RCJ通信

RCJ通信 第12号(2020年8月6日)

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 第12号

 より良い静電気対策管理のための
 RCJ通信
               2020.8.6 発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、RCJが開催するイベント情報をはじめ、
規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。

▼「新型コロナウイルス感染予防対策」について
日本電子部品信頼性センターが企画しているセミナー、イベント等は、政府の発表
と感染拡大の状況を鑑みて延期、もしくは中止することがあります。
企画を変更する際は事前に当センターがお送りするメールマガジン、ホームページ
のトピックでお知らせいたしますのでご留意ください。
ESDC資格認証、資格更新セミナーでのCOVID-19感染予防対策につきましては、
ホームページをご参照ください。

詳細はこちら:https://rcj.or.jp/oshirase/2651

▼今月のもくじ
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【1】ESDコーディネータ登録維持年会費ご入金のお願い
【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ
【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ
【4】ESD対策に関連する規格の動向(8)
【5】静電気対策Q&A(12)
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【1】ESDコーディネータ登録維持年会費ご入金のお願い

日頃、弊センターの活動にご理解を賜りまして誠にありがとうございます。
4月に2020年度分の登録維持年会費のご請求書をお送りいたしましたので、ご入金
の確認をお願いいたします。コロナ感染の影響で、在宅勤務を選択されている方も
多くいらっしゃることと思います。ご出社の機会が少なく、まだ処理がお済みでな
い方は、至急、資格更新、認証カードの発行につきまして、ご連絡をいただくお願
いいたします。
この登録維持年会費は、資格保有者が多人数となりましたESD COORDINATOR資格認証
制度を運営していくための重要な資金です。みなさまからいただきました登録維持
年会費は、認証カードの発行、ESDコーディネータの意見交換の場を提供する場の充
実等に充てております。認証カードの1年ごとの発行は、「人事異動が激しく業務
変更も頻繁に起こるので毎年発行してほしい」というESDコーディネータのみなさま
のご要望にお応えしたものです。ご理解とご協力をお願い申し上げます。

ご連絡はこちらのアドレスにお願いいたします:info@rcj.or.jp

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【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ

年2回実施される資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
「第38回RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー」のお申し込み受付中です。
8月6日、7日にお申込みいただいた方で、受講を延期された場合の日時変更も承り
ます。

■第38回RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ─────────

開催日時:2020年10月19日(月)、20日(火)
会場:大田区産業プラザ(東京、蒲田)4階コンベンションホール
定員:100名

詳細・お申し込みはこちら:https://rcj.or.jp/esdc-seminar

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【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ

ESD COORDINATOR資格は、3年ごとに更新することになっています。資格更新セミナー
は、ESD対策技術(規格改定を含め)のアップデートの機会を与えることを目的とし
ています。なお、受講対象者には、メールでお知らせいたします。

新型コロナ感染拡大の影響を考慮し、資格有効期限が2019年12月31日のESDコーディ
ネータの方で、今年5月のセミナー受講が最後の受講機会になる場合、9月10日の
セミナー、11月16日のセミナー受講でも更新可能とします。

■第34回RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー ──────────

開催日時:2020年9月10日(水)
会場:大田区産業プラザ(東京、蒲田)3階特別会議室
定員:40名

詳しくはこちらから::https://rcj.or.jp/update-seminar

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【4】ESD対策に関連する規格の動向(8)

今回は、IEC 61340 4-1 Editon2.1 2015 Standard test methods for specific applications
– Electrical resistance of floor coverings and installed floors
(JISによる邦題:特定応用のための標準的な試験方法―床仕上げ材及び施工床の
電気抵抗)についてです。
この規格の第1項適用範囲には静電気対策に用いられるすべての種類の床仕上げ材
及び施工床の電気抵抗測定について規定した規格であることが説明されています。
この規格が対象としている測定範囲は1.0x10の4乗オームから1.0x10の13乗オーム
の抵抗です。この規格は床材料の実験室評価だけでなく、施工された静電気対策床
の品質管理にも適用されるとあります。
第2項の引用規格には、JIS L 1021-1とISO 1957が挙げられています。第3項は用語
の解説です。第4項は原理についての記載で、材料の厚み方向に対する垂直抵抗、
床の表面上の2点間抵抗、接地設備との接地間抵抗について説明されています。
第5項は測定器や測定電極に対する定義、第6項は実験室評価のためのサンプリング
として試験サンプルの垂直抵抗、2点間抵抗、接地間抵抗の測定方法について解説
されています。第7項は試料の事前準備について、第8項は試料の前処理と試験環境
についての規定、第9項が測定方法についての記載となっています。この第9項で初
めて施工床についての規定があり、静電気対策管理で必要になる部分です。第10項は
測定結果に基づくデータの算出方法、第11項が報告書のまとめ方でこの項で最後です。
IEC 61340 5-1やRCJS 5-1では静電気対策管理床の評価方法としてこの61340 4-1を引
用規格としていて、測定方法はこの規格に従うことになっているので、静電気対策
管理では重要な規格です。
次回は61340 4-2 衣類の試験方法についてです。

規格についてはこちらもご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-standard

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【5】静電気対策Q&A(12)

■イオナイザについての質問 ───────────────────────

絶縁体(カバー 等)をイオナイザで除電する場合、表裏面に対しイオンを当てる
必要はあるのでしょうか。

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◆回答例◆

イオナイザによる静電気除去の原理は、物質上の帯電電荷が大気中に放出された
プラス、マイナスそれぞれの電荷を持った空気イオンのうち、帯電極性とは逆の極
性の空気イオンと帯電電荷が引き合うクーロン力によって引き寄せて中和されるこ
とによります。
この時、表裏同極性に帯電した物体に表側からだけイオンを供給すると、イオンが
供給された面には自己の帯電に必要なイオンが吸収されるだけでなく、裏面にある
帯電電荷に対するイオンも蓄積します。裏面の帯電電荷に見合うイオンが表面に供
給され、見かけ上、表裏で釣り合うとイオンを吸収しなくなります。表裏の厚みに
対し十分離れた位置から電位を電界計で測定すると、いかにも帯電が無くなったよ
うに見えますが、実は表裏プラスマイナスに帯電したままの状態となっています。
この状態は物質から離れたところへの影響はなくなりますが、ごく近傍になると大
きな影響力が出てきます。このような状態を避けるには、極力、表裏同時にイオン
を供給し除電していくことが必要です。