RCJ通信

RCJ通信 第15号(2020年11月5日)

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 第15号

 より良い静電気対策管理のための
 RCJ通信
               2020.11.5 発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、RCJが開催するイベント情報をはじめ、
規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。

▼「新型コロナウイルス感染予防対策」について
日本電子部品信頼性センターが企画しているセミナー、イベント等は、政府の発表
と感染拡大の状況を鑑みて延期、もしくは中止することがあります。
企画を変更する際は事前に当センターがお送りするメールマガジン、ホームページ
のトピックでお知らせいたしますのでご留意ください。
ESD COORDINATOR資格認証、資格更新セミナーでの新型コロナウイルス感染予防対策
につきましては、ホームページをご参照ください。

詳細はこちら:https://rcj.or.jp/oshirase/2651

▼今月のもくじ
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【1】「第30回RCJ信頼性シンポジウム」参加者募集の最終ご案内
【2】「第30回信頼性・ESD対策技術展示会」の最終ご案内
【3】次回 RCJ ESD COODINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ
【4】「第2回ESDコーディネータ大会」のご案内
【5】ESD対策に関連する規格の動向(11)
【6】静電気対策Q&A(15)
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【1】「第30回RCJ信頼性シンポジウム」参加者募集の最終ご案内

RCJ信頼性シンポジウムは、電子部品、電子デバイス、電子機器等の設計・開発
技術者、信頼性技術者、生産技術者を対象に、信頼性およびESDという共通のテーマ
で論文発表・討論し合い、より進歩した信頼性向上技術、ESD障害対策技術等の
分野での発展に寄与することを狙いとしています。
30回目の今年は、コロナ禍の中、会場にお越しいただくことが難しい方も多く
いらっしゃることと思います。そこで全シンポジウムの録画をDVDでご提供する
ことを予定しております。

■第30回RCJ信頼性シンポジウム ──────────────────

開催日時:2020年11月17日(火)~11月18日(水)
場所:大田区産業プラザ(東京、蒲田)4階 コンベンションホール
お申し込み・詳細はこちら:https://rcj.or.jp/symposium

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【2】「第30回信頼性・ESD対策技術展示会」の最終ご案内

信頼性・ESD対策技術展示会は、静電気の影響を受けやすい電子デバイス・部品、
電子機器などを扱う信頼性技術者、設計技術者、品質技術者の方々を対象に、
より進歩した静電気障害対策技術、静電気測定技術、故障解析技術を扱う専門の
展示会です。ご来場時に入場登録のみで展示会、ワークショップとも参加は自由
です。

■第30回信頼性・ESD対策技術展示会 ─────────

開催日時:2020年11月17日(火)~11月18日(水)
会場:大田区産業プラザ(東京、蒲田)2階 小展示場
   (RCJ信頼性シンポジウムと同一会場で開催)
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/exhibition

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【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ

ESD COORDINATOR、主任ESD COORDINATOR資格は、3年ごとに更新することに
なっています。更新セミナーは、ESD対策技術情報 (規格改定を含め)の
リフレッシュの機会を得ていただくことを目的としています。
今年は新型コロナウイルス感染防止対応のため、定員の設定を少なくせざるを
得ず、ESDコーディネータのみなさまの受講のご要望にお応えすることが難しい
状況となっております。対応策として、2021年2月に第36回ESDコーディネー
タ資格更新セミナーを開催いたします。
セミナーの受講が難しい状況の中、2020年に資格有効期限を迎えられる方であっ
ても、2021年中に更新セミナーを受講いただけましたら資格維持とさせていただ
く特別処置を取っております。

■第36回RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー ──────────

開催日時:2021年2月4日(木)
会場:大田区産業プラザ(東京、蒲田)4階コンベンションホール
詳細はこちら:https://rcj.or.jp/update-seminar

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【4】「第2回ESDコーディネータ大会」のご案内

ESDコーディネータ大会は、ESDコーディネータの方々の意見、情報を交換できる
場所としての開催を想定しておりますが、今年は新型コロナウイルス感染予防の
ために静電気セミナーをWeb上で開催させていただくことといたしました。
講演内容は、「自動車産業における電気/電子システムの機能安全規格についての
セミナー」と、「最近、静電気関連で多く寄せられる質問のQ&A報告会」を予定し
ております。
日程が決まり次第、改めてRCJ通信とホームページでご案内させていただきます。

■第2回ESDコーディネータ大会 ──────────────────

開催日時:2021年1月または2月(2020年12月の予定を変更いたしました)
参加費:5,500円(税込)

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【5】ESD対策に関連する規格の動向(11)

今回は、IEC61340 4-4 Standard test methods for specific applications-Electrostatic
classification of flexible intermediate bulk containers (FIBC)
(JIS2009版邦題 C61340第4-4部:特定応用のための標準的試験方法-フレキシブル
コンテナの静電気的分類)の解説です。
この61340 4-4は、その名の通り他のシリーズと少し性格が異なり電子機器の静電気
対策関係ではなく、材料の搬送などを目的としたコンテナ(大きな袋など)等の静電
気対策について規定しています。
爆発性環境内でコンテナを使って材料を搬送する際に、コンテナから大きな放電を
起こして着火事故を起こさないようにするための袋に対する規格です。このため、
電子機器の世界ではあまり聞きなれない最小着火エネルギーや爆発性環境などの言葉
が使われています。
第1項の適用範囲は、特定の着火危険雰囲気中で使用されるコンテナとなっています。
第2項は引用規格、第3項は用語と定義です。用語には消炎や爆発性雰囲気、コーン
放電など、聞き慣れない言葉が並んでいます。第4項は表示について定義されていて
この製品がどのようなものかや使用上の注意事項等の表示を定義しています。
第5項はガスや粉塵などを対象としたそれぞれの雰囲気で使用されるコンテナに対
する要求事項を定義しています。第6項では前処理や試験準備について、第7項では
試験方法や試験装置について、図による説明と共に詳しく解説されています。第7項
以降は付属書として、付属書A「電気絶縁破壊電圧」、付属書B「着火試験に用いる
ポリプロピレンペレット(試験用資材)について」、付属書C「異なる試験所での
試験結果の違いについて」などが解説されています。最後はこの規格についての解説
です。電子部品の工場でも、前工程やアッセンブリー工程などで特殊な着火性液体を
使用したり、絶縁塗装で有機溶剤を使用したりと着火危険性雰囲気内での作業が存在
するので、着火危険に関する知識の一つとして一読の価値はあると思います。
次回はIEC61340 4-5 Electrostatics - Part 4-5: Standard test methods for specific
applications -Methods for characterizing the electrostatic protection of footwear and
flooring in combination with a person 人体-履物-床システムの評価方法について
解説します。

規格についてはこちらもご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-standard

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【6】静電気対策Q&A(15) 

■リストストラップについての質問 ───────────────────

床・履物システムで、人体を接地していてもリストストラップの着用は必須で
しょうか。

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◆回答例◆

必須ではありません。ただし、床・履物による人体の接地は、立ち作業のように
絶えず人体が履物に荷重するような環境でないといけません。着席作業などですと、
床と履物を押し付ける圧力が減ってしまって抵抗値が上がったり、足を足掛けに置
いてしまったりしては確実な接地抵抗を確保することができなくなります。
床・履物システムで人体が接地から離れないように作業環境をしっかり整えること
が重要です。リストストラップによる接地も床・履物による人体接地も目的は同じ
ですので、どちらかで人体帯電を防ぐことができますが、どちらの方法も接地から
離れてしまう可能性はありますので、このリスクを回避する意味として両方対策
することは有効です。最近、床の上限規定値が1桁高くなりましたが、その代わり
にこの規格が定義するHBM100Vを超えないように人体帯電電位の測定が要求事項に
加わりましたので注意してください。