に実施します。
■RCJ ESD COORDINATOR資格認証再試験 ──────────────────
実施日:2026年4月3日(金): 14:00~16:00
受験資格:RCJ ESD COORDINATOR 資格認証セミナーの既受講者
(受講後2年間有効)
場 所:(一財)日本電子部品信頼性センター 会議室
定 員:各日6名
申込締切:2026年3月27日(金)
詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/esdc-reexamination
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【5】次回エキスパート養成セミナーのお申込み受付を開始いたしました
エキスパート養成セミナーは、なかなか実感できない静電気の特性や挙動を実験を交えて
解説するセミナーです。実際に静電気帯電測定や表面抵抗測定など実機を使って測定して
いただき、測定の問題点などを実感していただきます。工程の静電気対策に従事される方
に必要とされる静電気特性、測定技術、対策方法、管理技術などを養っていただくことを
目的としています。講師が一方的に話を進める講習ではなく、受講者と講師が話し合いな
がら講習を進めていきます。皆様のご参加をお待ちしております。
■エキスパート養成セミナー ──────────────
開催日:2026年6月11日(木),12日(金)
会 場:日本電子部品信頼性センター 会議室
定 員:8名(定員に満たなくても開催いたします)
詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/expert-seminar
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【6】「ESD管理システムの監査方法解説セミナー」のお申込み受付中です
このセミナーではESD管理プロセス認証を受けるにあたりどんな体制を作っておいたら
いいのか、どのような準備が必要かなど、認証は取りたいが何をすれば良いか分からないと
いった方向けに受審のための説明と、内部監査や二社間監査の手法など実務に関する解説を
いたします。ESD監査に関するお悩みをお持ちの方にお役に立つセミナーとなっております。
皆様のご参加をお待ちしております。
■ESD管理システムの監査方法解説セミナー ──────────────────
開催予定日:2026年4月21日(火) 13:00~16:30
会場:台東区民会館 8階 第4会議室(東京都台東区花川戸2丁目6−5)
費用:9,900円(税込)
定員:30名
セミナーのお申込みはこちらから:https://rcj.or.jp/esd-controlsystem-seminar
ESD管理システム認証、ESDプロセス認証については以下のページをご参照ください。
お問い合わせ先:info@rcj.or.jp
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【7】「静電気に敏感な電子部品類の為の静電気管理技術」新版発行のお知らせ
本書は、現在国内で使用されている静電気管理標準の最新版である
RCJS-5-1(第4版)(2025)「静電気現象からの電子デバイスの保護-一般要求事項」、
RCJS-TR-5-2(第2版)(2017)「静電気現象からの電子デバイスの保護-指針」、および
最新版RCJS-TS-5-4(第1版)(2025)「静電気現象からの電子デバイスの保護-適合性確認」
を基に、それらの内容を解説するとともに、静電気管理技術全般を包括的に解説したもの
です。また、現在用いられている他の規格のIEC 61340-5-1:2024、ANSI/ESD S20.20:2021
との比較も行い一覧表にしてその差異を表示しています。ESDコーディネータはもちろん、
静電気管理分野で活躍されている技術者にも大いに参考になる解説書です。
本書は、前書『静電気管理技術の基礎』を全面改定し、新版として発行するものです。
詳細はこちらをご参照ください。:https://rcj.or.jp/esdc_doc
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【8】静電気対策Q&A(78)
■台車の使用についての質問 ──────────────
当社ではEPA外を通過するEPA間のESDS搬送に台車を使用しております。台車はESD
管理用アイテムの要求事項を満たしておりますが、EPAから搬送する際ESDS(大きな
基板状)が大きいためシールドバッグに入れるといった包装規定を満たすことができま
せん。既存の台車を使用した良い搬送方法はないでしょうか。
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◆回答例◆
規格ではEPA内の一次包装、近接包装は静電気拡散性、低帯電性の包装資材による包装で
よいのですが、EPA外に出す際はシールド性の包装資材が要求されています。このため台車
の上に基板を置いただけでEPA外に基板を持ち出すことは規定から外れることになります。
しかし大きな基板、ユニットなどを包装するシールドバッグがない、もしくは近隣の別EPA
までいちいちバッグに入れての搬出は業務に支障をきたすといった場合はシールドバッグ
ではない方法でシールド性を確保した搬出が必要になります。そこで以下の項目で対応方
法を考察したいと思います。
1.EPA外にESDSを持ち出す際はESDシールドもしくはそれに匹敵する機能の包装材で包装
する(例えばアルミトランクなど)
2.金属球体内には電界は存在しない
3.EPA内接地システムの基本理念は等電位接地
この3点から、まず台車の構造を金属壁(もしくは同等機能)で囲うことでシールド機能
を確保することができると思います。つまり底面、側壁、天板を開放とせず金属製密閉箱
にキャスターがついているような構造にすることで2に記載した導体球内には電界が存在
しないという構造にすることができます。この金属壁間に隙間や抵抗成分があると内部に
電界や電位差が存在することになります。隙間がどれくらいになるかによりますが、これ
でほぼシールド状態になるかと思います。そしてこの筐体の内面を静電気拡散性材料など
で覆うことでシールドバッグに似た構造にすることができます。次にこの構造の機能です
が金属壁に囲まれた中には電界が存在しませんので台車自体が帯電しても内部は常に電位
差が生じないことになります。加えて金属壁に囲われた台車内部に配置された基板ラック
等の各アイテムにも電位差が発生しないのでESDSに電位が加わることがありません。
この機能を成立させるには台車の支柱、底面、側壁、天板の電気的接続がきちんととれて
いることと、なるべく電磁波が入り込まないような隙間の無い構造にすることが重要にな
ります。またそれぞれの導体壁間に少しの抵抗成分が存在すると、金属間同士の接触放電
のような急峻な放電を起こした場合に電位差が発生する可能性があります。搬送してきた
台車を接地する際、金属の台車に金属の接地端子を直接接続するような方法を避け導電性
のキャスターが導電性の床に接触するなど高抵抗成分を介した比較的緩やかな接地方法を
とるとよいと思います。
本来は規格の定義しているアイテムそのものを使用することが良いのですが、そのアイテ
ムの使用が困難な場合、対策をあきらめてしまうのではなく規格が要求する意味をよく捉
え、同じような機能を持つ方法を考えきちんと管理規定に盛り込んで維持していくことが
重要です。
