RCJ通信

RCJ通信 第11号(2020年7月2日)

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 第11号

 より良い静電気対策管理のための
 RCJ通信
               2020.7.2 発行
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▼RCJ通信
静電気対策管理に従事する方々に向けて、RCJが開催するイベント情報をはじめ、
規格の動向、対策に関するトピックス、RCJの活動を発信するものです。
静電気対策にたずさわる方々に向けた情報を提供してまいります。

▼「新型コロナウイルス感染予防対策」について
日本電子部品信頼性センターが企画しているセミナー、イベント等は、政府の発表
と感染拡大の状況を鑑みて延期、もしくは中止することがあります。
企画を変更する際は事前に当センターがお送りするメールマガジン、ホームページ
のトピックでお知らせいたしますのでご留意ください。

▼今月のもくじ
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【1】RCJの開催するセミナーでのCOVID-19感染予防対策について
【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ
【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ
【4】ESD対策に関連する規格の動向(7)
【5】静電気対策Q&A(11)
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【1】RCJの開催するセミナーでのCOVID-19感染予防対策について

開催を予定しているESDC資格認証、ESDC資格更新セミナーでは、COVID-19感染予防
策として以下の対応策を予定しております。

1.受講会場、ロビー等ではマスクの着用をお願いします。
2.マスク、消毒用アルコール、使い捨ておしぼりをご用意いたします。
3.会場は出入口扉を解放し常時換気といたします。
4.テーブル等什器のアルコールによる殺菌をいたします。
5.発熱など体調のすぐれない方は受講をお断りすることがありますのであしから
ずご了承ください(検温計をご用意いたします)。

ご参加の皆様にはご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解の上、ご了承ください
ますようお願い申し上げます。

ホームページでのご案内:https://rcj.or.jp/oshirase/2651

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【2】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー開催のお知らせ

ESD COORDINATOR資格は、3年ごとに更新することになっています。更新セミナーは、
ESD対策技術(規格改定を含め)のアップデートの機会を与えることを目的としてい
ます。なお、受講対象者には、メールでお知らせいたします。

■第33回RCJ ESD COORDINATOR資格更新セミナー ──────────

開催日時:2020年8月5日(水)
会場:大田区産業プラザ(東京、蒲田)4階コンベンションホール
定員:150名

詳しくはこちらから::https://rcj.or.jp/update-seminar

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【3】次回 RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー開催のお知らせ

年2回実施される資格認証セミナーの次回開催日時をお知らせいたします。
「第37回RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー」のお申し込み受付を開始いたしま
した。

■第37回RCJ ESD COORDINATOR資格認証セミナー ─────────

開催日時:2020年8月6日(木)、7日(金)
会場:大田区産業プラザ(東京、蒲田)4階コンベンションホール
定員:150名

詳細・お申し込みはこちら:https://rcj.or.jp/esdc-seminar

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【4】ESD対策に関連する規格の動向(7)
今回は、IEC61340 3-1 Methods for simulation of electrostatic effects –
Human body model (HBM) – Electrostatic Discharge Test Waveformsと
IEC61340 3-2 Methods for simulation of electrostatic effects –
Machine model (MM) – Electrostatic Discharge Test Waveformsについての解説
です。
この2つの規格は静電気試験の放電波形と波形発生装置(回路)を規定する規格です。
HBMは帯電した人体からの放電を想定した波形のモデルで古くからある放電波形です。
これは半導体デバイスが作られ始めたころ静電気障害の主な原因が人体帯電だった
ことから来ています。MMは装置の金属フレームや、ドライバーの先端のような導体
からの放電を想定した波形です。まずどちらの規格も最初に適用範囲としてどのよう
な試験に適用できるかが記載されています。第2項は用語の説明、第3項には試験
装置として簡単な回路と定数、波形校正等が規定されています。
第4項は実際の放電波形と波形に対する要求事項や校正等、第5項は検体の試験方法
について記載されています。
そもそもこのHBM波形については、TC101は材料の評価などを含めた広い範囲での試験
を、同じIECの委員会のTC47では半導体デバイスに対する試験方法の規格として同様
の波形をそれぞれが提案し重複していたことから、双方協議の上、TC101が波形のみ
定義を、TC47はこの波形による半導体デバイスの耐性評価方法を主体に規格化するこ
とになったという経緯があります。TC101では2019年からこの規格の廃止を検討して
おり、今年(2020年)になって廃止が決定しました。HBMの波形をなくしてしまうと
いうことではなく、TC47が作成した規格(IEC60749series)による波形を参照する
ことになっています。

規格についてはこちらもご参照ください:https://rcj.or.jp/esd-standard

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【5】静電気対策Q&A(11)

■イオナイザについての質問 ────────────────────────

静電気除去に使われたイオンとは逆の極性の余ったイオンはどうなってしまうので
しょうか。

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◆回答例◆

イオンバランスの良いイオナイザで静電気除去(イオンによる中和)を行っても、
その最中は帯電物とは逆極性のイオンが吸収され、もう片方のイオンが余り、一時的
にイオンバランスが狂った状態になります。しかし帯電物と同極のイオンは、静電気
除去の最中に帯電物に反発されて帯電物を再度帯電させることにはなりません。静電
気除去を行っている空間が開いていると余ったイオン同士も反発して拡散し、近傍の
接地導体などに吸収され徐々になくなっていきます。また絶えず片方の極性の帯電物
を静電気除去していると、つぎつぎと片方のイオンが余ることになり、帯電物の近傍
の物体を帯電させてしまう可能性が出てきます。しかしその空間には新たなバランス
の取れたイオンがやってくるため、除電され帯電が発生することはありません。これ
は開いた空間での状況ですが、もし閉じた空間(絶縁性の箱の中など)で同様の静電
気除去をしようとすると、余ったイオンの行き場がなくなり、空間のイオンバランス
が狂って、周囲のものを帯電させてしまう可能性が出てきます。これは帯電物の消費
するイオンと、余ったイオン、新たに投入されているイオンによるイオンバランスが
狂っている状態といえます。これは少し無理のある状況ですが、接地された装置や接
地導体のチャンバーなどで構成された環境であれば、余ったイオンは接地導体に吸収
されてしまい、イオンのアンバランス状態は起こらなくなります。