RCJ通信

RCJ通信 第69号(2025年5月1日)

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 第69号

より良い静電気対策管理のための
RCJ通信
                 2025.5.1発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、日本電子部品信頼性センター(RCJ)が
開催するイベント情報をはじめ、規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を
発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。

▼今月のもくじ
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【1】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー受講お申込み最終受付中です
【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー受講お申込み最終受付中です
【3】次回静電気対策従事者向けエキスパートセミナーの受講お申込み受付中です
【4】RCJ 主任ESD COORDINATOR資格認証実施要領のご案内
【5】ESD COORDINATOR 資格の有効期限、維持及び更新についてのご案内
【6】2025年度ESDコーディネータ資格登録維持年会費のご請求書ダウンロードのお願い
【7】静電気対策Q&A(69)
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【1】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー受講お申込み最終受付中です

資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
「第48回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー」は、以下の日程で開催いたします。
お申込み受付中です。下記のページよりお申込みをお願いいたします。
  
■第48回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ──────────────

開催日時:2025年5月15日(木)、16日(金)
会場:大田区産業プラザ 4階コンベンションホール(東京都大田区南蒲田1-20-20)
定員:150名

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/esdc-seminar

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【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー受講お申込み最終受付中です

ESD COORDINATOR、主任ESD COORDINATOR資格は、3年ごとに更新することに
なっています。資格更新セミナーは、ESD対策技術(規格改定を含め)のリフレッシュ
の機会を与えることを目的としています。 今回は、資格有効期限が以下(1)~(3)の方で、
資格を維持されるESDコーディネータ、主任ESDコーディネータの方が対象です。

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(1)2024年12月31日
(2)2025年6月30日
(3)2025年12月31日
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「第51回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー」は、YouTube LiveでWeb同時
配信いたします。受講者のみなさまに事前にお知らせしますYouTubeの専用URLに
アクセスしていただくだけで受講いただけます。インターネット接続環境とYouTube
をご覧になれるパソコン等があれば、特別な設定なく受講いただけます。開催日時
および会場は以下の通りです。

■第51回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー ──────────────
日時:2025年5月14日(水) 10:00~16:30
会場:大田区産業プラザ 4階コンベンションホール(東京都大田区南蒲田1-20-20)
    及びYouTube Live配信によるWeb受講
申込み締切日:2025年5月7日(水)

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/update-seminar
有効期限のお問合せ:info@rcj.or.jp

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【3】次回静電気対策従事者向けエキスパートセミナーの受講お申込み受付中です

エキスパートセミナーは、なかなか実感できない静電気の特性や挙動を実験を交えて
解説するセミナーです。実際に静電気帯電測定や表面抵抗測定など実機を使って測定
していただき、測定の問題点などを実感していただきます。工程の静電気対策に従事
される方に必要とされる静電気特性、測定技術、対策方法、管理技術などを養ってい
ただくことを目的としています。講師が一方的に話を進める講習ではなく、受講者と
講師が話し合いながら講習を進めていきます。

■静電気対策従事者向けエキスパートセミナー ──────────────

開催日:2025年5月29日(木)、30日(金)
会 場:日本電子部品信頼性センター 会議室
定 員:8名(定員に満たなくても開催いたします)

詳細・お申込みはこちら:https://rcj.or.jp/expert-seminar

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【4】RCJ 主任ESD COORDINATOR資格認証実施要領のご案内

エレクトロニクス産業のあらゆる分野で、静電気管理の重要性が増しており、より
専門性と知識を有する静電気技術者の育成、社内の地位確立・向上が要請されていま
す。主任ESD COORDINATORは、ESD COORDINATORの一ランク上の資格であり、
静電気管理の国際規格であるIEC61340シリーズ規格に基づく研修と試験により、認証
されます。主任ESD COORDINATOR資格認証基準は以下の通りです。
(1) ESD COORDINATOR登録者で、その後2年以上の実務経験があること。
(2) 年1回行われるRCJ主催の主任ESD COORDINATORのためのセミナーを受講すること。
セミナー内容は、RCJS-5-1が引用しているIEC 61340シリーズ規格(静電荷拡散性能
試験方法、帯電性試験方法、抵抗測定方法、履物の静電気特性試験方法、デバイスの
ESD試験方法(HBM、MM、CDM)、静電気監査方法など)の解説と実演です。
(3) 上記セミナーと同時に行う試験、または再試験(適宜開催)に合格すること。
主任ESD COORDINATORを取得するには、セミナーと試験を受講する必要があります。
2日間の研修・セミナーを行い、2日目の最後に認証試験を行います。セミナーと
試験は年1回(11月)を予定します。今年の開催日は、11月13日(木)、14日(金)
(会場:日本電子部品信頼性センター 会議室)です。
上記の資格認証基準を満たすESDコーディネータのみなさまに、資格取得をお勧めします。

詳細はこちら:https://rcj.or.jp/esdc-director

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【5】ESD COORDINATOR 資格の有効期限、維持及び更新についてのご案内

本資格の有効期限、維持及び更新につきましてご案内いたします。
◆有効期限と更新セミナー受講について
ESD COORDINATOR資格の有効期限は初回登録日から3年とします。この有効期限
は、合格後に発行される登録証(A4判の紙)に記載されています。資格維持のため
には、資格登録維持年会費(年会費)の納入と、更新セミナーの受講とレポート提出
が必須です。3年ごとの更新セミナーの受講は、IEC 61340シリーズ規格の改定に伴う
研修や知識のリフレッシュの機会が必要と考えるためです。
更新セミナーの受講に際しては、有効期限の半年前から半年後、1年間の受講期間
があり、その間のどのセミナーを受けることも可能ですが、資格有効期限は資格を
取得した年から始まる3年の周期が繰り返されます。

◆資格登録維持年会費(年会費)と認証カードについて
年会費のご請求書は、毎年4月中旬に、BtoBプラットフォーム請求書から発行して
おります。資格が不要になった方は、直ちに資格辞退届のご提出をお願いいたします。
資格辞退届のご提出をもちまして正式な資格失効といたします。
また、1年ごとに認証カード(プラスチックのカード)を発行します。認証カードの
有効期限は1年間(資格取得月~翌年の前月、すなわち、5月の認証セミナーを受講
し合格した方:7月1日~翌年6月30日、11月の認証セミナーを受講し合格した方:
1月1日~12月31日)とします。

詳細はこちらをご参照ください:https://rcj.or.jp/esdc-page

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【6】2025年度ESDコーディネータ資格登録維持年会費のご請求書ダウンロードのお願い

2025年度分のESDコーディネータ資格登録維持年会費(年会費)のご請求書を4月21日に
発行いたしました。BtoBプラットフォーム請求書のIDをご登録いただいた方は、ログイン
いただき、ダウンロードをお願いいたします。
なお、有効期限切れ後1年以内の方にも、請求書を発行しています。ご面倒でも、資格を
辞退する方は、その旨ご連絡いただきますようお願いいたします。
この年会費は、資格保有者が多人数となりましたESD COORDINATOR資格認証制度を
運営していくための重要な資金です。みなさまからいただきました年会費は、認証カード
の発行、セミナー事務局の運営維持、ESDコーディネータの意見交換の場の充実等に充て
ております。認証カードの1年ごとの発行は、「人事異動が激しく業務変更も頻繁に
起こるので毎年発行してほしい」というESDコーディネータのみなさまのご要望に
お応えしたものです。ご理解とご協力をお願い申し上げます。

BtoBプラットフォームにつきましてご不明な点がございましたら
info@rcj.or.jp までお問い合わせください。

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【7】静電気対策Q&A(69)

■IEC 61340 5-1についての質問─────────────────────

ESDSを加工する装置を製造している企業ですが、客先からIEC 61340 5-1に適応した
装置を納めてほしいといわれています。何をしたらよいでしょうか。

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◆回答例◆

IEC 61340 5-1には製造装置を対象としたESD管理要求事項がありません。このため一
番重要なことは客先が装置にどのような対応を要求しているのかを確認し、客先と合意
を図ることになります。しかし客先も具体的な考えがなく「対応している」ということ
だけを求めていることが多いのも実情です。ここではこうすればよいという正解の回答
を提示することはできませんが、ESDS取扱い時に規格の要求する事項と「装置」と
いう環境を照らし合わせた考察をご説明いたします。まず規格の要求事項には、
1.ESDSは5kV/以上の電界を受けてはいけない、もしくは2000Vの帯電物からは30cm
以上、125Vの場合は2.5cm以上離す。絶縁物は原則持込まない、しかしプロセスに必要
な絶縁物は帯電しないようにイオナイザ等を使用し、イオナイザはオフセット電圧が
±35V以内のものを使用する
2.導体は接地が原則
3.ESDSと触れる接地できない導体は±35V以内
とあります。このことから装置内の絶縁物は排除し、接地していない導体は接地を取り、
接地できない導体が存在する場合はイオナイザを使用することになります。装置内の
可動部に付いている絶縁体などが接触剥離によって帯電している場合、見逃すと帯電物
がESDSの近傍を行き来し、装置停止時に格納されて見えなくなってしまうことがあり
ます。動作の中で問題を起こす状況がないか確認が必要です。また装置内に搭載する
センサーやケーブルガイドなどESDSに近接する部品はそれ自体が帯電しないように
導電性のものを使用し、接地することも必要となります。
装置上で作業者がESDSを取扱う場合、作業者を接地するEBPの用意やESDSを置く作業
表面があれば規格が要求する作業表面の基準を満たすことが必要です。ある意味局所
的なEPAととらえておくとよいと思います。最後に装置の管理基準などはマニュアル等
で明記されるのですが装置内に取付けられたイオナイザの位置やメンテナンスの基準
などもマニュアルに明記し、確実にメンテナンスされるよう指導が必要です。製造ライ
ンに存在する装置内に取付けられたイオナイザなどが全くメンテナンスされないまま
何年もほったらかしになっていることをよく見受けます。せっかく装置内の静電気対策
のためにコストをかけてイオナイザを導入してもほったらかしにされては苦労も水の
泡ということになりかねません。この装置がESDSに対してどうIEC61340の規格に対
して対策したかを明記してアピールすることもよいと思います。
装置内でESDSを静電気で傷める要素がないか注意して対策方法を検討してください。